「復帰後1ヶ月で3日しか出社できなかった…」「会社からのあたりがキツイ」「夜泣きもあり朝から出社がしんどい」職場復帰の悩みはどう解決する?
出産を経て仕事復帰をしたママに、仕事や子どもと保育園、家事などで、ツラく感じることや困っていることについて聞いてみました。
リアルな声とともに、保育園や仕事と子育ての両立についてくわしい普光院亜紀さんにアドバイスをいただきました。
3大悩みは「子どもの病気」「仕事時間の足りなさ」「預けることへの不安」
「たまひよ」アプリユーザーに、どんな時に辛さを感じるか聞いてみました。
「上の子が生後4ヶ月のときに仕事復帰しましたが、呼び出しばかりで1ヶ月で3日くらいしか行けず、会社からのあたりも強く、きつい状態が1年くらい続きました。そんなに休んだのに、保育料は4万ちょいかかり…きつかったです」(R&N)
「4月から保育園へ行きだした子どもが2週間くらいずっと風邪をひいていて鼻水がひどいです。私や夫にもうつって、家族全員が風邪をひいています。今週から職場復帰でしたが、月・火・木・金出勤予定のはずが月・火しか出勤できなかった…」(A)
「毎月、子どもが体調を崩して仕事を休んでいたが、職場の理解がなく、嫌味を言われるようになった。小学生になると宿題などの親の負担が増え、時間的余裕と精神的余裕が親子ともになくなってしまった」(ひじき)
「毎日忙しく、お迎えという時間的制約や子どもの熱などにも対応しながら、一人前に働くことが求められる」(きみ)
「仕事の後、どうしても家事がおろそかになってしまう。子どもの夜泣きがあるのに朝起きて準備するのは辛いです」(ふうまま)
「園へのお迎えが大変。仕事を定時に終えてダッシュして、迎えに行くのはいつもギリギリの時間。電車遅延で間に合わない時にとても困る」(ああ)
「1人目を出産した当時、有名チョコレートブランドの正社員でした。福利厚生は整っていましたが、遅番が多く、土日祝は必ず出勤だったので、娘の保育園のお休みと被らず、ほぼすれ違いの日々。夜帰って、すでに寝ている娘の寝顔を見るたびに涙していました。現在は転職し、娘や夫と同じサイクルで生活できています」(たかママ)
「大事な仕事がある日でも、急な子どもの発熱などで休まないといけなくなるので、仕方ないことではあるけど、仕事がたまって困ってしまう」(げんちゃん)
「育休の半年以降は手当が50%に下がるため、家計が不安で早めに職場復帰をした。産休前と異なる部署に配属されて勉強が必要で、子どもは8ヶ月で夜泣きなどがあり、仕事と家事・育児との両立ができなかった」(あすか)
「毎日の保育園への送り迎えが大変だった。仕事をやりきりたくても、ムリヤリ終わらせたり、交代してもらったりして帰らないといけないのが申し訳ない。また仕事のステップアップをしたくても、遅番に入れないから役職があがらない」(うさぎ)
「夕飯が遅くなってしまう」(あすか)
「1歳になる前に預けだしたので、子どもが寂しがっていないか、保育園に少しでも慣れてくれるかが気になってツラかった」(まるこめ)
「シングルなので働かないとお金がない。だけど低月齢で預けることへの不安や寂しさが辛かった。職場は子ども第一優先でいいと言ってくれる職場だけに、迷惑をかけたくない気持ちと葛藤があった。本当はもっと子どもたちと一緒にいたい」(あーたん)
いろいろな悩みがありますね。家事がなかなかできない悩みや睡眠不足などは、家事代行やシッターサービスなどを使って少しでも負担を減らすことは可能でしょう。でも、子どもの病気や時間的な制約で仕事が思うようにできなかったり、小さい頃から子どもを預けることへの不安を減らすのは難しいですよね。
そこで、自身も子どもを育てながら仕事を続けた保育ジャーナリストの普光院亜紀さんに、特に仕事復帰後の悩みを少しでも軽くできるようなアドバイスをいただきました。
周囲の味方を増やそう
「入園して1年くらいは、どうしても病気で休むことが多くなりがちです。でも、1年程度で免疫がつき、休む日数が急に少なくなるお子さんが多いようです。
職場の上司や仲間には理解してもらいたいところですが、多忙な職場だとギスギスしてしまうこともありますね。支えてくれる職場の仲間には、申し訳なさや感謝の気持ちをその都度伝えたり、普段の会話の中で子育ての苦労を少しずつ伝えたりして、味方になってもらえるように気をつかうことも大切だと思います。
でも、あちこちに謝ってばかりだと疲れてしまうので、心の中では「自分が悪いわけではない」「子育ては社会全体でするもの」という信念は持っておきましょう。
キャリアへの影響が気になる人も多いと思いますが、この先取り戻すチャンスはたくさんあるはずなので、長い目で考えてください。
欠勤を減らしたい場合は、
①父親・パートナーと分担する
②祖父母などの助けをお願いする
③ベビーシッターに依頼する
などの方法があります。
父親・パートナーとは、SNSやカレンダー共有などで連絡を密にします。呼び出しがあったときにお迎えに行ける日、行けない日をあらかじめ知らせ合って分担している人も多いと思います。お迎えのあとにかかりつけ医に行くなど、てきぱきと対応する父親の姿も珍しくなくなりました。
祖父母に頼む場合は、無理のない範囲で。在宅ワークができるのであれば、慣れないうちは、祖父母やベビーシッターに見てもらいながら、自分は別室で仕事をするという形から始めると安心です。シッターは、信頼できる同じ人にリピートで頼めるとより安心です。
みなさん、預けはじめは不安だと思います。でも、園生活に慣れると、毎日楽しみに通うようになるお子さんがほとんどです。慣れなくて泣かれても、保育士さんがやさしく対応してくれるのなら大丈夫。
0歳・1歳から保育園に通うことのメリット(親以外の大人や子ども同士の関わりがある、親子関係が安定する)もたくさんあるので、預けることに負い目を感じる必要はありません。信頼して預けましょう」(普光院亜紀さん)
本当に大変な時期はずっと続くわけではありません。家族に頼ったり、シッターサービス・家事代行などを利用したりして、なんとか乗り切りたいですね。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
普光院亜紀さん
PROFILE
働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」アドバイザー、保育ジャーナリスト、大学講師。保育園や仕事と子育ての両立についての著述・講演活動などをしている。著書『後悔しない保育園・こども園の選び方』(ひとなる書房)ほか多数。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年6月の情報であり、現在と異なる場合があります。