お礼のしかた、お返しは? お土産をもらったときのマナー
暮らしの中で、お土産をお渡ししたりいただいたりすること、よくありますよね。そのときのマナーはどうすればよいか、ふと悩むことはありませんか。今回はこのお土産のお礼マナーについて、マナー講師の中川裕美子さんに教えてもらいました。
中川裕美子
マナー講師・コンサルタント
https://www.sonori.info/
マナー&コミュニケーション講師。OL時代に役員秘書を担当し、儀礼手配に勤しむ日々を過ごす。現在は、おもてなしの教育を担当。
お土産をいただいたときの心得とは
まずは、お土産をいただいたときのマナーについて心得の基本をおさえておきましょう。大きく分けて3つあります。
まず1つ目の心得は、感謝の気持ちを持つことです。お土産をいただいたとき、まずは「ありがとう」の気持ちを素直にもちましょう。お心づかいに深く感謝できる余裕を日常的にもっていることが肝心です。また、もらい慣れによる品評は禁物です。謙虚さを常に意識しましょう。
次に、2つ目の心得として、お土産をいただいたときは、すぐにお礼をお伝えするようにしましょう。「後で」と思っていると、多忙のためにうっかり忘れてしまうこともあるので要注意です。後日には、お品の感想を謝意とともにお伝えするとよいでしょう。「すばらしかった」「おいしかった」などの誉め言葉がよりよい関係につながります。
そして3つ目の心得として、お返しはタイミング良くおこないましょう、ということです。一般的な旅行や外出などのお土産をいただいた場合は、自分が旅行や外出をした際のお返しで問題ありません。しかし、地域性や関係性、相手のタイプなどによりベストアンサーは異なる可能性があります。悩むようでしたら、関係者の方に相談するとよいでしょう。
ママ友やご近所へ
基本的な心得の次は、相手ごとに知るお土産マナーの留意点をご紹介します。まずは、ママ友やご近所など、日常でお付き合いする方々に対するお土産マナーです。
お礼はすぐに、できれば対面で
日ごろよく会うママ友やご近所の方には、可能であれば対面でお礼を伝えましょう。笑顔で明るく、うれしさが相手の方に伝わるようなイキイキとした表情で感謝の意をお届けできると喜ばれます。恐縮しすぎると、相手が心配したり気分を害したりする可能性があるので気をつけましょう。
お返しは、相手への気づかいある品選びを
相手の方を配慮した品選びとタイミングが重要です。普段から近況を聞いておき、相手のご家族も気づかいましょう。相手方のアレルギーや苦手なもの、長期の出張や旅行などの予定などにも配慮するとよいですね。親しい間柄であれば、気軽に楽しんでいただける・召し上がっていただける品などがおすすめです。
親戚関係へ
次に、親戚関係へのお土産マナーについて主な留意点をご紹介します。
お礼の電話をすぐに
親戚には「親しき仲にも礼儀あり」という気持ちを大切にしましょう。後回しには要注意です。できるだけすみやかに、まずは、電話でお礼を伝えると良いでしょう。普段からLINEやFaceTime(フェイスタイム)などでビデオ通話をしているご関係であれば、喜びの映像をリアルタイムで分かち合うのもおすすめです。
お返し品は、親戚一同へ気づかいある品を
お返しの品によって、あなたやご主人に対する親戚からの評価が決まる場合があります。そのため、何を贈るかは夫婦で相談するとよいでしょう。親戚の皆様が、楽しめたり喜んだりできるような品がよいですね。小分けが簡単にできるものや賞味期限が長めの飲み物や食べ物、送り先では入手困難な地元限定品を贈るのも喜ばれます。
夫の職場関係へ
最後に、夫の職場関係の方へお返しをするときのマナーを確認しましょう。
お礼は誰が誰にすべきか、夫とよく検討してすみやかに
職場の方と夫との関係に、妻として慎重な配慮をするとよいでしょう。「早い方がよい」と慌ててしまい、一人で勝手に品選びをしてお届けしてしまう……というようなことがないように冷静に対応します。夫の意見を尊重し、職場関係に配慮ある慎重な品選びと送付のタイミングを心がけましょう。
お返し品をお渡しするか、まずは夫に相談を
夫の仕事を配慮し、夫の意向を踏まえて慌てずに適切な手配をすることがコツです。「上司の奥様がいらっしゃる時間帯にご自宅へおもちした方がよい」「今回はお返ししなくてよい」など、さまざまな案が考えられます。前例にかかわらず、一件ずつ夫に確認し、夫婦間で互いに安心できる応対を選びましょう。
お土産のお礼マナーでもっとも大切になることのひとつは、感謝の伝え方です。素直な「ありがとう」を、すみやかに明るく心から、相手にわかりやすくお伝えするようにしましょう。