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何度言っても聞かない! 教えて! 子どもに伝わる叱りかた

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didesign021/gettyimages

叱っても同じことを繰り返す我が子…。私の伝え方が悪いのかしら?と、悩むママも少なくないようです。口コミサイト「ウィメンズパーク」に寄せられたママたちのお悩みに、親子のコミュニケーションに詳しい立正大学教授、岡本依子先生にアドバイスをいただきました。

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何度も同じことを繰り返す、どうしてわかってくれないの?

まずは、4歳男子を育てるママのお悩みを紹介します。

「毎日、毎日子どもを怒る日々。どうして、言うことをわかってくれないのかな。なぜ遊んでいてテンションが上がると大人(父親や叔父)をたたくのかな? ふざけておもちゃクルマをぶつけるかな? たたく、ぶつける、投げると、どんな結果になるのか予想がつかないのかなぁ。『〇〇すると、こうなるからやめなよ』とさんざん言ってきたから、そろそろわかってくれないかな。この子の個性もあるとは思いますが、私の対応が悪くて、こういう風になってしまったのかと、悩みます」

私たちも繰り返し同じことで、叱ってしまいます!

同じような年代のお子さんを育てるママたちからは、この悩みに共感する声が多いようです。

■正解がわからない!
「子育てって難しいですよね。4歳になって育児がラクになるどころか、精神的には本当に難しくなったと思います」

■なんで叱られるかわかっていない!
「ウチは女の子。ある時、本人に、『ついさっき注意したのに、なぜまたやるの!』と怒ったことがありました。すると『わすれんぼうだから』と。お、おう、忘れちゃうんか。そんなら仕方ないわな、と思うようになりました(笑)。娘を叱って『なんで怒られたかわかる?』と聞いたら、ほぼわからないと、返ってきます。4歳は親が思っているより、理解力もまだまだなんだと思います」

■どんなに叱っても繰り返すのが子ども
「やんちゃな6歳男児と3歳女児を育てています。どんなに叱っても繰り返すのが子ども…です。気に入らないことがあると叩くのも、あるあるかな。我が子は不貞腐れるか、泣き出すか ですが…。さすがに痛いことすれば 『しまった…』と怒られる!という表情をしますが、怒っても一瞬大人しくなるだけ。それがたとえいけないことでも、繰り返しています」

■赤ちゃんの頃は天使だったはずが…
「赤ちゃんの時は、ほんと手がかからず、ホントいい子。けれども、幼稚園に入園してからは、毎日トラブルで、謝り倒していましたよ(涙)。私もさんざん泣きました。『なんでこんなのなの?』と、正直子どもが可愛いと思えない時期もしばらくありました」

■泣いたり、叱ったり、なだめたり、毎日が試行錯誤
「子育ては、何が正解で何が不正解かなんて誰もわかりません。私も4歳の息子を叱ったり、抱きしめたり、怒鳴ったり、一緒に泣いたり笑ったり…毎日試行錯誤です。でも、子どもに本当に必要なことって子ども自身から出てくる(教えてもらえる)と思っているので…。悩んじゃうこと、落ち込むこと、ママならみーんなありますよ! 私は愚痴るのが上手にできないので、育児本を読みまくりです(笑)」

専門家がアドバイス!何度言っても聞かない子どもとの向き合い方

子どもを叱るのは本当に難しいですね。何度も同じことを繰り返す我が子にイライラしたり、感情的になった自分を責めたりと…、子育てに悩むことがあります。発達に合わせた親子のコミュニケーションのとり方について、岡本依子先生にお話を聞きました。

4歳は、なりたい自分に向かって頑張っている時期

「4歳という年齢は、おもしろい年齢です。終わったはずのイヤイヤ期が戻ってきた?と感じるほど、屁理屈を言ってみたり、一筋縄でいかなかったりすることがあります。4歳頃の子どもは、ルールや約束が理解できるようになる一方で、〝かくありたい自分〟という自分の理想像をつくり始める時期。なりたい自分に向けて、律儀に頑張りすぎてしまうことがあるのです。
この時期は、子ども自身がこうと思い込んだことが大人の思いとずれると、なかなか聞いてくれず、手を焼くことがよくあります」

頭ごなしに叱るのはNG、説得もしくは納得してもらう関わりを

「4歳くらいは、誰かから押しつけられることを嫌う時期です。叱るというより、説得する(納得してもらう)ということが大切です。また、4歳という時期は、なりたい自分をつくり始める時期なので、どんなことができるとカッコいいか、すてきか、という話をしながら、子ども自身がどんな人になりたいかを育てることを意識してみてはいかがでしょう。
子どもが暴力的になってしまった時は、子どもの興奮を鎮めることを意識しつつ、いけないことはいけないということを伝えましょう。
何度も同じことをするのは、大人がそう思っているだけで、子どもからすると、毎回違う発見があるかもしれませんし、大人と見ているところが違うので、叱られていることが理解できていないことがあります。
子どもの世界を想像しながら気長に、しかし、こまめにつきあうことが、実は近道です。一度でわからなくても、その都度、根気強く説明をしてみてください」

子育てがイヤになるのは、それだけ子どもと向き合っている証拠

「子育てをしながらイヤになることは、実は誰もが経験することです。イヤになるというのは、それだけ一生懸命子どもと向き合っているという証拠です。
4歳児は、親子で一緒に楽しめることも増えてきます。外で体を動かして一緒に遊んだり、絵本を読んだ後などに、そのまま絵本の想像の世界の話をしたりするのも楽しいものです。
思いつめてしまう時は、一人で抱えずパートナーや父母などに話を聞いてもらったり、子育てをサポートしてもらったりしましょう。
イライラして感情的になりそうなら、トイレに少し入ってクールダウンするのもいいですね。トイレに本を置いたり、飾りつけをしたりして落ち着く空間にして、緊急避難的に駆け込み、気持ちを落ち着ける場所にしてみてはいかがでしょう。
子どもを叱るのは、とても難しいことです。言い換えると、ほめることはとても簡単で、へんな配慮も気兼ねも不要ですが、叱る時は、あれこれ考えることが多いものです。たまには、親として頑張っている自分のこともたっぷりとほめてください」(岡本先生)

同じことを繰り返す子どもに根気強く伝える、ということは頭では分かっていてもついつい根負けして叱ってしまうこともありますね。子育てに悩んだときは、一人で抱え込まずに周りの人に話を聞いてもらったり、サポートしてもらいましょう。(文・酒井範子)


岡本依子さん
立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科教授。専門は、発達心理学。親子のコミュニケーションや異文化の保育・幼児教育などを研究。著書に『妊娠期から乳幼児期における親への移行—親子のやりとりを通して発達する親』(新曜社)などがある。

■文中のコメントは、「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です。

■関連:【4歳の質問期】こそ、考える力を伸ばす絶好のチャンス!

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