【医師監修】赤ちゃんの髄膜炎は早めの予防接種で防ぐ!見逃しがちな初期症状を医師が解説
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赤ちゃんが予防接種を受けていれば防げる病気もあります。とくに、感染後の初期症状が、鼻水やせきなどしか出ない感染症、髄膜炎は要注意! いったいどんな病気なのか、小児科医の山中龍宏先生に伺いました。
発見が難しい細菌性髄膜炎に要注意
脳や脊髄(せきずい)を覆っている髄膜が、侵入した細菌やウイルスに感染して炎症を起こします。髄膜炎(ずいまくえん)には細菌性とウイルス性の2種類あり、多くは風邪症候群と同じような症状で始まります。その後、発熱、激しい頭痛、嘔吐、下痢の症状などが見られます。けいれんや意識障害などが起こることもあります。
細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)とは?
ヒブ(インフルエンザ菌b型)や肺炎球菌が原因で髄膜に炎症を起こします。ヒブ菌や肺炎球菌は、鼻やのどの常在菌ですが、菌が血液中に入り込むと、体中に炎症を起こします。
3ヶ月以上の赤ちゃんの場合は、大半がヒブ菌、残りが肺炎球菌によるものです。
どんな症状?
細菌性髄膜炎は発見の難しい病気で、発熱、嘔吐など風邪の症状が進み、意識障害が出て初めて診断がつくこともあります。
かかってしまったら?
診断がつけばすぐに入院して、抗菌薬などで治療します。適切な治療をしても死亡したり、後遺症を残すことがあります。
最近は抗菌薬がききにくい耐性菌が増加しています。
予防法は?
生後2ヶ月になったら、定期接種のヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンを受けられます。それぞれ、接種回数の多いワクチンなので、なるべく早く接種を始めることをおすすめします。
ウイルス性髄膜炎(ういるすせいずいまくえん)とは?
無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)とも呼ばれ、多くはウイルス性胃腸炎が原因で、髄膜が炎症を起こします。
どんな症状?
風邪症候群と似た症状で始まり、発熱や頭痛、嘔吐などが見られます。
かかってしまったら?
細菌性髄膜炎と異なり、軽症で済むことが多く、必ずしも入院を必要としません。解熱鎮痛薬などの対症療法を行います。
発症すると重症化する髄膜炎は、予防接種で防げます。生後2ヶ月からできれば6ヶ月までに3回接種するのが理想なので、なるべく早めにスケジュールを立てて、赤ちゃんを守ってあげて。(文・ひよこクラブ編集部)
■参考:「いつでもどこでもHAPPY育児生活ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
初回公開日 2018/07/12
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