転んでもタダでは起きない!医療費控除で、キャッシュバック!
そろそろ今年も確定申告の季節。昨年、医療費がたくさんかかった人は、お金を取り戻せるチャンスです!
「確定申告はネットならカンタン♪ 今すぐ医療費の領収証をかき集めて!」と、医療費控除の活用をすすめるのはファイナンシャル・プランナーの高山一恵さん。詳しいやり方と取り戻せる金額について教えていただきました!
医療費控除の対象はけっこう広い!
医療費控除に使えるのは、年間の医療費が10万円以上※の場合。例えば、15万円かかったら10万円を引いた残りの5万円が控除対象です。「医療費は家族で合算できます。出産した人や家族に通院、入院した人がいる場合は要チェック」。なお、総所得金額が200万円未満の人は、10万円以下でも使えるのでまずは領収証を集めてみること!
※控除できる金額は医療費の合計額から、保険の給付金、出産育児一時金などを差し引く必要があります。
歯列矯正や不妊治療、禁煙外来も対象です!
病院の治療費はすべてOK。「不妊治療や人工授精などの費用も申告可能。歯列矯正(審美以外)や、禁煙外来、視力回復のためのレーシック治療も控除の対象です。マッサージや鍼灸も医師の診断のもと治療のために受けたものはOKですよ」。治療目的ではないものはNGなので、インフルエンザの予防接種や、検診費用、疲労回復のマッサージなどは申告不可。「つまり、予防や健康維持の出費は医療費控除の対象外。ただし、健診で異常が見つかり、その後治療を行った場合は検診代も認められます!」
市販薬もOK!
ドラッグストアなどで買う市販薬も治療目的のものはすべてOK。「頭痛薬や風邪薬、花粉症の薬、便秘薬や胃腸薬、軟膏、湿布薬なども合算できます。栄養ドリンクやビタミン剤などはダメです」。
交通費はメモでよし!
病院までの交通費も控除の対象。「電車やバスを使った場合、領収証は出ませんが、ノートや病院の領収証の裏などにメモしておけば証明に。タクシー代も、具合が悪くやむを得ない場合は認められます」。自家用車のガソリン、駐車場代は認められないので病院にはなるべく公共機関で行くべし!
申告はネットでラクラク!
医療費控除は年末調整で申請できず、確定申告のみ。「控除で戻る金額は、その人の税率によって変わります。税率が高い人ほど多く戻るので、家族の中で最も税率が高い人で申告するのがコツ! 難しく見える確定申告も、ネットなら簡単です!」
自分が取り戻せるのはいくら? 税率を調べよう
税率は、『課税所得』によって決まります。「源泉徴収票に書いてある、『給与所得控除後の金額』から『所得控除の額の合計額』を引いた金額が、課税所得です」。課税所得が分かったら、下の表で税率をチェック。「確定申告で戻るのは、所得税と住民税の両方。所得税率が20%の人は住民税の10%と合わせて、控除額の30%が戻ります。仮に5万円控除できたとしたら、1万5000円が戻りますよ!」

所得税は現金で、住民税は手取りアップの形で戻ります
ところで、医療費控除を申告すると、どこにお金は戻る? 「所得税で戻る分は銀行振り込みで、住民税は翌年の住民税が安くなる形で戻ります。住民税は給与から天引きされているので、給与の手取りが増えることに♪」。住民税は毎年5月~6月頃に決定されるので、給与明細をよくチェック!
確定申告はネットなら簡単!
医療費控除を使いたいけど確定申告は難しそう…と、及び腰になってしまう人も多数。「国税庁のホームページにある、“確定申告書作成コーナー”を使えば、指示にそって打ち込んでいくだけで完成です。会社員の人は、“申告書A”を使い、印刷したものをそのまま税務署に提出できます」。源泉徴収票と、医療費の領収証、振込先の銀行口座などの資料を用意し、まずはアクセスを!
医療費控除を申告する場合、領収証やメモが必要です。「市販薬の領収証は捨てちゃった~!」とがっかりした人は、今年こそきっちり保管を! 医療費専用のファイルを用意し、家族の領収証はすべてここに集めておくようにすれば、来年の確定申告がスムーズ!

(イラスト・地獄カレー/文・大上ミカ)
●監修:ファイナンシャルプランナー 高山一恵さん
女性向けのマネーセミナー・講演を全国で実施。「やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)などマネー関連の著書多数
●参考/ひよこクラブ増刊『bizmom(ビズマム)』2017年冬春号「ノーリスクで資産を作ろう★目指せ!節税長者!」←節税のキホンから最強の節税兵器・確定拠出年金まで、がっつり10ページ大特集!本気で節税したくなったら、こちらもチェックして!
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※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
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