仕事と子育ての両立、本当にできるの?育休明けの仕事・保育園・子どもの病気・自分の体力などなど、不安を軽くするためのシミュレーションとは?
今回のテーマは、産休・育休後の仕事復帰への不安についてです。
「たまひよ」アプリユーザーに聞いたアンケート結果をご紹介するとともに、長年子育て家庭を支援しているマザーネット代表の上田理恵子さんにアドバイスいただきました。
子どもとの時間を大切にしている人が多いよう
最初に、「たまひよ」アプリユーザーの声を紹介します。
「仕事復帰のために準備していることを教えて!(複数回答)」の上位5位は、
1位 子どもとの時間を楽しんでおく 53.8%
2位 保育園登園準備(登園グッズのほか、電動自転車や雨具なども)37%
3位 夫・妻・パートナーとの役割分担など 31.8%
4位 仕事復帰のための下調べ 25.4%
5位 生活リズムを通勤と同じように整える 22%
という結果に。
また、仕事復帰で不安に思っていることを聞いてみると、
「保育園激戦区なので、保育園に入れるかが不安。もし入れても風邪などをもらってきて、ほとんど仕事に行けないのではと…」(もちもち丸)
「子どもが体調を崩した時のことが心配です」(由裕)
「今、夜泣きが激しいので、復帰までにおさまるか不安です」(にしさと)
「両立ができるかどうか、子どもが保育園に慣れてくれるか、家族のサポートがあるかどうかなど」(さー)
「歳も歳なので、仕事復帰して、自分の体が持つかどうか・・・」(ちぃ)
「子どもの急な体調不良での早退などに、職場のみんなが理解してくれるかどうかが心配」(こう)
「復帰後は新しい部署になるので、仕事をいちから覚えながら両立できるのか心配」(きなこもち)
「通勤時間が長いため、子どものお迎えが遅くなりそうで心配」(ごまま)
「0歳から子どもを預けることへの抵抗と不安。スムーズに仕事復帰ができるかも心配」(あおい))
「月齢の小さいうちに預けるので、赤ちゃんの体力が心配。また、私のメンタルや体も不安」(かな)
「夫と仕事の分担ができるか。仕事を定時で切り上げられるか」(ゆき)
「赤ちゃんとずっと一緒にいたのに、離れるのがとても寂しいです。できれば復帰せず、一緒にいたい気持ちでいっぱいです」(ちたろ)
「ずっと子どもと一緒だったため、子どもとの時間が減ること。子どものちょっとした成長の一瞬を見逃してしまうかもしれない不安」(ゆい)
復職前の悩みとして、「職場が理解があるか」「仕事にきちんと戻れるか」「子どもの体調不良時に対応できるか」「自分の体力がもつのか」「子どもとの時間が減ることへの不安」など、さまざまな声が上がりました。
そこで、多くの働くお母さんの悩みを聞き、サポートをしてきたマザーネット代表の上田理恵子さんに、「仕事復帰前の不安を少しでも軽減するためにできること」をお聞きしました。
復帰後のタイムスケジュールをシミュレーションしてみよう!
4月からの職場への復帰を控えて、不安な気持ちを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。この時期に一番多いのは、「仕事と子育ての両立って、本当にできるのでしょうか」という相談です。
そんな方には、職場復帰後の新しい生活がうまくまわるかどうかをチェックするために、事前にタイムスケジュールをシミュレーションしてみることをおすすめしています。
縦軸には時間、横軸には、自分、子ども、夫のほか、場合によっては、祖父母やベビーシッターも入れ、一日の行動を起床から就寝まで記入してみます。
忘れずに入れてほしい項目は、以下の通りです。
▽身支度
▽保育園の荷物の準備
▽朝食の準備
▽朝食
▽保育園への送迎
▽洗濯機のセット
▽洗濯物干し
▽夕食の準備
▽夕食
▽入浴
▽寝かしつけ
リストが完成したら、確認してほしい項目があります。
子どもの睡眠時間は、きちんと確保できているでしょうか。
家事をすべて済ませてから寝かしつけをする方がいらっしゃいますが、子どもの睡眠時間の確保を第一優先にし、残った家事は翌朝にしても良いでしょう。
また、タイムスケジュールは、ぜひ夫と一緒に作りましょう。
夫が朝の保育園への送りを担当したり、妻が子どもを寝かしつけた後に夕食の後片付けやお風呂洗いを担当したりすると、上手くまわるケースをよく見かけます。
二人で話し合いながら、育児や家事の分担を決めていければ良いですね。
「復帰するどれくらい前から、復帰後のタイムスケジュールで生活すれば良いでしょうか」という質問もよく受けます。
4月に保育園に入所するならば、最初の1~2週間はならし保育があります。この期間から練習してみれば大丈夫です。
ならし保育の期間は、妻が職場に復帰し、夫が育休を取得するのもおすすめです。
夫がワンオペ育児を体験することで、妻の復帰後の大変さを理解できるでしょうし、自分が何をすれば家庭がうまくまわるのかを考えるきっかけになると思います。
ならし期間に夫が育休を取得するというのはいいですね。妻がいない時間に育児に携わることで、責任感も増すでしょうし、今後どんな毎日になるのかを想像できるいい機会になりそうです。
(取材/文・橋本真理子)
上田理恵子さん
PROFILE)
株)マザーネット代表取締役。自らの仕事と育児の両立体験から、ワーキングマザーが働きやすい環境作りに使命感を感じ、17 年間のメーカー勤務を経て 2001年8月にワーキングマザーの総合支援サービス会社マザーネットを創業。30歳と28歳の2人の息子の母。1994年より10万人以上のワーキングマザーの悩み相談を受けている。2013 年より保活コンシェルジュサービスを開始し、希望の保育所への入所をサポートしている。著書に『働くママに効く心のビタミン』(日経 BP 社)、『女性活躍が企業価値を高める』(神戸新聞総合出版センター)など。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年11月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数501人)
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。