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増加するシングルマザー、孤立化が課題。自分らしく認め合って生きていくためにできること

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幸せな家族の瞬間。夕焼けの背景に赤ちゃんを回転させるお母さんのシルエット。美しい風景。愛と母性。自由。幼年。姉妹関係。国際女性デー。海の旅
●写真はイメージです
Hanna Taniukevich/gettyimages

日本におけるシングルマザーの数は約123.2万人(※)。ひとり親にとって経済的な問題は当然大きいものの、さらに深刻な課題は「孤立」にある、と言うのはNPO法人シングルマザーズシスターフッド代表理事の吉岡マコさん。シングルマザーがもっと生きやすくなるために、今、どんなサポートが必要なのでしょうか。吉岡さんに聞きました。

※厚生労働省 平成28年度 「全国ひとり親世帯等調査の結果」より

シングルマザーにとって最大の壁は「社会的孤立」

自身もシングルマザーとして一人息子を育ててきた吉岡マコさん。1998年より産前・産後のケアを普及、啓発する「NPO法人マドレボニータ」を運営する中で、ひとり親の置かれる状況の厳しさを知り、気づいたことがあるそうです。

「家族の形が多様化している現代において、ひとり親家庭は珍しくはありません。社会制度としての経済支援はありますが、精神的なサポートがまだまだ少ないのが現状です。

マドレボニータの教室に来てくれた人の中にも、ひとり親であることを周囲に隠していたり、ほかのシングルマザーに出会う機会がなかったりするという声を聞き、社会的に孤立している人がとても多いことに気づきました」(吉岡さん)

かつて吉岡さんの子育てを支えてくれたのは、手を貸してくれるたくさんの仲間たちでした。そのことを思い出し、吉岡さんは2020年12月にNPO法人シングルマザーシスターフッドを立ち上げます。

「乳幼児期の子を抱えて育児や仕事の責任を1人で担うのは、本当に大変です。でも、勇気を出してまわりに頼ることができたら、子育てはきっともっと楽しくなる。親が幸せに生きる姿を見て育つことは、子どもにとっても意味のあることだと思います。

さらに、コロナ禍で人とのつながりが薄れ、ますますシングルマザーの孤立化は深刻になっていました。そこで、”セルフケアとエンパワメント”をテーマに、シングルマザーという共通点を持つ人たちが安心して集まり、オンラインを通して支え合う場所を作ったんです」(吉岡さん)

ケアされるだけでなく学び、貢献する過程が大切

離婚、非婚、死別など、シングルになる理由はそれぞれ。しかし多くのシングルマザーは、強い傷つき体験により心にダメージを負っています。

「まずは、児童扶養手当やひとり親家庭へのヘルパー派遣、各種減免措置など、行政の基本的な支援を上手に使ったうえで、自身のための回復ステップに進んでほしいと考えています。

第一に、心身の健康を取り戻すことが大切です。ゆっくり元気になってきたら、自分は本当は何をしたいのか、どんなふうに社会とつながりたいのか、そうしたことを改めて考えてみてほしい。1人では、なかなかそういったことまで考える余裕がないと思いますが、きっかけがあれば、そして、仲間がいれば、きっとできます。私たちも、仲間として伴走していけたらと思っています」(吉岡さん)

吉岡さんは、シングルマザーが本当の意味で自分を取り戻すためには3つのステップが必要だと考えているのだそう。

【ステップ1】セルフケア

まず、回復の基本となるのが、心と体を自分で整えていくセルフケアです。

「1日30分でもいいから、簡単な運動を習慣化してみてください。精神状態が見違えるほど安定します。

シングルマザーズシスターフッドでも、オンラインで参加できるエクササイズ講座を週末の早朝と平日のランチタイムに毎週開催しています。1人では続けにくいことも、仲間がいれば楽しく続けられます。体を動かし、信頼できる人と思いを共有することが回復の第一歩になるかもしれません」(吉岡さん)

【ステップ2】学びと自己探究

次に必要なのが「学び」の段階です。

「”セルフケア”が今をよくするためのものだとしたら、”学び”は未来をよくするためのもの。自分の課題と真摯に向き合い、学びを通して、自己探求するプロセスが次への回復につながります。

シングルマザーが忙しいのは確かですが、早起きして時間を作ったり、移動時間や隙間時間を有効活用すれば、仕事に必要なスキルを学んだり、子育ての助けとなる講座を受けたりといったことも意外と可能になります。
そうした努力は、きっと未来の自分への新たな足がかりになります。」(吉岡さん)

【ケア3】貢献による自己回復

そして最終的には「場に貢献すること」が本当の意味での自己回復につながります。

「これは、シングルマザーの人たちと活動をしてきて、私自身が、教えられたことです。体験を通して得た気づきやスキルを使って、『他者に対して貢献した』という強い気持ちが、自然と生まれてくるものだと、皆さんとの活動を通して改めて気づかされました」(吉岡さん)

最近では、講座の参加者が運営側に回って、新しいシングルマザーの参加者を支援したり、企業や大学と協力してひとり親家庭の共同研究にかかわったりという活動にも協力しているのだそう。

「セルフケア”、”学び”、”貢献”というこの3つのステップを自分のペースで繰り返していくことで、シングルマザーという道を「選ばざるを得なかった」ではなく、「勇気を持って選択した」というふうに、自分の過去をポジティブに再定義し、本来の自分が行きたい人生を歩んでいけると信じています」(吉岡さん)

お話/吉岡マコさん 写真・資料提供/NPO法人シングルマザーズシスターフッド 取材・文/玉居子泰子、たまひよONLINE編集部

人生は一方通行で完結するものではなく、周囲と関係し合いながら進んでいくもの。ひとり親になるという体験をしても、自分の人生を肯定し直し、自分らしい目標を持って生きていくことができる。シングルマザーになるという勇気ある選択をして、楽しく輝けるチャンスを持てるということが、より広く認識される社会になってほしいと思います。

吉岡マコさん(よしおかまこ)

PROFILE
NPO法人「シングルマザーズシスターフッド」代表理事。東京大学で身体論を、同大学院生命環境下学科で運動生理学を学ぶ。1998年に出産後の、経験から産後ケアプログラムを開発。NPO法人「マドレボニータ」を設立し、産後ケアの普及と啓発に尽力した。2020年12月、同代表を退き、シングルマザーのセルフケアとエンパワメント支援に専念するため、「シングルマザーズシスターフッド」を創設。 著書に『産前・産後のからだ革命』(カドカワ・ミニッツブック)『みんなに必要な新しい仕事』(小学館)。

シングルマザーシスターフッドHP

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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