「うちの子はまだしない」「他の子と違う」赤ちゃんの“はいはい”のお悩み、これで大丈夫?!【小児科医に聞く】
赤ちゃんが8カ月ごろになると「うちの子も、そろそろはいはいを始めるころかな」と、気になるママ・パパも多いのではないでしょうか。
このように成長の中でも注目されがちなはいはいですが、「ほかの子はもうしているけど、うちの子はまだはいはいしない」「はいはいのしかたがほかの子と違う」など、心配になりやすい面もあります。
赤ちゃんのはいはいについて、親が知っておきたい正しい知識を、小児科医の黒澤照喜先生に教えてもらいました。
はいはいとは、両手・両足の協調運動で移動をすること
はいはいに関して「ずりばいはするけど、はいはいはしない」といった悩みもよく聞きます。そもそも、はいはいの定義とはどのようになっているのでしょうか。
「両手・両足の協調運動によって、前後に移動することを、はいはいと呼びます。おなかをつけたままずりずりと進むずりばいや、おしりを高く上げた高ばいなども、すべてはいはいのバリエーションのひとつです」(黒澤先生)
はいはいの時期・期間は個人差が大きいことを知ろう
「もう○カ月なのに、はいはいをしようとしない」「少しだけはいはいの期間があったけど、すぐにつかまり立ちに移行してしまった」など、はいはいをする時期や期間も、気になる人が多い問題です。
「首すわりや立っちと違って、はいはいはしないまま成長するケースも珍しくありませんし、そのあとの発達に影響がないことがほとんどです。
はいはいを飛ばしていても、つかまり立ち・伝い歩きなど、次の発達過程に移行している場合は、とくに心配しなくても大丈夫です。
その一方で、全体的に発達が遅れている、筋肉の緊張が強い or 弱い感じがするなど、気になることがあれば小児科で相談してください」(黒澤先生)
はいはいのスタイルもいろいろ!主なはいはいの種類を知ろう
ずりばいや高ばいもはいはいの一種であるように、ほかにも少し変わったはいはいのスタイルもあります。
「うちの子、変なはいはいをしているかも!?」と驚く人も多いですが、いずれも発達に問題があるわけではありません。
【はいはいの種類1】高ばい
おしりを高く上げた状態で、ひざを床につけずに手足で体を支えて移動するはいはい。
【はいはいの種類2】ずりばい
うつぶせの姿勢で、両手・両足を交互に動かし、おなかを床につけたまま進むはいはい。
【はいはいの種類3】背ばい
あお向けの状態で、背中を床につけたまま足で床を蹴(け)って移動するはいはい。
【はいはいの種類4】シャフリング
おすわりのまま、おしりでズリズリ移動するはいはい。いざりばい、しりばいとも呼ばれます。
撮影/有坂政晴[STUH] イラスト/髙栁浩太郎 取材・文/ひよこクラブ編集部
赤ちゃんの発育・発達は、つい周囲と比べてしまいたくなるものです。とくにはいはいは、する子もいればしない子もいること、はいはいのしかたも個人差が大きいことを知っておくと、安心できるでしょう。
参考/『後期のひよこクラブ』2023年春号 特集「8カ月~2才まで ママ・パパが気になることすべて月齢別にお答えします」
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
『後期のひよこクラブ』2023年春号には「8カ月~2才まで ママ・パパが気になることすべて月齢別にお答えします」特集があります。ママ・パパが悩みがちな心や体の発育発達、お世話の気がかりを、月齢別にたくさん紹介しています。