「自分で!」と言い出したらチャンス! 上手なアプローチで子どもの力を伸ばそう
2・3歳は、何でも「自分で!」と言う「自分で!」期。まだ上手にはできないことが多いでしょうが、やりたい気持ちを尊重して、自分でできることを増やしてあげませんか。
心と頭が成長する「自分で!」期って、どんな時期!?
「自分で!」期が始まると、たとえば玄関のカギの開け閉めを自分でしたがったり、掃除機を自分でかけたがったり、買い物した重い荷物を自分で持ちたがるなど、ママやパパからしたら「これはいいよ~! 失敗すると大変だから…」と思うようなことも「私(ぼく)がする!」と言い出すことが多くなると思います。
しかし「自分で!」期は、心と頭がぐんぐん成長している証し。とくに次の2つの成長が見られます。
1.自ら成長を実感できる
「自分で!」期は、自分が前より上手にできるようになったことや、初めてのことでも「やってみたらできた!」など、自分の成長を実感できるようになる時期です。
2.成功体験が、次の意欲を生む
ママやパパの力を借りず「自分で頑張ってみたい」「できることを増やしたい」という意欲を持って、挑戦したときの「できた!」という感動は、自信や次の意欲につながります。子どもの自立には、こうした自信や意欲が欠かせません!
「自分で!」期は、自立の準備期間★ 自立に向けた力を養おう
子どもは「自分で!」「自分で!」を繰り返すことで、自分でできることを増やしていきます。「自分で!」期は、まさに自立に向けた準備期間。
「自分で!」期を迎えたら、自立に必要な次の3つの力を伸ばすかかわり方を意識してみましょう。
1.自分のことは自分でする力
2・3歳になったら、トイレトレーニングや着替え、食事など、身のまわりのことは自分でできるようにしたいですね。またママやパパが教えることで、公共の場でのルールやマナーも身についていきます。すぐにはできないことも多いでしょうが、1つ成功すると「もう赤ちゃんじゃない!」と自信がつくので、自分のことは自分でするように促しましょう。
2.自分なりに考える力
自立のためには、困ったとき自分で考える力も必要です。考える力は、2・3歳は主に遊びを通して伸びるので、ブロック遊びなどで、自分で考える機会を意識して作ってあげましょう。考える力は、試行錯誤することではぐくめるので、ちょっと考えると自分でできるぐらいのレベルの遊びがおすすめです。
3.人を思いやる力
子どもの自立には、人間関係を築く力も必要です。そのため小さい子に優しくする、お友だちと仲よく遊ぶ、相手を気づかうなど、思いやりの気持ちも育ててあげて。2・3歳は、お世話遊びなどをすると「お熱大丈夫?」「おなかすいた?」「お着替えしましょうね」など、相手を思いやる言葉が自然と出るようになります。
2・3歳は、イヤイヤ期真っ盛り。そこに「自分で!」期も加わると、お手上げ状態というママやパパもいるのではないでしょうか。しかし「自分で!」期は、大切な成長過程の1つ。「自分で!」が始まると、つい「あとでね!」と止めてしまうことが多い場合は、遊びを通して、意欲を伸ばしてあげてみませんか。忙しくて時間がなくても、遊びの中でたくさんの成長に気づけるかもしれませんよ。(取材・文/麻生珠恵)
取材協力/こどもちゃれんじ