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突然わが子が発症する可能性も…?! 小児がん・小児白血病ってどんな病気?治療法は?【専門医】

アジアの下痢病の子供の患者、病院のベッドに横たわっている子供の入院患者。医療疾患のヘルスケアの概念。
※写真はイメージです。
Pornpak Khunatorn/gettyimages

小児白血病は小児がんの中で最も多い病気です。日常体調がすぐれないことから発覚する場合もあり、万が一のために小児白血病について理解を深めておきましょう。国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科診療部長の富澤大輔先生に聞きました。

白血病は「血液のがん」。子どもの白血病の多くは急性の白血病です

「がん」とは、体の中で異常な細胞が増える病気です。小児がんは、一般的には15才未満の子どもがかかるがんの総称で、白血病、脳腫瘍(のうしゅよう)、リンパ腫、神経芽腫、胚細胞腫瘍、横紋筋肉腫、骨肉腫などがあります。日本では、年間に2000~2500人の子どもが小児がんと診断され、「血液のがん」の白血病はその約3割を占めています。

白血病は、白血球など血液の細胞ががん細胞になることで起こります。「がん細胞」とは、正常な細胞に遺伝子変異が起こり、正常な機能を持たないまま、過剰に増殖した細胞です。
白血病は、がん細胞が急速に増殖する「急性」と、ゆっくり増殖する「慢性」に大別できます。小児白血病の大半は急性で、「急性リンパ性白血病」と「急性骨髄性白血病」があります。

――小児でも慢性の白血病を発症することはありますか。

富澤先生(以下、敬称略) 小児でも「慢性骨髄性白血病」を発症することがありますが、慢性リンパ性白血病はまずありません。

――血液細胞はどのようにしてがん細胞になるのでしょうか。

富澤 白血球などの血液細胞は、遺伝子のコピーを作って分裂します。コピーを作る過程で、“写し間違い”が起きたり、遺伝子に“傷がついたり”することで、がん細胞が生まれます。

――白血病の発症要因として考えられることはありますか。

富澤 発症する原因はまだ不明ですが、発症機序は少しずつ解明されてきています。遺伝子解析技術の向上によって、白血病と診断された患者さんの約10%に、白血病発症リスクが高くなる遺伝子の変異や多型があることがわかってきています。また、ダウン症のお子さんは発症頻度が高いことが知られています。

環境要因としては、放射線や電磁波、インフルエンザなどのウイルス感染症との関連が挙げられています。ただし感染症については、年少時にあまり感染症にかかっていないお子さんのほうが白血病の頻度が高いという説もあります。感染症にかかる機会が少ないことが免疫系の発達を遅らせて、体内に白血病の元になる細胞ができたときに、排除できなくなるのではないか、といわれています。

発症要因があっても必ず白血病になるわけではなく、白血病にならないお子さんのほうが多いです。放射線や電磁波も私たちは日常的に受けていますが、白血病を発症する人はごく少数です。白血病は一つ二つの要因で発症するのではなく、さまざまな要因が重なって偶然に発症するのです。

――発症する人は少数でも、発症する可能性はだれにでもあるということでしょうか。

富澤 そうです。細胞の遺伝子レベルでの変異は、だれの体の中でも日々起きています。発症要因は写し間違いや傷がつく確率を増やしているのにすぎません。
また、通常は傷ついた細胞などを排除するようなしくみが働くので、大部分の人は事なきを得ています。たまたまうまく排除できなくて変異細胞が残ってしまい、それが次々と積み重なって増えることで、白血病を発症すると考えられています。
つまり、発生要因の有無にかかわらず、白血病はだれでも発症しうるのです。

いつまでも風邪が治らないときなどは、かかりつけの小児科で血液検査を

――白血病の初期は、だるい、なんとなく元気がないといった症状が現れるようですが、風邪などでも同じ症状がみられるので、見極めが難しいのではないでしょうか。

富澤 白血病を疑うポイントは「なかなかよくならない」「時間経過とともに悪化する」「プラスアルファの症状がある」です。風邪であれば数日~1週間で治るのが一般的ですので、2~3週間続き、しかも日を追うごとにどんどんひどくなるといった場合は、風邪ではない可能性を考えなければなりません。“プラスアルファ”というのは、熱だけでなく顔色が非常に悪い、足に青あざがたくさんある、などです。

――子どもの様子がおかしいと感じて、かかりつけの小児科で相談した場合、白血病の検査はしてもらえるのでしょうか。

富澤 血液検査で白血球の増減や、貧血、血小板減少の有無を調べることは可能です。その結果「白血病の疑い」ありと診断されたら、小児がんの確定診断・治療を行える専門病院を紹介されます。当センターのホームページで「全国の小児がん診療施設の情報」を公開しているので、参考にしてください。

●全国の小児がん診療施設の情報

<白血病の確定診断に必要な検査>
・骨髄検査
白血病細胞は血液が作られる骨髄で増えるので、白血病細胞の有無や形態を顕微鏡で観察する

・白血病細胞の種類分け
白血病細胞の表面に出ているマーカーを検査して、白血病の種類を確定する

・白血病細胞の染色体と遺伝子異常の有無の検査

・中枢神経系(脳と脊髄)への浸潤の有無の検査

――確定診断がつくまでにはどれくらいの時間がかかりますか。

富澤 白血病かどうかは、骨髄検査を行ったその日のうち、もしくは次の日にはわかります。
ただし、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病のどちらなのかなど、正確な病型の診断には表面マーカー検査が必要です。検査を行った施設でマーカー検査ができる場合は1~2日で確定しますが、できない場合は検体を送る必要があるので、確定までに数日程度必要です。
また、代表的な白血病遺伝子異常を調べる検査は1週間くらい、染色体検査の結果は2~3週間かかります。したがって、正確な確定診断という意味では、数週間必要です。

――治療を開始するのは確定診断がついてからですか。

富澤 急性リンパ性白血病なのか、急性骨髄性白血病なのかのめどがつけば、初期治療はどのタイプも共通しているので、白血病だとわかった時点で初期治療を始め、検査結果がそろうのを待つことになります。

――白血病は「治る病気」でしょうか。

富澤 必ずとは言えませんが、「治る可能性が十分にある病気」です。検査上、「白血病がない」状態のことを「寛解(かんかい)」と言い、治療終了後4~5年間寛解を維持できていれば、その後に再発する可能性は1%未満ですので、「治った」とみなします。治る確率を上げるためにいちばん重要なのは、科学的根拠に基づいた治療をお子さんに受けてもらうこと。担当の先生とよく相談しながら治療を進めてください。

取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

お話・監修/富澤大輔先生

小児白血病が発症するメカニズムと診断までの流れについて解説してもらいました。「いつまでも元気がない」「青あざが治らない」など気になる症状がみられるときは、早めにかかりつけの小児科医に相談しましょう。

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