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92歳保育士「やりたいことがあれば給食をパスしてもOK」の見守る力

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マルチエスニック5小さな子供の子供たちのグループアフリカ系アメリカ人、アジア人と白人の幸せの友人と一緒にリビングルームやクラスルームで絵のフルカラーに色の鉛筆を描画します
Chatchai Limjareon/gettyimages

さまざまな情報や知識がすぐに手に入る時代。これから大きくなる子どもたちには、「自分で考える」という力がより一層求められます。
日々の子育ての中で、どのようなことに気をつけて子どもと接すれば「自分で考えられる子」が育つのでしょうか。
今回はそのヒントを、2800人以上の園児を見てきた92歳の現役保育士、大川繁子先生に教えてもらいました。

関連:「こんなこと、先生に相談していい?」みんなは保育園の先生とどう接している?

「選ぶ」ことが考えられる子どもになるための第一歩

―-これまでたくさんの園児を見てきた大川先生ですが、「考えられる子」になるにはどのようなことが大切だと思いますか?

大川先生:「先回りしないで見守る」ということですね。
まずはなんでも経験させること。その経験を通して子どもは自分で考えるようになるんです。

―-子育てをしていると、どうしても親が先に手を貸してしまいがちですよね…。
なるべく先回りしないようにするためにはどうすればいいでしょうか?

大川先生:そんなときは、親が手を貸すのではなく、子どもに選択肢を与えて選ばせてみてみるのはどうかしら。

―-大川先生の勤務する保育園では、どのような場面で園児たちに選択肢を与えていますか?

大川先生:たとえば、うちの保育園で特徴的なのは、バイキング形式の給食ね。席も決まっていないからその日の気分で好きな席や一緒に食べる人を選び、食べる量も子どもたちが自分で決めるのよ。
給食の時間になってもやりたいことがあれば、給食をパスしてもOK。
たとえ1歳児でも、同じおしぼりを二つ出して「どちらのおしぼりがいいですか?」って聞いて選んでもらうんですよ。

―-バイキング形式の給食はおもしろいですね!

大川先生:「選ぶ経験」を積み重ねることが、自分で考える子になるための第一歩。そして、選ばせた以上子どもが決めたことに口出ししてはいけませんよ。
大人は、子どもが決めるための材料を与えたうえで、子どもの出した答えを尊重するようにしましょうね。

かんたんなようでむずかしい! 「見守る」ということの大切さ

―-大川先生の保育園で実際に「見守ることの大切さ」を実感したエピソードはありますか?

大川先生:あるとき4歳近くになってもおむつが外れない子がいたんです。
その子のお母さんもあせっていて、毎日のように「先生どうしましょう」って相談されていました。
その子がおもらしをすると、お母さんも過剰に反応して怒ってしまっていたみたい。
私はそのお母さんに「おもらししても怒らず、着替えさせるだけにしてみたら?」ってアドバイスしました。

―-たしかに、親としてはあせってしまうかもしれません…。

大川先生:そうね、だけどうちの保育園では「なんだかムズムズするぞ」という気持ちをまずは自分の身体で感じてほしくて、決まった時間にトイレに連れて行く、といった集団でのトイレトレーニングはしていないんです。

―-「トイレに行きたい」と自分で感じるまで見守るということですか?

大川先生:そうですよ。もちろん、保育園でトイレを失敗しても怒りません。
「あら、出ちゃったね。次はもっと早く行こうね」と言って着替えておしまいです。

そういう中で子どもにも「もらすと気持ち悪いな」とか「恥ずかしいな」っていう気持ちが生まれるんですね。
そしていつしか、「トイレに行きたい」という気持ちに敏感になり、おむつが外れていくのです。

―-おもらしをすることで、子ども自身に気づきがあるんですね。

大川先生:私がたくさんの子どもを見てきた中でこれだけは言えるということがあってね。
それは、親がトイレの失敗に対して過剰に反応すればするほどおむつ外れは長引く、ということです。
繊細な子どもたちは、お母さんやお父さんがあせったり、怒ったりする姿を見て萎縮してしまうものなの。

―-親の過剰な反応が子どもにとってはストレスになるんですね…。

大川先生:そのおむつが外れなかった子はね、4歳になったころにお母さんのお仕事が忙しくなったの。
その分、お母さんの目がその子のトイレトレーニングに集中しなくなったおかげで怒ることが減って、その子のおむつはスッと外れたんです。

-―すごい! 子どもって正直!

大川先生:トイレトレーニングに限らず、子どもが自分でやる気を出したときの習得はとても早いもの。
なんでも先回りしてやってあげるのではなく、「〇〇したい!」と思える環境を整えてそのときを待つことが、大人の大事な役目なのよ。

関連:「かして」「入れて」。子どもに教えておきたい保育園・幼稚園で役立つルール

先回りしすぎると、子どもの考える機会を奪ってしまうことになりかねないという大川先生。
「自分で考えられる子」を育てるには、手や口を出したい気持ちをぐっとこらえて見守り、子どもにより多くの経験をさせてあげることのようです。

(取材・文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部)


■お話/大川繁子先生
(小俣幼児生活団・主任保育士)
昭和2年生まれ。モンテッソーリ教育やアドラー心理学を取り入れた、足利市の私立保育園「小俣幼児生活団」の主任保育士。足利市教育委員、宇都宮裁判所家事調停委員、足利市女性問題懇話会座長などを歴任。およそ60年にわたって子どもの保育に携わっている。初の著書である「92歳の現役保育士が伝えたい 親子で幸せになる子育て」(実務教育出版)が好評発売中。

「92歳の現役保育士が伝えたい 親子で幸せになる子育て」(実務教育出版)

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