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冷蔵庫に入れるだけではNG!梅雨に急増する「カンピロバクター食中毒」を防ぐには…

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米ボール モチーフのボックス
※写真はイメージです
usako123/gettyimages

食中毒が気になる季節ですが、近年急増中なのが「カンピロバクター食中毒」。重い下痢から脱水症状に陥り、子どもは入院することもあるといいます。そこで、どんな食中毒なのかを帝京大学医学部附属溝口病院の小児科医・黒澤照喜先生に、調理時の予防策を管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。

ウイルス性胃腸炎よりも重く、長引く下痢症状が特徴

厚生労働省ホームページ「カンピロバクター食中毒予防について」によれば、カンピロバクター食中毒は、5月~6月にもっとも増え、近年の食中毒原因菌のワースト1位です。ほとんどは胃腸炎症状で、脱水を原因とした10才以下の子どもの入院も多いと黒澤先生は言います。

「生・半焼けの鶏肉を食べることで起こるため、そのような食生活ができる年齢層で多いですが、乳児がかからないかというと、そうではありません。
感染した家族から菌をもらうことはあるため、すべての年齢層で感染者が見られます。ウイルス性腸炎よりも下痢などの症状が重く、治るまで1週間はかかります。重症になると激しい腹痛・頻回の下痢・血便などがあらわれ、重い脱水症状になることがあります」(黒澤先生)

厚生労働省ホームページ「カンピロバクター食中毒予防について」

まずは食中毒予防の3原則を知ることから始めよう

ウイルス性胃腸炎よりも重い下痢症状が長く続くという、おそろしいカンピロバクター食中毒。おもな原因は、生の状態や加熱不足の鶏肉、調理中の取り扱い不備による二次汚染とされています。そこで、家庭で発症を防ぐには、食中毒予防の3原則を知ることが大切、と太田先生は言います。

「食中毒の細菌を“つけない”、“ふやさない”、“やっつける”、この3つを食中毒予防の3原則といいます。この考え方にしたがって、どんなことに注意すべきなのかを紹介していきます」(太田先生)

【1】“つけない”=使い捨てビニール手袋を活用

菌がついた手で食材や調理器具を触ることで、菌はどんどん広がってしまいます。
「手による2次汚染は本当に多いので気をつけてほしいです。鶏肉を扱うときは使い捨てのビニール手袋を使うと安心です。手袋がないときは、せっけんでていねいに洗ってください。ただし、そのとき汚れた水をまき散らさないようにしましょう」(太田先生)

また、調理器具にも菌をなるべくつけない工夫が必要ですが、ポイントは調理の順番だといいます。

「最初に野菜、最後に肉という順番にすれば、まな板や包丁や手に菌をつるリスクを減らすことができます」(太田先生)

【2】“ふやさない”=冷蔵庫に入れるだけではNG

一般的に、食中毒の細菌は10℃以下の冷蔵庫では増えにくいとされています。しかし、カンピロバクター食中毒の菌は1~10℃の低温でも生存することがわかっています。そのため、冷蔵庫に鶏肉のドリップが付着すると一気に菌が増えてしまいます。

「鶏肉を買ってきたら、その日のうちに使わない場合は1枚ずつラップに包んで、空気をしっかり抜いてジッパーつき袋に入れましょう。これならドリップで冷蔵庫を汚すこともありません。そのまま冷凍してもいいですよ。使うときは、自然解凍や冷蔵庫解凍はドリップが出やすいので電子レンジで解凍しましょう」(太田先生)。

また、鶏肉を買ってきたら食べる大きさにカットしてから保存すれば、調理器具の汚れを少しでも抑えられるということです。

【3】“やっつける”=蒸し焼きでしっかり加熱

カンピロバクターを防ぐには、中心部を65℃以上で1分間以上加熱することが必要です。食中毒を起こしやすいのは焼き鳥やから揚げ、バーベキューなど高温調理のメニューですが、意外に中まで火が通っていないケースがあると太田先生は言います。

「おすすめは蒸し焼きです。鶏肉を焼いたらフライパンに水を少し入れてふたをして弱火でしばらく加熱します。低温でじっくり加熱することでしっかり火が通ります」(太田先生)

また、まな板や包丁など調理器具についた菌もしっかりやっつけないといけません。そこで活用したいのが泡スプレータイプの塩素漂白剤だそうです。

「水で洗い流したり、熱湯をかけたりすると、はねてシンクを菌で汚してしまいます。まずは塩素漂白剤をスプレーしてしばらくおいて水洗いし、その後洗剤や食洗機で洗いましょう。包丁やふきんも同様に。ふきんは、調理の最後にまな板にかけて一緒に塩素系漂白剤をスプレーすると簡単です。

また、木製のまな板はとくに菌が入りやすいので消毒後に熱湯消毒し、天日乾燥するとより安心です。プラスチック製も、長年使っていると傷から菌が入りやすくなります。離乳食用のまな板は別に新調すると安心でしょう」(太田先生)

また、太田先生は、まな板の裏表を肉魚用、野菜用と分けて使っているということです。

食中毒から守る!使えるお弁当テク

離乳食期にはあまり関係がないお弁当ですが、幼稚園に通い始めるとお弁当が必要になることも。そして、梅雨時のお弁当作りはとくに気を使う必要があります。カンピロバクター食中毒に限らず、お弁当による食中毒を防ぐためのポイントを聞きました。

水けをとる

水けが多いと食材が腐りやすくなるため、しっかり水けをとることが大切ということです。

「たとえばミニトマトはへた部分に菌がついていることがあるので、よく洗ってから入れるのですが、ペーパータオルなどでしっかり水けをふきとってください。また、ほうれん草のおひたしなどを入れるときもすりごまやかつおぶしを混ぜるなど、水けを吸う食材を活用するといいですよ」(太田先生)

冷ましてからふたをする

できたてアツアツの料理をお弁当に詰めてふたをすると、中身が高温に保たれるだけでなく、蒸気による水分で腐りやすくなります。

「まずごはんを詰めて、冷ましている間におかずを作る、という順番が効率的です。時間がないときも、扇風機をあてるなど、必ず冷ましてからふたをしましょう。保冷剤代わりに自然解凍できる冷凍食品を入れるのもいいですね」(太田先生)

使いかけの加工食品に注意

ありがちなのが、ハムやソーセージ、かまぼこといった加工食品の食中毒だそうです。添加物が入っているので腐らなそうなイメージですが…。

「賞味期限は未開封時の表示なので、一度開封したらなるべく早く使い切りましょう。もし開封して少したってから使う場合は炒めるなど加熱したほうが安心です」(太田先生)

また、食材は手で触らず、菜箸を使うことも大切だということです。つい手でいろいろなものを触りがちですが、気をつたいところです。

最後に、黒澤先生からママ・パパにメッセージをいただきました。

「新型コロナウイルスの感染はいまだに落ち着いていませんが、マスク着用やアルコール手洗いなどは新しい生活様式として根づき、実践されている方が多いと思います。
一方で、これで予防できない感染症もあり、カンピロバクター食中毒はこれに該当します。幸い、近年はこの感染による国内の死亡例は報告されていませんが、患者さんを見る限り、とてもつらそうで、家族も大変な思いをされていることが多いです。できることから、予防策を始めてほしいと思います」(黒澤先生)


お話・監修/太田百合子先生、黒澤照喜先生
取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部

ウイルス性胃腸炎よりも激しい下痢症状と聞いて、そのおそろしさがわかるママやパパもいるのではないでしょうか。ちょっとした工夫や意識で防げるカンピロバクター食中毒。鶏肉料理を作るときはぜひ参考にしてみてください。

黒澤照喜先生(くろさわてるよし)

Profile
帝京大学医学部附属溝口病院勤務。小児科医。東京大学医学部卒業。同大学医学部附属病院小児科、都立小児総合医療センター、わだ小児科・循環器内科医院などを経て、2017年より現職。3人のお子さんのパパ。

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