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なぜ…?わずか14cmの隙間に2歳児が首をはさまれ死亡。3~5月は遊具による事故が増加?!【小児科医】

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遊ぶ親子
※写真はイメージです
yamasan/gettyimages

暖かくなってくると、公園で遊ぶことが増えてきます。しかし消費者庁の調べでは、1年の中でも3〜5月はとくに遊具による子どもの事故が多いそうです。なかには命を落とすような事故も…。子どもの事故に詳しい小児科医 山中龍宏先生に、実際に起きた遊具での事故について聞きました。

2〜3歳の頭の幅の平均は14cm弱。柵のすき間が14cm以上ならば頭が入る

2016年2月に発表された消費者庁のリリースによると、遊具による子どもの事故が増えるのは3〜5月の春です。軽症が多いのですが、入院したり、3週間以上の治療を要するけがをしたりする子もいて、なかには亡くなるケースも。実際に起きた事故の事例から、どんな遊具が危険なのかがわかります。

――2021年11月、岡山県の保育園・園庭にある遊具で遊んでいた2歳の男の子が、柵のすき間に首をはさんで亡くなりました。柵のすき間はわずか14cmと報道されましたが、14cmという狭いすき間に子どもの頭は入るものなのでしょうか。

山中先生(以下敬称略)2歳児の頭の幅の平均は13.7cmなので14cmのすき間だと入ってしまいます。3歳児でも頭の幅の平均は13.9cmなので14cmのすき間だと入ります。
この事故は保育園で起きましたが、公園などでも起こりうる事故です。

――万一、公園の遊具に子どもが首をはさんでしまったらどうしたらいいのでしょうか。

山中 ママやパパが、無理に引っ張ったりしても取れないでしょうから、まずは首をつらないように抱っこしたりして、体を支えてください。そして急いで119番通報をして、子どもの状態を説明してください。救急隊が救助に駆けつけてくれるはずです。

――何秒ぐらいで発見してあげると、命を落とさずに済むのでしょうか。

山中 子どもの体重や首のはさまり方にもよるので一概には言えません。
以前、保育園の木製遊具のV字になっているすき間に首をはさんでしまった3歳の女の子がいたのですが、防犯カメラの映像から、首がはさまってから1分29秒後には体動がなくなっていました。発見後すぐに救急搬送されたのですが、9カ月後に亡くなっています。

10年前には、12.5cmののぼり棒のすき間に首がはさまった子も

公園の遊具は、子どもたちが安全に遊べるように国が安全基準の指針を設けています。しかし古い遊具は、今の安全基準を満たしていません。そのため事故が起きることも。

――子どもは狭い柵の間を通り抜けようとして、頭が抜けなくなったりすることもあります。こうしたことは、子どもが好奇心旺盛だから起きるのでしょうか。

山中 子どもは好奇心旺盛で、狭いところを通り抜けたり、穴に指を入れたりするのが大好きです。また公園の遊具も、大人が想定しないような遊び方をすることもあります。そういうことをするのが子どもなのですが、時には命にかかわるような事故が起きています。

日本小児科学会HPの傷害速報にもありますが、2011年10月、幼稚園・園庭にある遊具で、3歳の女の子の首が引っかかりました。
この園には、のぼり棒が付いたすべり台がありました。本来、のぼり棒はのぼるための棒ですが、子どもたちは遊具から地面に下りるために、のぼり棒を使っていました。のぼり棒の上部には12.5cmの水平部分があったのですが、女の子はそこに首をはさんで動けなくなり、ぶら下がっているところを職員が発見しました。幸い発見が早く、すぐに救急搬送されたため命に別条はなく、意識レベルも問題なし。翌日には退院でき、5日後に再診しましたが、問題はありませんでした。

女の子が事故にあった遊具

幼稚園の遊具は、1969年(昭和44年)に設置された古いタイプ。オリジナル製品で、製品番号などもありませんでした。

女の子の首が引っかかったすき間

写真は、のぼり棒の接続部分。手前の塗装がはげている部分に女の子は首を引っかけてしまい宙づりに。すき間はわずか12.5cmです。

――こうした遊具の事故を防ぐには、どうしたらいいのでしょうか。

山中 この幼稚園の遊具は、1969年に設置された古いタイプです。
国土交通省は2014年に、新たに「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」をまとめましたが、古い遊具はこうした安全基準を満たしていません。また手作りの遊具も、安全基準を満たしていないものが多いです。そのためママやパパは、古い遊具や手作り遊具は危険という意識をもつことが大切です。

また子どもが公園の遊具で遊んでいるとき危険な場面を目撃したら、公園の管理事務所や役所の公園課などに報告しましょう。何も対策をとらず放置したままだと、いつか大きな事故につながることもあります。

公園で遊ぶときはランドセルやリュックサック、ヘルメットなどは親が預かって

山中先生は、公園で遊ぶときは荷物や衣類などにも注意が必要と言います。

――子どもの荷物や衣類が原因で、事故が起きたりもしているのでしょうか。

山中 2002年9月、石川県で小1の男の子がランドセルを背負ったまま公園にあるうんていの上で遊んでいました。しかしバランスを崩して、うんていのすき間から転落しそうになったところ、ランドセルの底がパイプに引っかかり、男の子はうんていのパイプで首がつられる形になってしまい、死亡してしまいました。ランドセルを背負っていなければ起きなかった事故です。

そのため公園遊びのときは、ランドセルやリュックサック、ヘルメット、水筒など、遊具に引っかかるものは子どもに持たせないでください。フードつきの衣類も、遊具に引っかかると危険なので公園遊びのときは着せないでください。

――亡くなった子は小1だったとのことですが、こうした事故は何歳ごろまで注意したほうがいいのでしょうか。

山中 公園でひとり遊びを始めるようになったら注意が必要です。10歳ぐらいまでは、こうした事故の危険性があると考えてください。

お話・監修・写真提供/山中龍宏先生 協力/公益社団法人 日本小児科学会 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

山中先生によると、紹介した事故の事例には入っていませんが、ネットの上を歩いたりして遊ぶ遊具も、ネットが破れていたりすると、ネットから落ちた拍子に首が引っかかることもあるそうです。「ネットはやわらかいから大丈夫」と考えるのは間違いです。

山中龍宏(やまなか たつひろ)先生

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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