「洗濯物をたたむのは億劫…」「でも山にしておくのもイヤだ」そんなときはどうすれば?毎日の洗濯がちょっとラクになる!
今回のテーマは、「洗濯物の片付け方」についてです。洗うのは好きだけれど、取り込んでから畳んで片付けるのが嫌い…という方、いませんか?そもそも家族全員の洋服の片付けをすべて担うのは大変ですよね。
今回は、取り込んだ洗濯物についてアンケートしてみました。その回答とともに、手間がかからず、見映えもいい方法を、暮らしのアドバイザーであるはらむらようこさんにお聞きしました。
取り込んだ洗濯物、たたまない人も…
洗濯物はたたまずに、取り込んだ山の中から取り出して着るのはあり?と聞いてみると、約4割が洗濯物の山を許容しているようです。
では、それぞれの意見を聞いてみましょう。
■「あり」派の声
「子どもが生まれてから、シワの気にならない自分の下着などはカゴに放り込むだけになった。子どもや夫のものは、自分できちんと管理してもらうためにも、たたんで片付けている」(すけぴっぴ)
「入浴時に着替えるものは取り込んでからたたまず、カゴの中から取り出して着るようにしています。次の日以降に着るものは、たたんで片付けています」(はな)
「当日分ならあり。当日中か、翌朝には遅くてもたたむようにしています」(ask)
「朝、前日に干したものをたたむので、その流れで着るものはたたまないし、着ないものはたたみます」(小魚)
「私・夫・娘の衣類は全て室内でハンガーに干し、そのままクローゼットに入れます。ズボン、下着、靴下などはたたみます。それ以外の洗濯物をたたむ時間がもったいない!」(りりひ)
「物にもよるが、下着や靴下なら気にならないから」(あおいろ)
「忙しい時はたたむ方が手間」(カイコ)
「誰かたたんでくれるならいいけど、家事も育児もワンオペ状態ならたたまなくてもよくない?『時短!』って思うようにしています!」(ぶる)
■「なし」派の声
「たたまずに放置するような置き場がないし、さすがに見た目や服のシワなどは気になるため、取り込んだらたたんでしまうか、そのままハンガーをウォークインクローゼットにインします」(ぶー)
「小物以外はたたみませんが、ハンガーで干したまま収納するのでシワになりません。取り込んだ山の中から取り出して着るのは、シワだけでなく、糸くず・ホコリがついたまま気付かず着そうで抵抗あります」(やな)
「洗濯して干して、たたむまでの工程が好きだから」(さえ)
「部屋が散らかってしまうので、たたんで所定の場所にしまっています」(あーちゃん)
「シワになるからしない」(あむ)
「洗濯物の山は場所を取るし、シワになるし、探す手間が。だからたたんで片付ける」(かるかる)
「洗濯物はたたみたい。干しっぱなしは嫌です。理由もない」(あやか)
「洗濯したら綺麗に収納したい」(ゆきぽん)
洗濯物はたたみたいという人もいますが、悩みどころは「たたむのが好きではない」「たたむ時間がない」ということではないでしょうか。そうした人でもできる工夫を、多くの人の整理収納の悩みを解決してきた、はらむらようこさんにお聞きしました。
たたまずにしまうのもアリ。楽チン収納の決め手は使うシーンごとにすること
「赤ちゃんや、まだ小さなお子さんを育てながら、家事をするのは本当に大変なことです。妊娠中で体調が優れず、いろんな不安を抱えられている方も多いでしょう。
状況次第でアドバイスは変わりますが、夜間に連続して寝られないであろう、子育て中の方には、『家事よりもご自身の体が大切ですから、寝られるときに寝てください』ということを一番のアドバイスとさせてください。
生命を預かる育児は、緊張状態が続いています。どうぞ、家事よりもお体をご自愛ください。
今回のアンケートの『洗濯物はたたまず、取り込んだ山の中から取り出して着るのはあり?』の回答結果が優秀で驚きました。自分の好み通りに家事をコントロールできていて、素晴らしいと思います。
ただここからは、『洗濯物をたたむのが億劫だけど、洗濯物が山のままになっているのも気が重い』という方に、実際にできそうな工夫をお伝えしたいと思います。
わたしは毎日のようにお客様宅へ行き、整理収納の仕事をして10年以上になります。
子育て中かそれ以上のお客様宅で、『乾いた洗濯物だけがソファでくつろいでいる』状態をたくさん見てきました。
ソファに座ることができない状態のお宅もあります。
整理収納の専門家として断言したいのは、洗濯物をたたむ作業は本当に大変な仕事だということです。さっさと片づけられなくて、当たり前です。
片づけのプロになる前のわたしも、みなさんと同様に、たたむのも面倒だけど山にしてシワになってアイロンするもの面倒…と、面倒と面倒の狭間で渋々たたんでおりました。
その頃のクローゼットは、衣類がギューギューのパンパンに詰め込まれており、わずかな余白に入れるために、しっかりと畳むしかなく、シワができませんようにと祈りながら詰め込んでいました。
そして、たたむのが面倒というより、どこにしまっていいか分からなかったり、重い引き出しを開けたり、『あまり着ていない服』を目にして『ああ、片付けなくちゃ』と思わされるのが嫌なのではと気がつきました。
そこで、アップデート(わたしの造語で、『今の自分が好きなものしか家にいれない』という片付けの工程を指しています)をして、まずクローゼットをスッカスカにしました。
スペースの空いた引き出しには、たたんだ下着を入れてもヘナヘナと倒れます。では、とたたまずにふんわりと入れてみたら、むしろその方が綺麗だと感じました。あ、畳む必要がないのだと気づきました。革命でした。
それ以来、乾いた洗濯物がぶら下がったまま、山になったまま、がなくなりました。
乾いた衣類を抱えたら、猫をおろしてやるように、引き出しにそっと置くだけで済んだからです。迷うコトがなく簡単になると、わたしでも、すぐにやるようになりました。
またスペースを作ることが難しい方にもオススメなのが、収納を使うシーンごとにすることです。
写真は娘の毎日セットです。ハンカチ、マスク、靴下、肌着の上下、そして制服の下に着るもの1枚ずつが、この箱に入っています。幼稚園入園時から、中学生の今も、このようにしています。
ハンカチ入れ、靴下入れ、肌着入れ、とアイテムごとに分けて収納するのではなく、使う時に一緒に使うもので分けると、着る時も楽ですし、しまうのも楽です。下着のパンツはパジャマと一緒に着替えますので、パジャマとセットがいいですね。
朝起きて、いつもの引き出しを開けたら、いつもの場所にいつものセットが入っています。寝ぼけた状態でも、憂鬱な朝でも、さっと支度を完了できます。着終えたら、この箱は空っぽになるので、忘れ物もなくなります。
今の体に合った、今の時期に必要で、自分にとって着心地の良いものだけが、洗われた清潔な状態である…それが大切なのだと思います。たたんで収納など、引き出しの中まで綺麗にしておかなくともいい、と忙しい自分を赦しています。
西洋の洋服は立体裁断で、ハンガーが向きます。洋服はすべてハンガーに干し、乾いたらそのままクローゼットに戻すのでいいと思います。わたしが花粉症だからというのもありますが、ハンガーを変えなくてすむように室内干しにしています。
夜に洗濯をすると、朝にはほとんど乾いていることが多いのですが、念のために同じものを2セット用意しています。その他の予備は、シーズンオフの衣類と一緒にまとめてあります。
たたむのが好きな方は、どうぞたたんでくださいね。それも気持ちが良いものですから。
赤ちゃんと若いママを見ると、心の中で「がんばれ」と願っています。
みなさんの“ねばならない”を、少しでも軽くできたらと思います」(はらむらようこさん)
使う場面ごとの収納は合理的ですね。しまい方の常識を『アップデート』できると快適になりそうです。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
はらむらようこさん
PROFILE)
夫と娘の3人暮らし。片づけ=アップデートと定義し、整理収納の枠に縛られないアイデアで、今、「好き」な物事を肯定しアップデートするオリジナルのメソッドが人気。著書に『「好き」から始める暮らしの片づけ』(ワニブックス)がある。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2022年12月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数430人)
※記事の内容は2023年3月の情報で、現在と異なる場合があります。