学費も値上がり⁉ 教育資金の貯蓄はしていないが約40%も。「教育費が足りない!」にならないように備えるには?
妊娠・出産を機に考えたい子どもの「教育資金」。「たまひよ」アプリユーザーへのアンケート結果とともに、教育資金計画についてファイナンシャルプランナー山口京子さんのアドバイスをお届けします。
教育資金貯めてる?どんな方法で?
まずは、みんなの教育資金の実情と貯蓄方法について聞いてみました。
教育費の貯蓄をしているか聞いてみると、約50%が「貯蓄をしている」、約40%が「貯蓄はしていない」と答えました。
普段から教育費の貯蓄をしている人はどんな方法で貯めているのでしょうか。
■自分の口座を活用して貯蓄
「私の口座のうちの1つの貯金は、基本的に子どもの教育資金にしようと考えています」(n)
■お祝い金や児童手当を貯蓄
「特別なにもしていませんが、お祝いでいただいたお金や児童手当は、生活費とはわけて貯金しています」(み)
■給料から自動積み立て
「子どもの口座を作り、給料から自動で積み立てできるようにしています」(まめ)
■毎月貯蓄
「毎月の貯蓄とこども保険で貯めています」(ふるさと)
■学資保険で
「自分で貯める自信がないので、こども保険を選びました。私自身、親がこども保険に加入していたお金で大学に入学したからです」(330)
■子どもの口座に貯蓄
「児童手当とお祝い、お年玉を子どもの口座に貯金しています」(ささ)
■つみたてNISA
「扶養手当、児童手当を別口座で貯めていました。さらに、つみたてNISAを始めました」(ゆりはは)
■ジュニアNISA
「ジュニアNISAと児童手当を貯めています」(しげ)
■きょうだいで別の方法で貯蓄
「第1子はこども保険で、第2子は投資信託で貯めています」(バタ子)
■普通口座に貯蓄
「妊活中から口座を分けて、普通預金で毎月一定額を貯金しています」(nana)
インフレ時代は、大学の授業料の値上げにも備えた教育資金計画を
近頃のモノの値上がりは教育費にも影響しています。そこで山口京子さんにインフレに負けない、教育資金の貯め方について伺いました。
「アンケートでは、まだ貯めていなという人が約40%もいらっしゃいますが、まだという人は、この機会に計画を立てておくことが大切です。
教育資金は、18歳頃に大学や専門学校などに入学することがわかっているので、計画的に貯蓄することができます。お子さんが生まれたら、教育資金だけでなく、どんなことにお金を使うかなどの教育方針についても夫婦で話し合っておきましょう。
教育資金を貯めるために注意したいのが、お稽古ごとの出費です。中学、高校とお金がかかるので、小さい頃からたくさんのお稽古をしていると、どんどんお金が出ていってしまい、教育資金を貯められないということにもなりかねないからです。
『まわりが〇〇を習っているから、うちも…』という考え方はやめて、何にお金を使うかという家庭の教育方針を大事にしましょう。
例えば、我が家の場合、英語教育に力を入れたかったので、赤ちゃんの頃から英語教材は買いましたが、洋服は生まれたときから、ほとんど親戚のお下がりでした!(笑)。小4で英検準2級に合格したので、よかったと思っています。
教育資金は、こども保険とドル建ての終身保険で積み立てています。将来、海外留学する可能性も視野に入れて、日本でも海外でもどちらでも使えるようにと考えています。
一般的に、教育資金は300万円〜500万円を準備するのが目安です。一時期、戻り率が悪かったこども保険ですが、アフラックの『夢見るこどもの学資保険』は、改定され戻り率が大幅にアップしました。ただ、これまでのように、こども保険と預金だけで準備するだけでは、心許ないというのが現状です。
というのも、インフレで物価が上昇し、ものの値段がどんどん上がっていますが、教育費も例外ではないからです。令和3年の私立大学の初年度の平均の学費は、1,357,080円※でデフレ下でも毎年上昇していました。お子さんが大学に入学する頃には、さらに値上がりしているはずです。
今後のインフレ対策として、教育資金の上乗せ分として、つみたてNISAや投資信託などで運用することも考えたほうがいいでしょう。教育資金を投資で運用するという方法もありますが、お金が必要な時期に下がっていることも考えられますから、預金やこども保険などと合わせて運用するというのがいいのではないでしょうか。
ただし、教育資金が目標額に達成していないからと貯まったお金を一気に投資するのは危険です。時間を味方につけてゆっくり確実に貯めていけば、上がり下がりの値動きに一喜一憂することもなくなるはずです」(山口京子さん)
教育資金は、いつまでにいくらという先を見通した計画が大切ですね。
(取材・文/酒井範子)
山口京子さん
PROFILE)
ファイナンシャルプランナー。証券外交員。生命保険、損害保険、変額保険、少額短期保険募集人。情報サイトオールアバウト『家計管理』『お金美人のすすめ』執筆、テレビ、ラジオ、セミナーで活動中。著書に、『貯金ゼロから始める「新へそくり」生活のススメ』『なまけものが得をするワンコインつみたて投資術』など多数。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年6月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数613人)
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