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叩く、取り合い、仲間外れ…園でのトラブル、ママやパパはどう対応する?

お互いを見て怒っている子供
erierika/gettyimages

子どもの集団生活が始まるとお友だちとのかかわりも増え、楽しく遊ぶ姿をほほえましく思う一方で、子ども同士のトラブルが起こることも。。
そんなとき、「親はどこまで介入していいの?」と対処法に悩むママやパパも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、相模女子大学学芸学部子ども教育学科准教授・金元あゆみ先生に、口コミサイト『ウィメンズパーク』に寄せられた、子ども同士のトラブルにまつわる3つのお悩みへ、アドバイスをいただきました。

<トラブルその1>おもちゃを独占してしまいます…

「もうすぐ3歳で入園を迎えた娘がいます。最近おもちゃを独占するようになってきました。今までどうぞしていたおもちゃも離さず、ひどいときはお友だちが遊んでいるおもちゃを黙って奪い去ります。声かけしてますがどうぞができません」

◼︎金元先生からのアドバイス
上記のようなトラブルの基盤にあるのは、自我の表れです。自我は「自分」「自己」を育はぐくんでいく成長過程として1歳過ぎごろに芽生え2〜3歳ごろに育ち拡大するものです。自我の育ちは、自分の気持ちを意識し他者とは異なる存在であることに気づいていくという重要な意味がありますが、このころは同時に「自分と他者が同じである」という気持ちも含まれています。そのため、お友だちが楽しそうに遊んでいると、自分も同じおもしろさを知ろうとするのです。
大人にとって“おもちゃを奪う”という行為は「悪いこと」に映りますが、子どもにとっては「他者と同じ気持ちを味わおうとする行為」。他者の楽しそうな様子に誘われて自分も同じ気持ちになろうとしているんですね。こうした経験の中で、他者と同じがうれしかったり他者とは違うと感じたりしていきます。これは、他者に共感するという心の育ちにとても重要なことです。
ここで自我の育ちを押さえ込んでしまうと、ママやパパがよかれと思っていても、その後の心の育ちにつまずきをもたらしてしまう危険があります。
まずは、「このおもちゃで遊んでみたかったんだね」、「お友だちが遊んでいて、楽しそうだと思ったんだね」と、その気持ちを受け止めましょう。
一方、おもちゃを取られてしまった子どもの気持ちを伝えるのも忘れずに。この時期は「自分がされたら嫌なことはお友だちも嫌なんだ」ということがわかるようになる時期でもあります。
自分の気持ちを受け止めてもらった子どもは自分を認めてもらえた、尊重してもらえたと感じ、他者の気持ちも受け止めることができるようになります。
このように、ママやパパは双方の気持ちを受け止めうえで、その気持ちを伝える代弁者となり、「○○はどう?」と提案したり貸し借りのしかたを根気強く伝えたりしていきましょう。

<トラブルその2>お友だちをたたいてしまう…

「3歳になったばっかりの息子。最近お友だちの顔や頭を急にたたくようになりました。おもちゃを取られたとかでもなく、本当に急にたたいたりするので、理由がよくわかりません。そのたびに両手をつかんで目を見て怒っていますが、「わかった!」と言ってもすきを見てまたたたきにいきます」

◼︎金元先生からのアドバイス
お友だちへの関心が高まっているけど、まだどう接していいかわからず、言葉で気持ちを伝えることも未熟でトラブルになりやすい時期。トラブルを経験する中で徐々にかかわり方を学んでいきます。
この場合は「たたく→お友だちの反応がある」ということに興味を持ち繰り返しているのかもしれません。
「自分は相手と同じ」と考える時期ですので、「お友だちが悲しんでいるよ」と相手の気持ちを代弁したり、「一緒に遊ぼうって言いたかったね」など子どもの気持ちを言葉にしてみましょう。
あるいは、自分の領域に侵入されることに抵抗があるのかもしれません。自我が育つ中で、「自分の空間」「自分の遊び」へのこだわりも強くなります。
過去におもちゃを取られたなど、自分の領域に侵入されたと感じる経験があると、それを避けるために他者に攻撃的になってしまうことがあります。
たたく・蹴(け)るなどの行為はすぐに止めることが必要ですが、子ども同士のトラブルはその後の育ちにとても重要なことなので、大人が介入しすぎないことも必要です。
もし介入するときには、圧力を感じるような禁止・否定の言葉かけは避け、どうすればいいかを具体的に提案したり、お互いの気持ちを代弁したりしましょう。最初は大人が間に入って一緒に遊ぶことで、徐々に「お友だちと一緒が楽しい」と感じられる経験を重ねられるようになっていきます。

<トラブルその3>お友だちを仲間はずれに…

「3歳6ヶ月の娘がいます。歩いたりしゃべるのは早くて心配していなかったのですが、自己主張が激しく意地悪です。お友だちを仲間はずれにして「〇〇君はダメ! あっち行って!」ときつく言ったり、けがして泣いているお友だちを仲間はずれにして「私はそんなことじゃ泣かな〜い」と言うんです。来年から幼稚園なので不安です」

◼︎金元先生からのアドバイス
3歳ごろのこうした姿の多くに悪気はありません。自我が拡大していく中で、自分の「好き」「嫌い」がわかってきてそれを主張するようになります。
2歳以降、言葉は爆発的に発達しますが、自分の気持ちをうまく言葉にすることはまだ難しく思うようにいかないことがあると、実際の思いではなくとも「イヤ!」「ダメ!」という言葉で表現することも多々あります。
自己中心的な時期なので、お友だちにはお友だちの気持ちがあることがまだ理解できていません。しかし、自分の気持ちを主張することは自立に向かう大切な姿。「人を意図的に傷つける悪い子になる」と心配して「どうしてそんなに意地悪なの?」「ママ(パパ)は意地悪な子は嫌い」などとその子を否定したり、主張を抑え込むのではなく、言われた側の気持ちをていねいに代弁していきましょう。そうすることで、相手の気持ちと自分の気持ちに違いがあることに気づいていきます。
また、「イヤ、ダメ」と言った背景にある本当の思いをくみ取ることで、安心感や自己肯定感、他者への信頼感も育まれはぐくまれますちの伝え方が未熟で何でも「イヤ」と表現してしまうこともあるので、何が「嫌」なのかていねいにくみ取り、表現のしかたを提案していくことも大切です。
(取材・文/大月真衣子、ひよこクラブ編集部)

このような子ども同士のトラブルはママやパパが一度介入しただけでは解決しないことも多く根気強く伝えることが大切ですが、大人にとっては一見“悪いこと”に思える子どもの言動も、「子どもの本当の思いがどこにあるか」をしっかり見つめることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。

※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」からの引用です。


■監修/金元あゆみ先生
(相模女子大学学芸学部子ども教育学科准教授)
保育学・幼児教育学を専門とし、保育園での保育を経験したのち、大学院に進学。昭和女子大学での助教を経て現職。著書に「0歳児のあそび」(ひかりのくに)がある。

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