「義実家のお墓には入りたくない!」「そろそろ墓じまい…」どうする、これからのお墓問題
親が遠方の場合の墓じまいなどが話題になっています。墓じまいだけでなくよく聞くのが、義実家のお墓に入りたくない問題。そこで、お墓問題について口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声を紹介するとともに、家族関係に詳しい、作家の鳥居りんこさんのアドバイスをお届けします。
ママたちのお墓問題は奧深い
――まずは、ママたちの声を紹介します。
■夫が亡くなったら墓じまい
「義実家のお墓は田舎の山の中なので、私はそこに入るのは嫌かな。夫は入る気満々。車で8時間かかるし、夫が入るのは勝手だけど。かなり長い間続くお墓みたいですが一人っ子の夫が入ったら墓じまいだな。(何故か私の方が長生きする前提…)。私が先に死んで、勝手に入れられないように頑張らねば!」
■義実家との関係は良好でも、お墓は別にしたい
「夫や姑(健在です)とは、関係は良好で、決して不仲ではありません。また、夫の実家の墓には、将来的には私の息子も入る可能性は高いかと思います。けれども、私自身は、夫の実家の墓とは別のどこかの永代供養墓に入りたいと思えてなりません」
■我が家は墓守のことを考えて納骨堂に
「我が家は、まだお墓がなかったので、義母が他界した後、どうしよう?というところから始まったのですが、将来の墓守を考えると、納骨堂の方がいいのでは?という結論に」
■海に散骨が理想
「子どもがひとりっ子なので墓守、墓掃除、仏壇、お寺のあれこれ、負担をかけたくないし、やってもらいたいと全く思いません。私もやりたくないです。海に散骨って、僅かだけど粉にしてもらって撒いてくれたら、何となく流れに任せて漂えそうでいいなぁと思っています」
■希望は樹木葬
「私は樹木葬にしてもらいたいと思っているので、終活する時がきたらここに入れてほしいと生前から自分で準備しておく予定です。子どもに墓守の負担をかけるのが嫌ですし、死んでまで家に囚われたくないです」
■近い将来、墓じまいをする予定
「我が家も夫は長男で、義父が建てたお墓に義父他数名が入っています。義母は健在です。実家とお墓の場所が、うちから離れています。義母には内緒ですが、お墓は墓じまいする予定。将来、2人の娘たちが世話をしに行くことは無理なので。夫と話し合ってそう決めました。私たちは永代供養、もしくは散骨にしたいと思っています」
■子どもたちに託してあります
「遺言というか正式ではありませんが、自筆と日付とサインがしてある手帳を子どもたちだけに言い聞かせてあって、私にもしものことがあれば、その手帳を元に絶対に夫側のお墓に入れられないように、散骨や直葬の指示が全て書いてあります。もちろん葬式もなし、散骨も合同タイプなどと細かいことを書いてあります」
■夫と2人で永代供養の予定
「私は夫と2人で入る永代供養にしたい、と直接伝えています。夫もそれでいいと。義父母は健在ですが、どちらかが亡くなれば新しくお墓を考えることになります。そこには義父母、未婚の兄弟が入るでしょう。なので、折を見て、うちは夫婦2人で入りたいことを、夫が義父母に話しに行く予定です」
お墓問題どうする??
最近話題の墓じまい問題。義実家のお墓には入りたくないという声もありますが、将来、子どもたちに迷惑をかけたくないという声もあるようです。そこで鳥居りんこさんにお墓問題についてアドバイスいただきました。
「ああ、嫁子を悩ます墓問題。ありますね~。友人A子の場合は、おしゅうとさんが代々の墓を持ち、お姑さんはそれが嫌でご自分のお墓をご購入。もちろん、ご実家には父方の代々の墓があり、しかし、突然、クリスチャンになったお父様のお墓は別にあり、お母様にはお母様の事情がお有りだとかで、ご自分のご実家に入りたいとの強い希望をお持ちで。
『ない頭』でワタクシが計算するに、ひとりっ子同士の結婚をしたA子は現在、5つの墓守の権利を有するという不動産?バブル。
『私、娘しかいないんだけど、このお墓、どうしたらいいのかな?』と、相談されましたので『選り取り見取り、A子、(死んだら)入り放題じゃん!?』と答えたら、怒られました。
だって、完璧に『需要と供給』のバランスが悪すぎるんですよ。墓の数と継承する人の人数が合ってないんですもん! どーするも、こーするも『出たとこ勝負』しかないと思うんですよね。
かく言うワタクシも『墓問題』はお手上げです。例外ではなくウチのダンナ(長男様)は田舎出身です。ワタクシが『墓‘S』と呼んでいる、墓石の複数形をたくさんお持ちなんですよ。姑ですら、よそから来た人ですから、今となっては、もう誰の墓なんだか分からないような有様(田舎あるある)。そこらにある“石たち”はみーんなご先祖さまってことで、姑(=今現在、唯一の墓守)は大切にしています。
姑は賢い人なので『りんこさんが困ると思うから、墓誌ってのを建てて、ちょっとだけ、まとめてみたの。ここに次に私の名前が彫られて、その次はりんこさんかしら、うふ』と順番までをも、お決めいただくという有難いお話を拝聴したところです。
でも、ワタクシは息子ラブでございますから、息子の苦労を想像し、ここは『一気にド田舎からのお引越し♪』を狙いまして、姑に相談したところ、
こう言われたんです。
『その時は、私は死んでいるから、好きにしていいけど、墓じまいには費用がかかるわよ』と。
で、ワタクシは調べました、その費用とやらを。するとですね、実際、実行した友人たちから『300万から承りだよ』と、さわやかな情報を聞いたもので戦意喪失。
今だって大変なのに、死人に払える金がない(号泣)。というわけで、息子に言いました。『コレコレこういうことで、君にはすまないと思っている』と。すると、息子は笑顔でこう抜かしやがりました。
『アンタが死んだら、庭にでも埋めてやるから心配すんな!』
息子よ、それは犯罪だ。もう、色々、心配過ぎて、ワタクシ、絶対、死ねません…」
(お話/鳥居りんこさん)
友人との会話で増えた墓じまいの話題。そういう歳になったのだとしみじみ。実家近くの人はいいのですが、遠方にいる人ほど困っています。ただ墓じまいするにもお金のかかるようなので、そろそろ真剣に家族会議が必要なのかも。(文/酒井範子)
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
鳥居りんこ
PROFILE
作家。教育・介護アドバイザー。2003年、学研より『偏差値30からの中学受験合格記』でデビュー。実体験に基づいた『中学受験シリーズ』が人気。最新作は『親の介護をはじめる人へ 伝えておきたい10のこと』(学研プラス)。新刊に『女はいつも、どっかが痛い』(小学館)がある。執筆・講演活動などを通じて、子育てや受験、就活、介護に悩む母たちを応援している。ブログ「湘南オバちゃんクラブ」https://note.mu/torinko
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