赤ちゃんの寝かしつけのカギは「いつもと同じ」と「ルーティン化」
多くのママやパパが悩まされる、寝かしつけ。睡眠が赤ちゃんの成長にとても大切なことだとわかっているからこそ、眠ってくれないと悩んでしまいますよね。
そこで今回は、赤ちゃんの寝かしつけについて、小児専門医で乳幼児の脳の発達や睡眠の研究をする、成田奈緒子先生に話を聞きました。
スムーズな寝かしつけに必要なものはこれだった!
寝かしつけでいちばん大切なのは、赤ちゃんが安心して眠れる環境をつくること。大好きなママ・パパと体を密着させるシーンをつくるなど安心する触れ合い方を探してみましょう。また寝室の環境づくりもすんなり眠らせるためのポイントです。赤ちゃんの就寝場所は暗く静かな環境に整えることが第一です。
その上で「いつもと同じ」「ルーティン化」を考えましょう。
赤ちゃんは「いつもと同じ」が好き! 同じ生活リズムで毎日を過ごそう
毎日の規則正しい生活リズムは、赤ちゃんを育てる良質な睡眠と深いつながりがあります。睡眠リズムが整ってくる3ヶ月ごろになったら、朝起きたらまずはカーテンを開け、「着替える」「顔をふく」などで朝の合図をしてあげましょう。夜は暗く静かな環境にし、昼夜のメリハリをつけて。
就寝2時間前までに入浴を済ませて、入眠前にたっぷり授乳をすると寝つきがよくなります。
9ヶ月以降は、離乳食・遊び・おふろを毎日決まった時間にするといいでしょう。午前中にたくさん遊ぶと、昼寝時間が早まって生活リズムが整い、よりスムーズに寝かしつけることができます。
「ルーティン化」がカギ! わが子に合った入眠儀式を見つけよう
成長に合わせたかかわり方を意識して、赤ちゃんにハマる入眠儀式を見つけて習慣化しましょう。
赤ちゃんも徐々に「これをしたらねんね」と見通しが立つようになります。
<3ヶ月ごろ〜>
就寝前の流れを「おふろ→授乳→おむつ替え」のようにルーティン化して。
<0歳代後半〜>
「歯磨きをしてねんねしようね」などと伝えて寝室に行けば、寝る時間とわかるようになります。
「一緒にねんねしよう」とぬいぐるみと一緒に布団に入るなどの入眠儀式を見つけるのも効果的。
<1歳〜>
「○○したい」という意志が強くなるこの時期は、その気持ちを受け止め、少しだけつき合ったり、思いを代弁して落ち着かせてから寝かしつけるとスムーズです。
寝かしつけ方法&入眠儀式も「毎日同じ」が基本
「いつもと同じ」が大好きな赤ちゃんですから、寝かしつけ方法や入眠儀式も毎日同じにしましょう。
赤ちゃんが寝ないときのある夜は「抱っこでユラユラ」、ある夜は「背中をトントン」など、複数の方法を変えて試したくなりますが、そうすると定着せずに逆に手こずることになってしまうことがあります。
寝かしつけのワザを試すときは、大人の負担が少ないものを選び、1週間は同じワザを続けてみるのがポイントです。
いかがでしたか? 「いつもと同じ」生活リズムや入眠儀式、寝かしつけ方法を実践していても、赤ちゃんが寝てくれないこともあるかもしれません。
そんなときはもう一度、赤ちゃんが安心して入眠できる状態にあるかチェックしてみましょう。いくら「いつもと同じ」状況であっても、赤ちゃんは安心していないと眠ることができません。
赤ちゃんがいちばん安心するのは、ママ・パパのぬくもり。ママ・パパのイライラ、ソワソワが伝わるとなかなか寝なかったり、すぐに起きてしまうことがあります。
また、室内環境や衣類が不快でないかもあわせて確認してみてくださいね。
(取材・文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部)
監修/成田奈緒子先生
「子育て科学アクシス」代表・文教大学教育学部教授・医学博士・小児科専門医。神戸大学医学部卒業後、米国セントルイス・ワシントン大学医学部留学を経て現職。専門は乳幼児の脳の発達や睡眠。一児のママ。ワークショップ「子育て科学アクシス」を主宰。