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子どもが挨拶できない。どうすれば?に発達心理学の専門家が愛ある回答

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母の言葉、アドバイスを無視して怒って腹を立てる少女
fizkes/gettyimages

子どもがあいさつできないことに悩むママは少なくないようです。女性のための口コミサイト「ウイメンズパーク」にも、そのような投稿が多く寄せられています。
子どもの社会性の発達に詳しい白百合女子大学人間総合学部の秦野悦子先生(発達心理学)に、口コミサイトに投稿された、ママたちが直面している悩みを聞いてもらいました。

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あいさつできない息子。 お友だちがつくれるか心配…

【5歳・男の子のママより】
息子の人見知りが激しく、先生やお友だちにあいさつもあまりできません。お友だちの輪の中に入りません。私が手をひいて、輪の中へ入れても逃げてきます。ちゃんとお友だちをつくれるのか、不安です。

【秦野先生からのアドバイス】
女の子の気持ちはわかるけど、自分とは性別の異なる男の子のことが、ときどきわからなくなる、というお母さんがいます。「男の子は元気で遊び回るものだ」という固定観念を持たれがちですが、実際には男の子でも静かな子、慎重な子はいます。すぐにお友だちをつくる子もいれば、様子を見ながら少しずつ話せるようになる子もいます。個人差があるので、小学校3年生くらいまではゆっくりと見守っていけばいいと思います。3年生くらいになると、自分の好きなこと、気の合うお友だちというのもわかってきます。それまでは、無理にお友だちの輪の中に入れても、不安がある状態だとすぐ親のほうに戻ってきます。子どもも決して遊びたくないわけではないのです。タイミングが合えば輪の中に入っていくので、「みんなと一緒にやってみる?」とさり気なく誘ってみると、そのうち自分のタイミングで輪の中に入っていくようになります。また、子どもが輪の外にいても、悲観することではありません。子どもはお友だちが遊んでいるのを傍観しながら、いろいろなことを考えています。情報をインプットして、物事をシミュレーションしているのです。輪の中にいなくても、「その場で見ている」ということは意味のある学びになっているので、心配はいりません。あいさつができるかどうかはまた別の話なので、普段からあいさつを習慣づけるようにしましょう。

「なんであいさつできないの?」と 聞くと泣いてしまう娘

【4歳・女の子のママの投稿】
外ではまったくあいさつができません。「何でしなかったの?」と家に帰ってから聞くと、首をかしげて泣き、塞ぎ込んでしまいます。家ではできるのに。

【秦野先生からのアドバイス】
聞かれると問い詰められたような気がしてしまうのですね。この子は、「あいさつをする場面だ」ということはわかっているので、理解力はあるのでしょう。ただ、「わかっている」ことと「できる」ことは違います。「わかっているのにできない」というのは、それほど不思議なことでもないのです。4歳ごろになると、子どもへの社会性の期待値が高まってきますが、子どもの社会化は、幼児期後半から学齢期にかけてゆっくり育ちます。家では元気だけど外では静かだという内弁慶の子もよくいます。前述の5歳の男の子ママへのアドバイスと同様、小学校3年生くらいまではゆっくりと見守るのがいいと思います。

あいさつできないのは 早生まれのせい?

【3歳・男の子のママより】
早生まれの息子は、のんびりやで甘えん坊。おまけに恥ずかしがりや。家では「大きな声であいさつしたい」といって、自ら練習をしていますが、園に行くとできておらず、本人はあいさつができないことで幼稚園に行けなくなるのではと心配しています。

【秦野先生からのアドバイス】
早生まれだと、月齢の高いまわりの子を見て気後れすることもあるかもしれませんが、親のほうが「早生まれだからできない」と、子どもの成長をゆっくり目と受け止めていることもあります。それがいい面もありますが、子どもがそのことで不安を持つという状況はなくしてあげたほうがいいでしょう。まずは「あいさつ、できるといいね」、そこから「ちょっとあいさつの練習してみようか」と誘ってみるのです。「できないと幼稚園に行けなくなる」ということは、子どもには本気の心配ごとです。親が大丈夫だと言っても心配する場合は、幼稚園の先生から「明日も来てね。待っているよ」と言ってもらうと安心するかもしれません。

なぜか、「ありがとう」が言えない

【4歳・男の子のママより】
もうすぐ5歳になる息子が「ありがとう」を言えません。私の両親(息子の祖父母)がおもちゃを持ってきてくれて、息子は喜んでいました。「ありがとうは?」と促すと、「足がかゆい」などと言い出しました。両親は「“ありがとう”が言えないなら、おもちゃは持って帰る」と言い出しました。息子は大泣き。泣きやんでから「もう1回ママと一緒に言ってみよう」と言いましたが、頑なに口をつぐんで言いません。

【秦野先生からのアドバイス】
子どもは嫌なことやできないことを回避したいときに、「眠い」「かゆい」などと言うことがあります。この場合も、気持ちが崩れてしまった子に対しては、気持ちを引き締めるきっかけを与え、年齢にふさわしいプライドを呼び起こすことが大切です。変に甘えさせると、いつまでも親に依存し続けてしまいます。4歳半以降は、プレゼントをもらったら相手の気持ちに対して「ありがとう」と言わなければいけないことや、それを言わなかったら相手が悲しい気持ちになるということもわかっています。ただ、このときに「ちゃんと言いなさい!」と強要すると、子どものプライドが傷ついてしまいます。他者の気持ちがわかる年齢なので「ありがとうって言えたらママもうれしいなー」「言えなかったらママ悲しいよー」と気持ちで伝えてみてもいいでしょう。

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「あいさつができないことが原因で何か問題が発生している」というよりも、子どもの社会性の発達過程で、実は何か別の問題があってあいさつができないことのほうが多いのかもしれません。あいさつを習慣づけているにもかかわらず、あいさつができないときは、子どもの気持ちの変化にも注目してみましょう。「あいさつができないのは恥ずかしい」ではなく、「あいさつするのはカッコいい」という視点をもって、今子どもがどんな気持ちでいるのか考えてあげたいですね。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)



監修/秦野悦子先生
白百合女子大学大学院・文学研究科発達心理学専攻、人間総合学部発達心理学科教授(学科長)、発達語用論、障害児のコンサルテーション、子育て支援が専門。『子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる』(PHP研究所)など著書多数。


※ママたちのお悩みは「ウイメンズパーク」の投稿からの抜粋です。

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