共働きなのに、育児にも家事も私ばっかりという現実を一歩でも変えるには?

仕事に育児に家事と、毎日ギリギリで働くワーママたち。それに引き替え、依然としてパパは仕事中心で「こんなに大変なのにどうしてわかってくれないの?」とイラついてしまうママの声がよく届きます。よき夫婦、よきパートナーとして関係を維持するにはどうすればいいのかママ臨床心理士の須山智子先生に聞きました。
パパにイラッとくるのは、愛情のバケツがカラカラだから
「パパに家事や育児を協力してほしいなら、お互いに感謝の言葉や笑顔を忘れない、とかよくありますよね。
それは確かにそうなのですが、自分がイライラしているときに、パートナーに笑顔で接することや感謝することはできないですよね。それは、そもそもママの愛情のバケツがカラカラに渇いていて、満たされていないから。まずは、ママの自分の愛情のバケツを満たすことが大切です」(須山先生)
では、ママの愛情のバケツはどうすれば満たされるのでしょうか?4つのステップがあるそうです。
【1】頑張りすぎている自分を認める
「夫との関係が悪くなるまで、ほとんどの人は自分が頑張りすぎていることに気がついていません。これくらい当たり前、大したことをしていないのに、どうしてこんなに疲れるのだろう、と思っているのですね。
ですから、まずは自分を客観的に見つめて、自分は毎日頑張っている、ということを認めることから始めましょう」(須山先生)
【2】1日にしていることをノートにこまかく書き出してみる
「どのように自分の頑張りを認めるかというと、自分が1日にしていることをノートに書き出してみてください。そのとき大事なのは、できるだけこまかく書くこと。たとえば夕食を作る、ということを書くときは、夕食を作るために献立を考える、必要な食材が家にあるか思い出す、たりないものをリストアップする、そのリストをもとに買い物に行く、子どもの相手をしながら野菜を切り…という具合に。1日にしていることを書き出してみると、すごくたくさんの仕事を自分はこなしている、と目で見て実感できます」(須山先生)
【3】自分を自分でほめてみる
「これだけの仕事をしていれば、疲れて当たり前だ!と自分の頑張りを認めてあげましょう。そうすれば、もっと自分を甘やかしてあげられるようになります。たとえば大好きなスイーツを買ったり、マッサージに行ったり、といったごほうび系でもいいですし、週に1回は夕食を総菜デーにするなど家事の負担を減らすルールを作るのでもいいです。もっと頑張らなくては、という気負いがなくなり、自分に優しくできるようになります」(須山先生)
【4】パパにも自分の頑張りを認めてもらう
「自分に優しくできるようになれば、愛情のバケツはかなり満たされるので、パパへのイライラも大幅に減るはずです。ここからは、家族であるパパにママの頑張り=負荷を理解してもらう必要があります。ただ、ここで自分の頑張りをアピールするだけだと、相手は自分が責められている、と感じてしまいます。
ですから、
■あなたを責めているのではない
■頑張りすぎて自分は疲れている
■まずは何かしてほしいわけではなく、頑張っているということを理解してほしい
ということを伝えてから、場合によっては、先ほどの頑張りノートを見せるのもよいでしょう。(須山先生)
まずは相手に対してわかってもらえないとイライラを募らせるのではなく、理解しあうための一歩を踏み出すのがよいのかもしれません。(取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部)
ちなみに“頑張りノート”は、子どもと一緒に書いて、お互いに頑張っているね、とほめ合うのもおすすめだそうです!
相手にイライラするとき、つい相手を変えようとしてしまいますが、まずは自分を変えることが大切、ということなので、そのように考えてみませんか。
■監修/須山智子先生
(臨床心理士)
カウンセラーとして夫婦関係と子育て相談を専門に活動中。2人の女の子のママでもあり、「『自分と家族にモテモテに』を合言葉に、夫婦がいつまでも仲よく、子どもに本物の愛を示せるママをめざす『ママモテ部』」を提唱しています。
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