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パパの育休取得で子どもの偏差値が上がる!?【経済学の視点から】

おむつを赤ちゃんの息子に変える
petrunjela/gettyimages

赤ちゃんが生まれたあとも共働きを続ける家庭では、パパの育児参加が欠かせません。ママの復職後、家事・育児の分業がスムーズにできるよう、パパも育休を取ることが奨励されています。結婚・出産・子育てについて経済学的手法で研究している、東京大学大学院経済学研究科教授の山口慎太郎先生に、研究結果とご自身の育児経験から、パパの育休をどう考えるべきか聞きました。

1カ月の育休で父子&夫婦の絆がぐっと深まる

出産後、夫婦で協力して育児を行い、ママがスムーズに仕事復帰できる環境を整えるには、パパの育休取得も必要に。パパが育休を取ることは、ママだけでなく赤ちゃんにとってもメリットがあるのだとか。

「ノルウェーでは1993年の育休改革によってパパの育休取得が増えました。その結果パパが育休を取得した場合、子どもが16才になったときの偏差値が1ほど上がったそうです。この研究を発表した著者は、パパの育休が短期間であっても、パパが子育てに熱心になった可能性を指摘しています」(山口先生)

パパが長期の育休を取るのはなかなかハードルが高いですが、1カ月程度でも効果があるそう。

「カナダ・ケベック州で、育休改革によって、パパの平均育休取得期間が2週間から5週間へと伸びたことがあります。育休取得後1~3年の期間に、パパが育児と家事に費やす時間を調べたところ、両方とも増えていたのです。つまり、1カ月程度の育休を取ることで、その後のパパのライフスタイルが変わり、家事・育児に積極的に取り組むようになったと言えます。
これは、私自身の経験からも実感できます。息子が生まれたとき、私はカナダで研究に専念しており、比較的時間が自由に使えたので、育休こそ取りませんでしたが、出産直後から妻と連携して育児をしていました。もともと子どもが苦手だったこともあり、赤ちゃんのお世話は戸惑うことばかりでしたが、お世話をしているうちに、息子への愛情がどんどん深まっていくのを感じました。小学校1年生になった今でも、その感情は続いているので、子どものお世話は何でもやるし、楽しむことができています」(山口先生)

パパの育休は”伝染”する!

少し前に、小泉進次郎環境相の育休取得が話題になり、賛否両論ありましたが、山口先生はどのようなご意見でしょうか。

「非常に社会的意義が大きいと思いました。ノルウェーの経済学者がパパの育休の広がり方を調べたところ、同僚や兄弟など近しい人が育休を取ると、育休取得率が11~15パーセントポイントも上昇したそうです。さらに上司が育休を取った際に部下に与える影響は、同僚が与える影響より2・5倍も高いという結果も出ています
小泉環境相の育休取得はほかの議員に影響を与え、それが公務員に広がっていき、続いて一般企業にも波及していく、ということが期待できます。
晩婚化が進む昨今、職場で責任ある立場になってからパパになる人も少なくないでしょう。そういうパパにこそ、積極的に育休を取ってほしいと思います」(山口先生)

2019年6月に発表されたユニセフの子育て支援に関する報告書では、OECDとEUに加盟している41カ国中、日本の給付金などの支援制度がある育児休業制度は、男性では1位という評価を得ています。制度から見ると、日本は「パパの育休先進国」なのです!
しかしとても残念なことに、「過去最高に高いパパの育休取得率」といわれた2018年でも6パーセント程度。非常に低い水準です。
前述のユニセフの報告書でも「実際に取得する父親は非常に少ない」と指摘されています。

「パパの育休は”伝染”します。一人の勇気ある行動が、その会社を『パパの育休が取りやすい』会社に変えていくのです。パパが育休を取るのが当たり前の企業風土が出来上がれば、『男が育休を取ったらキャリアに響くかも…』という不安を感じる必要もなくなりますよね。自分のため、同僚のため、後輩のために、パパも積極的に育休取得を検討してください」(山口先生)
(取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部)

パパの育休は、ママだけでなく赤ちゃんにとってもメリットがあるもの。せっかく充実した育休制度がある国で子育てをするのですから、「赤ちゃんが生まれたあとの家族の形」が思い描いたものになるよう、パパもぜひ育休を取りましょう!

■監修/山口慎太郎先生
(東京大学大学院経済学研究科教授)

慶應義塾大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士取得。専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」。初の著書である『「家族に幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』がサントリー学芸賞を受賞。

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