いつものメニューにひと工夫でOK!簡単おせち・お正月料理
「今年こそおせち料理を手作りしてみたい、でもおせちって作るのが難しそう、手間がかかりそう…」そう思っている方も多いのでは?難易度が高いイメージのおせち料理ですが、意外と材料も少なく、家庭で簡単に作れます。今回は簡単に作れるおせち料理と、ちょっとした工夫でお正月気分を味わえる演出について、フードコーディネーターの三井愛さんに聞きしました。
三井 愛(みつい あい)
フードコーディネーター・栄養士
食品メーカーでの商品開発を経て、フードコーディネーター・栄養士として、フードコーディネータースクール・料理教室の企画・運営、スタイリング・撮影、栄養カウンセリング、メニュー開発、商品開発、コラム執筆など、食にかかわる業務を手がける。栄養バランスがよく、手軽に作れる家庭料理に定評がある。著書「フードコーディネーターという仕事」(現代書林)、料理監修「50円、100円以下でできる超節約おかず250」(ブティック社)、「ガンに効く野菜料理」(インフォレスト)、「城咲仁の300円以下簡単アレンジレシピ」(KKロングセラーズ)、「高野豆腐ダイエット」(宝島社)
家庭で簡単に作れるおせち料理
まずは、手軽に作れて、手作りならではのおいしさを味わえるおせち料理3品をご紹介します。
はんぺん利用、かんたんだて巻き
<材料>
・卵 4個
・はんぺん 1枚
・砂糖 大さじ4
・みりん 大さじ1
・塩 少々
・サラダ油 適量
<作り方>
(1)はんぺんは、フードプロセッサーで撹拌し、卵、砂糖、みりん、塩を加え、撹拌する。滑らかになったら、ざるでこす。
(2)卵焼き器に油をひき、火にかける。①を流し入れる。
(3)弱火で焼き、底面がきつね色になったら、ひっくり返し、反対面もきつね色になるまで焼く。
(4)鬼すだれにのせ、鬼すだれごと巻き、巻き終わったら、巻き終わりを下にして、両端を輪ゴムで止めておく。しっかりと冷めたら、好みの幅に切る。
田作り
<材料>
・ゴマメ 50g
・砂糖 大さじ3
・しょうゆ 大さじ1と1/2
・酒 大さじ1
・白炒りごま 適量
<作り方>
(1)フライパンを熱し、ゴマメがカリっとするまで、炒める。炒めたら、取り出し、フライパンをふいておく。
(2)フライパンに砂糖、しょうゆ、酒を入れ、弱火で煮立て、とろみがついてきたら、火を止め、①のゴマメを加えからめ、ごまをふる。
(3)バットにクッキングペーパーをしき、②を広げて冷ます。
黒豆
<材料>
・黒豆 1カップ
・砂糖 1と1/2カップ
・しょうゆ 大さじ1
・塩 少々
<作り方>
(1)黒豆は、水で洗い、水気を切っておく。鍋に入れ、黒豆の3倍の水を入れ、一晩おいておく。
(2)(1)の鍋を火にかけ、沸騰したら、びっくり水(カップ1/2)を加える。再び沸騰したら、水(カップ1/2)を加える。あくが出てきたら、取り除き、弱火で約40分煮る。
(3)黒豆が手で押した時、つぶれるくらいになったら、砂糖、しょうゆ、塩を加え、落し蓋をして、弱火で約15分煮る。火を止めて、煮汁の中で、冷ましておく。
飾り切りで、豪華な見栄えに
飾り切りを覚えれば、おせち料理がグッと豪華な仕上がりになります。手軽にできるかまぼこの飾り切り、お煮しめの野菜の飾り切りをご紹介します。
かまぼこなら簡単・華やか!
かまぼこは飾り切りのパターンがいろいろあります。紅白のかまぼこに切り込みを入れ、梅や竹、結びにしたり、ひと手間加えるだけで、おもてなしの一品になりますね。紅白かまぼこを半分に切って、交互に並べるだけで、市松模様になり、とても見栄えがよくなります。
飾り切りでお煮しめも豪華に
お煮しめの野菜は、飾り切りにすれば、上品な料理に。しいたけは亀甲切り、にんじんはねじり梅に、こんにゃくは手綱こんにゃく、れんこんは花形れんこん、里芋は六方むきにすると、豪華な煮物の完成です。彩りに絹さやなどで、緑色を添えると、さらによいでしょう。お正月のお煮しめを煮るときは、一品ごとに丁寧に別のお鍋で煮ると、味がうつることもなく、野菜の色もきれいに仕上がります。
重箱がなくても大丈夫!お正月を演出する盛り付けテク
おせち料理を重箱に詰めるのは大変そう、重箱を持っていないから、どうすればいいかしらと悩まれている人も多いかもしれません。最近では重箱に詰めずに、大皿やお盆に盛り付けたり、一人分ずつ取り分けて小皿や豆皿に盛り付けたりして、おしゃれな盛り付けを楽しむ人が増えてきています。お家にある食器でも、コツをつかめば華やかなおせち料理ができあがります。
大皿でお正月を演出するポイント
大皿に盛り付ける場合は、皿の色や形、素材などによって印象が変わってきます。白いシンプルな皿を使えば、すっきりとした明るい印象に。黒いつやのある皿を使えば、上品な大人の盛り付けになります。
お皿に盛り付けるときのポイントは、お皿の中心に豆皿や小皿を使い、高さを出すこと。その周りに、少量ずついろいろなおせち料理を盛り付けていくと、まとまりが出て華やかになります。豆皿の中には、黒豆や紅白なます、きんかんの甘露煮などを入れたりすると、汁気も気になりません。また料理の下にはらんや笹の葉をひいたりすると、アクセントになり、料理が引き立ちます。彩りを考えて盛り付ければ、手軽におしゃれなワンプレートおせちの出来上がりですね!
塗りのお盆におせち料理を盛り付けると、豪華な雰囲気が演出できます。黒豆、田作り、数の子など祝い肴三種を盛り付け、黒豆に金箔をのせたり、南天などを飾れば、お正月らしい演出になりますね。お盆が大きいようであれば、彩りのよい紅白かまぼこ、栗きんとん、なますなどを添えれば、お酒のお供にぴったりです。
大晦日、お家でゆっくりと、おせち料理を作りながら、新年を迎える準備をするのは、とても素敵ですね。最初から、いろいろなおせち料理を手作りするのは難しいけれど、簡単に作れる数品を手作りすることから始めてみるのがおすすめです。家族の好きなおせち料理メニューを手作りできたら、会話も弾み、楽しいお正月を迎えられそうですね。