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子どもの脳や心にダメージを負わす「マルトリートメント」 乳幼児期のかかわり方がカギ

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笑顔かわいい面白い子供の女の子を抱きしめて笑う若い母
fizkes/gettyimages

“愛着障害”ってご存じですか? 子どもの健やかな成長には、日々のかかわりを通して、親子の愛着関係を築くことが大切ですが、愛着関係がうまく築けないと“愛着障害”を引き起こす子も…。愛着障害の原因や特徴、ケアの方法について、脳やココロにダメージを負った子どもたちの相談や治療に当たる、小児神経科医・友田明美先生に教えてもらいました。

言葉の暴力やネグレクトが愛着障害の原因に!

愛着関係とは、日ごろの子育てやかかわりを通して、子どもがママやパパ、養育者に信頼を寄せて絆(きずな)を深めていくことです。愛着関係の形成は0カ月から始まっており、「目と目で見つめ合う」「手と手で触れ合う」「ほほえむ」ことで愛着関係ははぐくまれていきます。
しかし子育て中に大人から子どもに対する避けたいかかわり“マルトリートメント”(以下マルトリ)を日常的に繰り返していると、親子の愛着関係が築けず愛着障害を引き起こし、人とコミュニケーションを図るのが苦手になったりする子も。そのため、日ごろから次のようなかかわり方には気をつけて! 

【子育て中にありがちなマルトリ】
①「本当にダメな子ね!」「やることが遅いわね!」と子どものことを頭ごなしに否定したり、「〇〇ちゃんはできるのに、あなたはできないの?」と比べたりして言葉で傷つける
②しつけのつもりでも、たたくなど暴力をふるう
③子育てに必要な声かけやかかわりをしない(ネグレクト)
④子どもの前で激しい夫婦げんかをしたり、ママ(パパ)の悪口を言ったりする

“うちの子、愛着障害!?”と思ったら…

愛着障害は、マルトリが習慣化すると起きやすい障害ですが、幼児期に見られる主なサインは次のとおりです。

【幼児期の愛着障害のサイン】
①他者に対して無関心になる、用心深くなる
②イライラして、すぐにかんしゃくを起こす
③多動傾向があり、落ち着きがない
④お友だちとトラブルを起こしやすい
⑤人見知りをまったくしない――など

もし「うちの子も愛着障害の傾向があるかも…」と気になるときは、まずは子育て支援機関で相談しましょう。たとえば地域の保健センターや子育て相談窓口を利用したり、乳幼児健診のときに医師や保健師に相談したりしてもいいでしょう。
マルトリは習慣化すると、ママやパパだけでは解決できないことが多いのですが、第三者の力を借りることで解決の糸口が見つかりやすくなります。
(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)

紹介した“子育て中にありがちなマルトリ”を見て、「私もやったことがある!」と不安になったママやパパは少なくないと思います。友田先生によると、マルトリはどんな家庭でも起こりうることで、気をつけてほしいのは習慣化してしまうとのことです。心配な場合は、まずは子どもとのスキンシップを意識して増やしてみましょう。時間がないときは“おふろに一緒に入る”“夜、一緒の布団で寝る”“手をつないで歩く”といったことでも十分だそうです。(取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部)


■監修/友田明美先生
(福井大学 子どものこころの発達研究センター 教授)

小児神経科医、医学博士。専門は、小児発達学、小児精神神経学。2009~2011年および2017年~2019年に日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループ共同研究日本側代表を務める。著書に「親の脳を癒やせば子どもの脳は変わる 」(NHK出版新書)、「実は危ない! その育児が子どもの脳を変形させる」(PHP研究所)、「脳を傷つけない子育て」(河出書房新社)などがある。

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