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設立10年「ファザーリング・ジャパン」に聞く「今ドキ父親・母親育児の実態」

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「父親が育児に積極的にかかわる大切さを広めたい」という考えから活動をスタートしたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」。
メディアやイベントなどを通じて男性の育児を支援し続け、2016年に発足10年を迎えました。

「イクメン」という言葉が世の中に浸透し、育児休業を取得する父親も珍しくなくなった今、父親の育児参加は10年前と比べてどんな変化があったのでしょうか? 
実態や現在の課題、これからめざすものについて、ファザーリング・ジャパンの篠田厚志さん、徳倉康之さんにうかがいました。

「父親の育児」がポジティブにとらえられるようになった

2006年東京で発足したファザーリング・ジャパンは、父親の育児参加について世の中の意識を反映するかのように、今では東北から九州まで、全国に支部ができるほど大きくなっています。これにはどのような背景があるのでしょうか?

2009年、男性の育休取得は本当に大変だった…

徳倉さんは2009年、「パートナーである妻が仕事に集中できるように」と、当時では珍しい育児休業(育休)を取得しました。
しかし、会社でも初めての男性の育休取得には、さまざまな苦労があったそうです。

「『イクメン』というのは2010年の流行語で、僕が育休を取ったのはその前年。会社からは『かい性がない』『キャリアをあきらめた』と言われたり、人事評価を下げられたり…もう散々でした」と徳倉さん。

「この10年でガラリと変わったのは、男性が育休を取りたいと言っても『あいつは何を言ってるんだ』と否定しづらくなったこと。平日、子どもと一緒に街にいても、『イクメンだね』とポジティブなワードに変わっています。以前は『仕事ないんじゃないか』と後ろ指を指されましたから」。

時代は「イクメン」から「イクボス」へ!

厚生労働省が実施した2015年雇用均等基本調査によると、男性の育休取得者は2.65%(※13年10月1日から14年9月30日までの1年間に配偶者が出産した男性を調査)。前年よりも0.35ポイントアップ、10年前の1996年の0.12%からは2.53ポイントアップしています。

「イクメン」という言葉が浸透し、約3割の男性が「育休を取得したい」と希望するようになったけれども(厚生労働省の調査より)、実際に取得しているのは3%を満たしていません。

そこで、ファザーリング・ジャパンが取り組んでいるのが「イクボスプロジェクト」
“子育て”というと、どうしても子育て世代にフォーカスされがちですが、実際はその上、上司の理解が不可欠だと篠田さんは言います。「企業のリーダーが当事者意識を持ち、子育てをポジティブにとらえなければ、なにも変わらないんです」。

「パートナーシップ」が夫婦のあり方のカギ

育児にかかわる父親は増えているいっぽう、母親側に変化はあったのでしょうか? 
編集部には、読者ママから

「産後のイライラのいちばんの原因がパパ」
「イクメンぶっているが、いちばん大変な部分にはかかわらない」

という厳しい声が寄せられることも。
この現状についてお二人は、「圧倒的にコミュニケーション不足が原因」と言います。

母親は「父親が手伝ってくれた」と言うのはやめよう!

「母親側にも『家事や育児は母親がやる』という刷り込みがあるんです。母親は『夫が手伝ってくれる』と言いがちですが、『手伝う』という言葉はやめたほうがいい。
育児は二人で一緒にすべきもの。
男性は、出産と授乳以外はすべてできるんですから」とお二人。

「母親は、父親が『いつか変わってくれる』『察してくれる』と思っているところがある。でも、本当に男性は察することが苦手。
母親は、イライラが積み重なったときに爆発するのではなく、ちょっと『違う』と思ったらすぐに言うか、手紙やメールなどで文字にして伝えたらいいですね」。

今後どんな家族になりたいか、もっと話し合って

このような現状の課題を見据え、ファザーリング・ジャパンは今後、どのような取り組みをしていくのでしょうか? 

「そもそも男性は、育児をする教育を受けていません。
だから学生や、早ければ小学生ぐらいから、子育ても含めライフスタイルについて考えよう、と伝えていきたいですね。
もう1つは、夫婦のパートナーシップについて。
結婚した時点で、子どもが生まれたらどんなふうに家事・育児をシェアするか、将来的にどんな家族でいたいか話し合うべき。夫婦の絆をどう強くしていくか、それが今後のカギだと思います」(篠田さん)。

「イクメン」という言葉は死語にすべき、というお二人。
「『イクママ』という言葉はないでしょう? 子育ては、親だったらみんなやるものです」。子育てをめぐる世の中の動きは、今まさに過渡期。未来を見据えたファザーリング・ジャパンの活動に今後も注目です。(取材・文/ひよこクラブ編集部)

■NPO法人ファザーリング・ジャパン
http://fathering.jp/
「Fathering(父親であることを楽しもう)」の理解・浸透を目的として2006年に設立。父親が育児にかかわれるよう、講演やセミナー、イベント開催など、さまざまな取り組みをしています。

※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。

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