1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 夏風邪かと思ったらまさかの入院!?気をつけたいのは冬だけじゃない、乳幼児の感染症

夏風邪かと思ったらまさかの入院!?気をつけたいのは冬だけじゃない、乳幼児の感染症

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「RSウイルス感染症」を知っていますか? 1才までに50%以上が、2才までにほぼすべての乳幼児がかかるという感染症(※1)ですが、中には重症化するケースもあります。そこで、RSウイルス感染症の実態を知るべく、小児科医とママたちを招いて座談会を行いました。実際に、お子さんがこの病気にかかったときの様子や経過、対処法や予防法などについて語っていただきました。

※掲載内容は患者さん個人の体験談であり、すべての患者さんが同様の経過をたどるわけではありません。

参加者

峯 眞人先生(小児科医・峯小児科理事長)
菅沼 香さん(2才の女の子・9カ月の女の子のママ)
古賀 有美さん(3才の女の子のママ)
山本 美保さん(10カ月の男の子のママ)
長谷川 聡子さん(3カ月の女の子のママ)

7割以上のママたちが、「よく知らなかった」というRSウイルス感染症

ウィメンズパーク会員を対象にしたアンケートによると、感染経験のないママのうちRSウイルス感染症について「どのような病気か知っている」と答えたママは約25%。7割以上のママたちが「聞いたことがない」または「名前は聞いたことがある」と回答しています。そこで、まずは峯先生にRSウイルス感染症とはどんな病気なのかを教えていただきました。

風邪ウイルスの一種ですが、約3割の赤ちゃんに細気管支炎、肺炎などの重い症状を引き起こします

「RSウイルスは、風邪症候群を起こすウイルスの一つです。とくに呼吸器に感染して炎症を起こします。主な症状は、発熱、鼻水、軽いせきなど、風邪と同じような症状ですが、約3割(※2)が肺炎や細気管支炎などを併発して、せきがひどく、ゼーゼーと苦しそうな呼吸になります。月齢が低いほど重い症状を引き起こしやすく、中には入院が必要となるお子さんもいます。また、生後1カ月未満の乳児が感染すると無呼吸の症状が出て、突然死につながる恐れもあります(※3)」(峯先生)

では、実際にRSウイルス感染症にかかったお子さんたちは、どんな様子だったのでしょう。

生後11日目でRSウイルス感染症に!!大事をとって入院

菅沼さんは、8月中旬に当時1才4カ月の上の子と、生まれたばかりの赤ちゃんがRSウイルスに感染しました。最初に保育園に通う上の子が発熱し、受診。ヘルパンギーナか突発性発疹だろう、と言われましたが、熱が下がらず、せきもひどく出るので再受診し、検査の結果RSウイルス感染症と診断されたそう。

医師からは「新生児がかかると大変なことになるから、かからないよう赤ちゃんを隔離して」と言われ、産院から退院したばかりの下の子を別室に隔離。でも生後11日目に鼻水がズルズルと出て、呼吸も少しゼーゼーし始めました。上の子の受診時に一緒に診てもらったら、やはりRSウイルス感染症。「症状はさほど重症ではないようでしたが、低月齢のため急変もあり得るということで、即入院となりました」

酸素吸入と点滴、薬の吸入と鼻水吸引の治療を受け、5日目に退院しました。

鼻水の症状が長く続いたあと、発熱。せきもひどかったです

古賀さんは、娘さんが1才代の6月にRSウイルス感染症に。1カ月くらい鼻水が続き、様子を見ていましたが、38度以上の発熱があり、かかりつけ医を受診。このときは風邪症候群と診断され、RSウイルスの検査は行われなかったそう。

「ところが、帰宅後にさらに熱が上がり、せきもひどく、ぐったりしてきたのでこれはおかしいと思って再受診。大きい病院で検査をしてもらい、RSウイルス感染症と判明しました」 

菅沼さん、古賀さんともに、かかる前はRSウイルス感染症については名前を聞いたことがある程度だったそうです。

呼吸器の風邪ですが、夏にも流行が起こります

呼吸器の風邪というと「寒い季節にかかりやすい病気」と思いがちですが、お2人のお子さんがRSウイルス感染症にかかった時期は6月と8月。これは珍しいことなのでしょうか?

「以前は、RSウイルス感染症は冬の感染症とされていました。ところが、5年ほど前から流行の始まりが早まってきて、ここ数年は夏でも流行が認められました。RSウイルス感染症は一年中かかる病気と思ってください」と峯先生。

お子さんがRSウイルス感染症にかかったことがないという長谷川さんは、「いざかかったときに、ただの風邪なのかRSウイルス感染症なのかわからないまま悪化させてしまうと怖いです」と不安そうでした。

RSウイルス感染症の特徴について、さらに先生に聞きました。

早く生まれてきた子や、生まれつきの病気がある子は重症化しやすい

早産で小さく生まれた赤ちゃん、生まれつき心臓や呼吸器の病気がある、免疫不全や染色体異常などの赤ちゃんは、重症化リスクが高いです。

6カ月未満の赤ちゃんでもかかる

おなかの中にいるときにママからもらった免疫でRSウイルス感染症を防ぐことはできません(※4)。新生児でも感染し、月齢が低いほど重い症状を引き起こしやすいです。

大人もかかる

一度かかっても、再感染を防ぐのに十分な免疫はつくられません。そのため、何度もかかりますし、大人でもかかります。

初感染したときの症状が最も重い

症状は、初めてかかったときが最も重いです(※5)。何度かかかっていると、軽いせきや鼻水程度の症状で済むことも多くなります。

大人は普段から手洗い、うがいを習慣に

「RSウイルス感染症はどうしたら予防できますか?」お子さんがRSウイルス感染症にかかったことがない山本さんからの質問は、ほかの皆さんもぜひ知りたいところ。「子育て支援センターにあるものすべてを、子どもが触る前に消毒したい!と思った時期もありました。でも、不可能ですよね。どうしたら予防できるのでしょう」と古賀さんも悩んでいたようです。

「残念ながら、RSウイルス感染症には予防ワクチンがありません。消毒用アルコールなどでウイルスの除去はできますが、赤ちゃんが触れるものをすべて除菌するわけにもいきません。一方で、ママ、パパ、年上のきょうだいがかかっても軽い風邪症状で済む場合もあるため、RSウイルス感染症とは気づかないまま小さな赤ちゃんにうつしてしまったり、感染が広がったりもします。

ですから、家族がこまめに手洗い、うがいをし、せきが出るときはマスクをするなどで、赤ちゃんが感染する確率をなるべく低くしてあげることが大事です。どんなに予防に気をつけていても、かかってしまうことはあります。疑わしい症状があるときは、検査(*)を受けて、しっかり診断してもらい、早めに適切な治療を受けることで重症化を抑えることができます。また、早産児や先天性の疾患があるハイリスクの子どもには、重症化を抑える医薬品を医師の判断で使うこともあります」(峯先生)。

*「RSウイルス迅速検査」:鼻粘膜を綿棒でぬぐって、10分ほどで結果がわかります。1才未満の赤ちゃんと、ハイリスクの子どもに限り、検査費用は保険適用となります。

鼻の通りをよくして、呼吸を楽にするケアが大事

RSウイルス感染症にかかってしまったときのケアはどんなことに気をつけたらいいのでしょう。

「残念ながら、RSウイルス感染症には特効薬がありません。苦しい症状を和らげる対症療法とおうちケアで悪化を防ぎながら、回復を待ちます。ですから、赤ちゃんの様子をよく見てあげてください」と峯先生。

「赤ちゃんは、鼻呼吸しかできないので、鼻が詰まるととても苦しく、おっぱいやミルクも飲みづらくなります。鼻水が詰まったり、たんがからんだりして呼吸が苦しそうなときは、発熱がなくても受診してください。鼻の通りをよくして、呼吸を楽にする治療が行われます。おうちでも鼻水吸い器でこまめに鼻水を取ってあげることがとても大切です。

せきが出るときにあお向け寝はつらいので、時々抱っこしてあげるか、首がすわっていれば、ラックなどで背もたれを少し起こした姿勢にしてあげてもいいでしょう。乾燥する季節は、適度に湿度を保つことも大切です」(峯先生)

知ってよかった!いざというときの心構えができました

先生の話を聞いて、お子さんが感染経験のない長谷川さんは、「まだ3カ月で、免疫があるからと安心していましたが、鼻水が続いたら『もしかしてRS?』と思って、早めに受診しようと思います」。

最初は、かかったら怖い!と思ったという山本さんは、「重症化させないことが大事なのだと知れてよかった。納得です」。

そんなお2人に、峯先生は、「病気にかかることを恐れすぎないで、病気について正しく知って、早め早めに適切な対処をすることで、悪化を防ぐことができます」とアドバイス。

子どもは病気をしながら少しずつ抵抗力をつけて丈夫になっていきます。それまでの間をママ、パパ、家族で力を合わせて乗りきりましょう。

▼「RSウイルス感染症」について詳しくはこちら

※1 https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/8274-idwrc-1832.html
※2 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/rs-virus/392-encyclopedia/317-rs-intro.html
※3、※4、※5 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html


協力/アッヴィ合同会社

赤ちゃん・育児

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新着記事