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妊娠・産後にパートナーにイライラするのは約7割! 濃いコミュニケーションと休息を取ることが不仲を引きずらないコツ

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standret/gettyimages

産後、夫婦仲が急激に悪化する現象「産後クライシス」。産後のホルモンバランスの乱れと寝不足、子どもが最優先となる生活になり、急激な変化が起こるママとパパの間でのコミュニケーションのすれ違いが原因で起こります。離婚問題にも発展しかねない産後クライシスについて、たまひよが3000名以上のママパパにリサーチ!リアルな本音を聞きました。今回の質問は「妊娠中・産後にパートナー不満を感じたか」。

好きで一緒にいるのに、妊娠・出産で約7割がパートナーに不満!

つわりが重い人もいれば、お腹が大きくなる後期ともなれば息苦しい、寝つけない、足がつる……。妊娠すると女性は体型や体調が変化します。それに伴い、意識は少しずつ近い未来の赤ちゃんのいる生活へ向き始めます。
男性もパートナーが妊娠すると、パパになる意識が徐々に芽生えて、生活スタイルも変わっていくでしょう。
生まれてくれば、慣れない授乳になかなか寝てくれない新生児、細切れ睡眠で瀕死状態etc……。個人ごとに症状や状況が違い、女性にとっても男性にとっても産後すぐの育児は未知の連続で自身でも予測がつきません。
だからこそ、このめまぐるしい時期はいかに支え合うかが大切で、互助精神がないと後々まで尾を引くのです。
そこでこの質問「妊娠中・産後にパートナーに不満を感じたか」。

「とても増えた」が半数近くの45%、「ちょっと増えた」が28%で、合わせると7割以上が、何かしらの不満を抱いていることがわかります。※1

※1 たまひよInstagramアンケートの利用者1,626名にアンケートを実施(調査時期2024年7月23日)

妊娠中・産後の恨みはずっと続く……。意識のアップデートを!

では、どのようなことに不満を感じたのか。たまひよのアプリでの調査で多かった意見はこの4つ。※2

1位「自分への理解や配慮が足りないと感じたから」
2位「家事育児への取り組み姿勢に自分との温度差を感じたから」
3位「子育てが始まり、精神的に余裕がなくなってしまったから」
4位「家事育児の分担など、夫婦間の負担に不平等感があったから」

産後クライシスの原因になりかねない、夫婦間で不満が溜まっているのがうかがえる結果に。

「1人めじゃないのに、妊婦の体の変化への知識や配慮がない。自ら学ぼうという姿勢も感じられない」(40代・女)

「妊娠中のイライラに対しての理解が無さすぎて喧嘩が増えた」(30代・女)

「私は出社、夫は一日中打ち合わせの在宅勤務。在宅だし、子どもが風邪を引いたら園に迎えに行くと夫は言うものの、育児は仕事しながらできるほど甘くない。育児に対する認識が甘すぎるように思う」(40代・女)

「妻との関係が悪くなるのは小さな不安、不満を抱えてそのことについて、考えての話し合いがないのが原因かと思います。そういったことを話すキッカケの作りかたが上手くいかず時間がたち、関係の修復が難しくなっています」(40代・男)

※2 たまひよのアプリ「まいにちのたまひよ」の利用者計3,330名にアンケートを実施(調査期間2024年6月24日~6月30日)

性別役割分業のバイアスの有無で夫婦間のコミュニケーションの質が変わってくる

最初は些細な差でも、考えを変えないとその溝はどんどん深まっていく可能性があります。そうならないために、どうすればいいのか。
数多くの産後の夫婦を見てきた、夫婦問題のプロフェッショナルはどう感じたか。チームで育児をするための講座を提供する「親のがっこう」を運営するNPO法人ママライフバランス代表の上条厚子さんに解決策をうかがいました。

――たまひよのインスタグラムの調査「妊娠中・産後にパートナーに不満を感じたか」で、妊娠中・産後に約7割のかたがパートナーに不満を感じています。以前と比べ、不満に感じている人の数値は増えていますか、減っていますか?

「2016年に育児支援を始めた頃に比べ、不満を感じる人の数は、やや減少傾向にあります。ただし妊娠・産後を経てもパートナーに不満を感じる回数が増えない夫婦は少数派で、令和の子育て現場は過渡期で二極化しています。鍵になるのが『父親・母親はこうあるべきという性別役割分業のバイアス※3』をどう捉えているか、です。
妊娠・産後を経てもパートナーに不満を感じる回数が増えない少数派は双方に性別役割分業のバイアスがなく、育児を分担する共通認識を持っています。ケンカではなく対話や議論でお互いに納得できる落としどころに着地できる、コミュニケーション能力が高く、対等感のある夫婦です」(上条さん)

※3 性別を理由に男女の役割を固定的に分ける考え方のこと。たとえば、「男は仕事、女は家庭」のように、個人の能力や資質とは関係なく役割を押しつけたり、向き不向きを決めつけたりするものです。

――性別役割分業のバイアスがある夫婦はどうなりがちでしょうか?

「妻側が性別役割分業のバイアス(例:家にいる時間が長いのは私だし、育児の主担当は私で当然だよね)をもっていると、慣れない育児や寝不足、産後の体調不良が重なってもがんばりすぎてパートナーに限界まで頼らない傾向があります。こうなると、夫側は『自分の妻はひとりで大丈夫なんだ』と解釈して、頼まれるまで待ってしまう。という循環が生まれます。

これが長期化すると、妻側は日常的に担当する家事や育児のボリュームが多いため、夫にかける言葉が、イライラしてケンカ腰になります。(例:私が言わないと気づけないの?!等)その結果、はじめは一緒に子育てしたい気持ちがあった夫たちもやる気を失い(例:何をやってもダメ出しされる… そんな言い方しなくても… )、イライラに対抗するか沈黙という状態に陥ります。これが日常的になってパートナーに不満を感じる回数が増える、という産後あるあるです。

ですが、この問題は、どちら側も悪くないのです。夫婦が『それぞれ別々に、頑張ってしまった』結果起きている不本意な状態です。夫婦ふたりがチームになれば解決していけます」(上条さん)

パートナーには具体的に要望を伝え、時々休むことも大切

――アンケートにおける不満を感じたポイントの1~4位は「夫婦間の意識の差」や「コンセンサスが取れていないこと」がうかがえます。

「1位『自分への理解や配慮が足りないと感じた』、2位『家事育児への取り組み姿勢に自分との温度差を感じた』、4位『家事育児の分担など、夫婦間の負担に不平等感があった』は、3大産後あるある。これらの最大の原因は情報共有不足です。情報の量だけでなく、質も低いため起こります。
長時間のワンオペ育児や慢性的な寝不足によるしんどさ、産後の体調不良やホルモンバランスによる情緒不安定など、育児中は女性にしか体感できない情報が多いもの。察してもらう姿勢ではなく、女性からパートナーに伝えていく必要があります。

とはいえ、産後の女性は肉体的にも精神的にもしんどい状態です。理性で感情をコントロールしながら自分自身の状態を言葉にして伝えるのは難易度が非常に高いです。産婦人科の先生や小児科の先生の書いている、産後の女性についての本を読んで知識をつける等、積極的に妻の体とこころの状態を把握するための情報収集をしましょう。
「産後ケア」という産後のママをケアする公的なサービスの普及が広がっているので、自分たちの住んでいる地域ではどの産婦人科で受け入れがあるのかをパートナーと一緒にリサーチして利用を検討するのもおすすめです」(上条さん)

理解や配慮が足りないと感じるケース

産後寝不足でしんどい時に「寝不足でしんどい」と伝えるだけでは情報不足。「昨日の夜は、寝られたのが12時~1時と3時~5時の細切れで3時間だった。頭がぼんやりして体調が悪いから、赤ちゃんみててくれない? お昼寝したい」と具体的に伝える。

家事育児への取り組み姿勢に自分との温度差を感じるケース

赤ちゃんのおむつ替えをしてくれる気配のない夫に対し、心の中で「あなたがやってくれればいいのに!」とイライラしながらおむつ替えをしては溝が深まるばかり。「今料理をしているから、おむつ替えよろしく!」と具体的にできない理由を伝え、おむつ替えをしてもらうよう促しましょう。おむつ替えの後は「ありがとう!助かったよ!」と伝える。この繰り返しで、夫の主体性は育まれます。

夫婦間の負担に不平等感を感じるケース

「日中ワンオペでしんどかった時に「今日もワンオペ疲れた」とだけ言っても相手には伝わりません。「ひとりで一日中赤ちゃんといて、一言もしゃべってなくてすごい孤独感! 帰ってくるの待っていたよー! ミルク吐き戻して、おむつも漏れて洗濯機3回も回してさ、沐浴もワンオペで頑張ったからねぎらってほしい!」とポップに伝えましょう。

目に見えない痛みやしんどさは言葉にしないと『ないもの』になりがち。『現状の共有』と『相手にどうしてほしいのか』、をセットで言葉にし続けること。言い方はとても重要。伝えるときは、「ポップに明るく」がポイントです」(上条さん)

このアドバイスを『無理』『難しい』と感じるママは『頑張りすぎ』のサインです。この後の3位の部分をぜひ参考にそこから始めてみてください」(上条さん)

――3位の「子育てが始まり、精神的に余裕がなくなってしまった」 はいかがでしょうか。

真面目でがんばり屋の方ほど抱きやすい不満です。

□精神的にも時間にも余裕がない
□パートナーにイライラすることが増えた
□赤ちゃんの泣き声にイライラしたり、泣きやませなきゃと焦りや不安を感じる
□慢性的に疲れている

このあたりの項目が当てはまったら親業を休む時間が不足しているサイン。
ひとりの人間として心身ともに健康でなければ、パートナーに思いやりを持って接することはできません。夫婦間で連携しあって、お互いにひとり時間を確保して、ゆっくり休み、好きなことをしてリフレッシュを。産後ケアやベビーシッターや託児サービスなど外部のリソースを活用して夫婦でゆっくりするのもオススメです。罪悪感は必要ありません。子育ては、子どもの巣立ちまで約20年間の長距離マラソン。マラソンに給水スポットがあるように『親であること』を時々休む必要があります。充電する時間を作ることで、笑顔で思いやりのあるコミュニケーションが取れる余裕を生み出すことができるのです。」(上条さん)

<親業を休む時間のとり方の例>

(1)子どもが寝た後に家事をする、ではなく、美味しいスイーツを食べて録画しておいた自分が見たいドラマや映画をみる
(2)パパと赤ちゃんにお散歩に行ってもらい静かな自宅でゆっくりお風呂に浸かる、お昼寝する
(3)一時保育を利用するなどして30分だけでも自分一人でカフェに行ってゆっくりする時間を確保する
(4)寝かしつけをパパに担当してもらい、スーパー銭湯でゆっくりする

「この家事が終わったら、ゆっくりしよう」と思っているとなかなか「親業を休む時間」は取れないものです。子育て中の家事と育児は無限にやることが湧いてきませんか?笑
そのため、「親業を休む時間」を先取りして、心にも時間にも余裕を生み出しませんか」(上条さん)

取材・文/津島千佳、たまひよONLINE編集部

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<プロフィール>

NPO法人ママライフバランス代表、親のがっこう代表 上条厚子さん

1981年生まれ、2児の母。産後うつの原体験から、「自分の人生」も「子育て」も心の底から楽しむ親で溢れる社会をつくるためにNPO法人を設立。名古屋市の子育て支援事業を受託。1万人のパパママのお悩み解決の知見を生かし、妊娠期から産後まで伴走型のオンラインスクール事業「親のがっこう」を開始。男性育休促進・女性活躍推進の研修として、三井住友フィナンシャルグループやパーソルキャリア等の導入実績他多数。

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