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子どもの脳重量は2才ごろには生まれた時の約3倍に。脳科学者に聞いた「育脳」につながる親のかかわり方

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子供の頭と脳のモデル
※写真はイメージです
humonia/gettyimages

16万人を超える脳のMRI画像から、脳の発達のしくみを解明する脳医学者である東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生。10才の男の子のパパでもある瀧先生に、子どもの脳の発達から見る子育てのヒントと、瀧先生自身の子育ての様子を聞きました。第2回のテーマは「脳の発達に重要な親子のコミュニケーションについて」です。

脳に交通網をはりめぐらすには親子コミュニケーションが大事

――「育脳」というキーワードが話題になって久しいですが、子どもの脳が成長する、とはどういうことか教えてください。

瀧先生(以下敬称略) ヒトの脳には約1000億個の神経細胞(ニューロン)があります。この神経細胞同士がシナプスと呼ばれる神経伝達回路でつながり、ネットワークの道が作られることで情報処理が可能になります。脳は、この神経細胞の道路をたくさん作り、よく使う道路は太く丈夫にし、あまり使われない道路は壊していきます。
子どもの脳は、このように道路を作り、整理することを繰り返して成長します。脳に効率のいい交通網をはりめぐらすと、子どもの能力は高くなると考えられます。

また、神経細胞のつながりが増えると脳の体積が増えますが、乳幼児期はとくに脳の成長速度が速く、出生時には約300gといわれる脳重量は、2才ごろには約3倍に増えるといわれます。

――乳幼児期のころは、親のどんなかかわりが子どもの脳を発達させるのでしょうか?

瀧 脳が育つ土台として大事なことは、生後すぐから始まる愛着形成(アタッチメント)です。赤ちゃんの目を見て、語りかけ、やさしく抱きしめる、このようなかかわりから、赤ちゃんが親への深い信頼感を得ることが、脳が育つ土台になります。

そして、子どもはとくに母国語を覚えるときに、単に言葉だけでなく、表情やしぐさを含めてコミュニケーションを覚えていくといわれています。ですから、親子の豊かなコミュニケーションが母国語の獲得の上で非常に重要です。
赤ちゃんが何か声を出したときに、ママやパパが「そうなんだね」と答えてあげる、このようなやりとりは、私たち脳科学者の間ではテニスのサーブ&リターンにたとえて「コミュニケーションのテニス」ともいわれたりもします。

赤ちゃんが打ったサーブを、ママやパパ、あるいは保育者がしっかり打ち返して答えてあげると、赤ちゃんの脳の神経細胞同士がつながり、脳の中に道ができていくのです。

――3〜5才くらいでは、日常生活の中で子どもの脳の成長のためにどんなことができるでしょうか。

瀧 幼児期の脳の発達には運動も大事ですので、一緒に外遊びやスポーツをするのもいいですし、あるいは一緒に楽器を演奏してみることも、脳の発達にとてもいいです。

また、他者とのコミュニケーションが大事な時期なので、親子の会話をたくさん増やすといいと思います。コミュニケーション能力は、将来の学業成績にもかかわるといわれています。さらに、会話をたくさんできる親子関係を築いて、子どものコミュニケーション能力が高まると、家族以外の他者に対する共感性も高まります。共感性とは、相手の言葉・表情・しぐさから相手の気持ちを理解して適切な行動をとること。この能力が伸びることこそ、社会で生きていく上で大事な力になるでしょう。

脳医学者パパ・瀧先生の子育て体験を教えて!

――瀧先生の息子さんが小さいころ、脳医学者のパパとして、心がけていたかかわりはありますか?

瀧 自分の子育てを振り返ると、全然ちゃんとできなかったな、と反省ばかりです。おむつ替えなどのお世話も下手で…いつも妻からお世話のしかたを教えてもらっていました。
ただ、息子が1才すぎたくらいからは、子どもにやらせてあげたいな、と思うことは、まず自分が率先して楽しむようにしていました。虫とりもよく一緒に行きましたし、一緒に本や図鑑を読んで、子どもの前でピアノを弾くこともしていました。

脳の発達にいいとはいえ、子どもは「あれやれ、これやれ」とだけ言われるとやりたくなくなってしまいますから、自分自身が楽しいことを共有して一緒にやるように心がけていました。子どもはいろんなことを模倣して学びます。親である私自身が、いかにいろんなことを楽しんで、人生ってこんなに楽しいんだよ、ということを見せることを、今でも大事にしています。

――息子さんはどんな遊びが好きでしたか?

瀧 息子はおもちゃなら働く車が好きでした。あとは本や図鑑を読むのが好きでしたね。とくに恐竜が好きで、図鑑で覚えたことを「タルボサウルスとティラノサウルスはここが違うんだよ」とか「どうしてユーラシア大陸からアメリカ大陸に肉食恐竜が移動したか」なんて話してくれるので、それを聞くようにしていました。働く車や恐竜の名前は、息子のおかげで私も詳しくなりました(笑)。
最近はそれがマインクラフトというゲームになったので、いっそ息子より詳しくなってやろうと、私もこっそり本を読んだりしています。遊びも親子のコミュニケーションツールだと思っています。

【瀧先生に聞く】ママ・パパからの気になるQ&A

子育て中のママやパパの困りごとや悩みに、瀧先生からアドバイスをもらいました。

【Q】母に「抱き癖がつくから抱っこしすぎないように」と言われます。あまり抱っこしないほうがいいのでしょうか。

【瀧先生より】
個人的な意見になりますが、赤ちゃんに豊かな刺激を与えてあげるという観点では、赤ちゃんのアピールにママが答えてあげて、抱っこしてあげることはとても大事です。赤ちゃんの不快な感覚をママやパパが取り除いてあげ、たっぷりの愛情を注いであげるアタッチメントは、脳の育ちにとっても大切だと思います。子育てのやり方は家庭によってさまざまで難しいですが、私はアタッチメントを優先すべきだと思います。

【Q】上の子の赤ちゃん返りに手がかかり、下の子が泣いても手がかけられません。下の子に悪影響でしょうか。

【瀧先生より】
手をかけてあげられないと心配する気持ちはあるのでしょう。ですが長期的に見ると、きょうだいがいることは、さまざまなかかわりが体験できるという面で、ポジティブな要素もたくさんあると思いますし、心配しすぎなくても大丈夫ではないでしょうか。科学的なエビデンスで説明できないことなので、私個人の意見になりますが、きょうだいがいることは素晴らしいと思いますし、私の息子はひとりっ子ですが、ひとりっ子はひとりっ子のよさがあるとも思います。

お話・監修/瀧靖之先生

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

赤ちゃんの脳の発達には、抱っこやお世話をするといった、日常的な親子のかかわりがとても大切です。子どもと一緒に過ごせる時間には、できるだけ会話をしたり、遊んだりしながら、親子で楽しい経験ができるといいですね。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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