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”尿もれ”の予防・改善のために、普段から骨盤底筋のトレーニングをしよう!(1)

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妊娠中や産後に尿もれを発症する人も多く、40歳以上の女性の2人に1人が、尿もれの経験があるとされています。
出産後の尿もれは、およそ1年後には9割の人が改善するといわれますが、年を重ねると妊娠・出産で傷んだ骨盤底の“古傷”が顔を出し、50歳過ぎから尿もれを再び経験する人が増えていきます。
そこで今月は、尿もれやトイレが間に合わないなどのトラブルをどう予防・改善したらいいのか。骨盤底筋トレーニングのやり方も含め、専門の先生に伺います。


監修:関口 由紀 先生
せきぐち・ゆき 女性医療クリニックLUNAグループ理事長。2005年4月に「横浜元町女性医療クリニック・LUNA」(婦人科)を開業。その後「女性医療クリニックLUNA・ANNEX」(女性内科・漢方内科)、「LUNA骨盤底トータルサポートクリニック」(女性泌尿器科・乳腺外科・美容皮膚科)を開設し、3院で女性のための総合医療を手がける。現在「LUNA骨盤底トータルサポートクリニック」と横浜市立大学医学部泌尿器科女性泌尿器外来で診療にあたる。著書に『ちょびもれ女子のための「あ!」すっきり手帖』(主婦の友社)など。www.luna-clinic.jp

尿もれは、どんな時に起きることが多いの?始まるきっかけは?

せきやくしゃみをしたときが最多で、妊娠・出産をきっかけに尿もれが始まる人が多い

なかなかリアルな会話の中で「私、実は尿もれすることがあるの」とは言えないかもしれません。
しかし20~40代の女性の実に4割以上の人が。尿もれを経験しているというデータがあります。
いちばん多いのは、「せきやくしゃみをしたとき」で、その他では「トイレを待っている時」、「重いものをもったとき」、「スポーツをしているとき」などに起きやすいとされています。

尿もれが始まるきっかけとして最も多いのは、「妊娠・出産」で、「加齢」や「体重の増加」などでも生じます。

妊娠・出産をすると、どうして尿もれをしやすくなるの?

妊娠中は、赤ちゃんが膀胱を圧迫。さらに妊娠・出産で、骨盤底がゆるんでしまう

妊娠中の尿もれは、主に大きくなった赤ちゃんが膀胱を圧迫することで生じます。
またもうひとつの理由として、妊娠・出産時には、およそ9割の女性が「骨盤底*」という女性の排泄を担っている部分がゆるんでしまうことがあります。
この骨盤底がゆるんでしまうと、尿意を感じやすくなり、尿道をしめる筋肉の機能が低下して尿もれしやすくなります。

*骨盤底・・・骨盤のなかで、膀胱や尿道、子宮などが下垂しないよう、ささえる部分のこと。骨盤底筋群や靱帯、筋膜などで構成されている。

出産後1年で、9割の人は尿もれを自覚しなくなる。 しかし50歳すぎから閉経・加齢により再び尿もれが始まる人が多い

妊娠・出産を期に始まってしまうことの多い尿もれですが、出産後1年経つと、およそ9割の人の尿もれが改善・消失するといわれます。

しかし尿もれは“閉経・加齢”でも起こります。
妊娠・出産時に傷んだ骨盤底の“古傷”が、50歳過ぎに再び前面に出てくることで、また尿もれが始まる人が多くなります。
もちろん、妊娠・出産を経験していない女性でも、年齢とともに骨盤底はゆるんでいきますから注意が必要です。

閉経・加齢により骨盤底がゆるむ原因としては、(1) 40歳を過ぎると筋肉量が減少、(2) 女性ホルモンが徐々に減少することでコラーゲンの質低下が起こる、という2つが挙げられます。

次回でご紹介する「骨盤底筋トレーニング」で、現在、そして将来の尿トラブルを予防・改善していきましょう。

生まれつき、尿もれをしやすい人っているの?

骨盤底筋のやわらかさや、遺伝などが関係する

骨盤底筋のやわらかさにはかなり個人差があり、生まれつき柔らかくて伸びやすい人と、かたくて伸びにくい人がいます。
やわらかい人は出産時には大きく伸びて、お産が軽くなる傾向があります。しかしやわらかいと、元に戻りにくく、尿もれをしやすいという特性もあります。

遺伝も関係しており、早い場合には高校生ぐらいから運動時に尿もれをしてしまうというケースもあります。

骨盤底筋がかたいかやわらかいかなどはさておき、若い頃から骨盤底筋を鍛えておくことで、出産後や年を重ねてからの尿もれを予防することができます。

腹圧性のもの。くしゃみや重いものをもったときなどにもれる“腹圧性尿失禁”

お腹に力が入った瞬間、気づいたときには止める間もなくもれているのが“腹圧性尿失禁”です。お腹の圧が高まり、膀胱が圧迫されて尿が出てしまいます。
本来はもれそうになると瞬時に尿道がしまるのですが、骨盤底のゆるみによりしめることができなくなっています。
骨盤底筋トレーニングの効果がもっとも出やすいタイプです。

膀胱が過剰に働いている。自分の意志とは関係なく、急にトイレに行きたくなる“過活動膀胱”

「トイレが近い(頻尿)」「夜中に何度もトイレのために起きてしまう」「急におしっこがしたくなる」、「トイレが間に合わずもらしてしまう」などの症状が起きるのが“過活動膀胱”です。
急な尿意で慌ててトイレに行き、なんとか尿もれしないですむケースが50%程度、間に合わず尿もれしてしまうケースが50%程度、と言われています。
間に合わず尿モレしてしまう場合は、切迫性尿失禁とも呼ばれます。
このタイプの尿もれも、骨盤底筋を鍛えることで、改善することが可能です。

過活動膀胱のうち尿モレがある場合が切迫性尿失禁。特に水を触ったときなどに、急に強い尿意を感じます。

冷たい水に触れたり、水が流れる音を聞いたりするだけで、急にトイレに行きたくなることはないでしょうか。
尿意にとても敏感なため、トイレに慌てて駆け込むものの間に合わず、もらしてしまうことが多いのが特徴です。
骨盤底筋トレーニングをすることで、少しずつ改善することができます。

水分のとりすぎ 1日に2リットル以上水分を摂ることで頻尿に…

気温が高くないのに1日2リットル以上の水分を摂取するのは多すぎです。
必ず頻尿になります。水を大量に飲む健康法やダイエットをしている人は要注意です。
毎日の生活を見直し、飲む量や摂り方を改善していきましょう。

頻尿とは…
1日(起床後から就寝まで)に9回以上、就寝中(夜間)に2回以上、トイレに行く場合を頻尿と定義しています。特に夜間の頻尿は不眠を招く場合が多く、生活の質を低下させます。
次回ご紹介する対策をしても改善しなければ、医療機関で相談してみましょう。

次回では、骨盤底を鍛えるためのトレーニング方法や、日常生活の中で気をつけること、もし受診が必要な場合の医療機関のかかりかたなどをご紹介します。


取材・文/渡邉由希 イラスト/伊藤ハムスター

ウィメンズパーク「健康カレンダー」(2017年8月9日掲載)より

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