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まさか・・・買い物中に娘が脚立から転落。頭を打ってぐったりした様子に、泣き叫びながら救急車を呼んだ【ママ泌尿器科医】

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雨天の窓にはしごの椅子に座った小さな子供の足。
●写真はイメージです
Dmitriy Galaganov/gettyimages

ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第31回。今回はいつもの連載と少し変えて「子どもの安全、事故防止について」がテーマ。岡田先生の1才半の娘が頭蓋骨骨折の大けがをしたときのことを振り返ります。

家族とショッピングモールで買い物中に起きた落下事故

先日、1才6カ月の娘が頭蓋骨骨折の大けがをしました。
幸い今は普段通りの日常を送っていますが、一歩間違えば命の危険、後遺症の可能性もあったような大けがでした。今回はそのときの体験から子どもの安全、事故防止について考えたことをお伝えしたいと思います。

事故が起きたのは土曜日の夕方、ショッピングモール内にあるスポーツ用品店で夫、子ども2人と買い物をしていたときのことです。
息子は、サッカーシューズを店員さんと一緒に試し履きしていました。
最近一気に活動的になった娘は、抱っこやベビーカーを拒否。店員さんが高いところにある商品を取る際に使う、キャスターつきの脚立に登ろうとしていました。脚立はいちばん高いところが1mくらいの高さ。危ないので、登ろうとしては私が下ろすということを繰り返していました。夫は1人で店内を散策していました。

娘の安全を見守りながら、息子や店員さんとも会話していたとき、私の携帯に着信が。発信先を見ると、勤務先の病院です。金曜日に状態の悪い患者さんがいたため、「何かトラブルが起きたのでは」と電話を取りました。
予想通り、患者さんにトラブルが起きたとの連絡。このとき、無意識のうちに「子どもを見守る母親モード」から、「仕事モード」に完全に切り替わってしまっていたのです。

通話開始から1分程で、私の関心がそれて退屈した息子は、娘が登っている脚立に自分も登ったかと思うと、すぐに思いっきりジャンプ。反動でキャスターつきの脚立はものすごい勢いで後方に吹き飛び、上にいた娘が放り出されました。娘は頭から床にたたきつけられ、わずかに泣いたあと見る見る顔が青ざめ、ぐったりと反応しなくなってしまいました。
一瞬の出来事でした。

ぐったりと青ざめた娘。救急車到着までの時間が途方もなく長く感じた

子育てをしていると、子どもが頭をぶつけるというのは日常的に起こります。
急いで病院を受診するかどうかの目安として、「泣いているかどうか」は有名です。医療職である私も当然知っていました。
まったく泣かず、ぐったりと青ざめて呼びかけにも反応しない状態は、どう考えても緊急事態。私は泣き叫びながら救急車を呼んでもらいました。「娘が死んでしまう」と思いました。

救急車が到着するまでの時間は途方もなく長く感じ、「もし呼吸が止まってしまったら、急いで心臓マッサージをしないと。でも呼吸が止まるようなダメージが脳に起きていたら、もう前のように笑ったり遊んだりできないかもしれない」と、涙が止まりませんでした。
夫が「落ち着いて」と声をかけてきましたが、「子どもが死んでしまうかもしれない状況で落ち着けるわけないだろう」と強く思いました。

その後救急車が来て病院に着くころには、娘は目を開けて泣くようになり、少しずつ意識が回復してきました。CTでは頭がい骨骨折があるが明らかな脳出血はなさそうとの診断。念のため1泊の入院となりました。
ぶつけた衝撃でおでこと目の上がひどくはれましたが、翌日には普段と変わらない元気な様子を見せてくれて、心底ホッとしました。

人一倍気をつけていたはずだったのに…

私は性教育以外に、子どもの事故予防にも熱心に取り組んでいます。
交通事故をはじめ、転落、溺水、やけど・・・。啓発や社会構造を変えるためのアプローチなど、「教える・伝える」側の人間として、人一倍子どもの安全環境には気をつけているはずでした。

それなのに、今回わが子を痛くて危険な目に遭わせてしまった。後悔してもしきれません。
何がいけなかったのか。どうすればよかったのか。少し時間がたった今も、ずっと考え続けています。

文・監修/岡田百合香先生

構成/たまひよONLINE編集部

日ごろどんなに気をつけていても、子どもの事故はほんの一瞬で起こってしまうもの。親として子どもの安全のために何ができるかを考えさせられます。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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