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子育て支援住宅ってなに? どんな利点があるの?

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Rawpixel/gettyimages

子どもが健康にすくすくと育つために“子育てをする環境”は大事です。ここでの環境とは「人と人の関係性」、そして「人と“もの”との関係性」のことを指しますが、この“もの”のなかでも家は、子育てにおいてとても重要な役割を果たします。

最近では、家を工夫することで子育てがしやすい環境を作ろうという「子育て支援住宅」が注目を浴びています。今回は、不動産鑑定士の田井能久さんに子育て支援住宅について説明してもらいました。

田井 能久
不動産鑑定士・ロングステイアドバイザー
タイ・バリュエーション・サービシーズ
不動産鑑定士として25年のキャリアを持つ。各種セミナーを実施し、最近はマレーシアを中心としたビザの取得と海外移住のサポートを通して、トータルなライフプランの提案や資産コンサルティングも展開している。

子育て支援住宅ってなんですか?

子育て支援住宅とは、子どもたちや子育て家族が安心・安全な暮らしを送れるように、住宅自体はもちろん住宅の周りの環境にも考慮して作られた住宅のことです。

民間の企業では、赤ちゃんにも安心な材料を使って建物の設備や内装の設計を行うなどの工夫を凝らした住宅や、分譲地団地の道路をベビーカーが通りやすくし、歩行者専用道路を作るなどの周囲の環境を整備した住宅などを総称して「子育て支援住宅」と呼んでいるようです。
また地方自治体では、2016年から東京都が「東京都子育て支援住宅認定制度」を始めるなど、「子育て支援住宅」の基準を設けて積極的に普及に取り組む動きが見られます。この「東京都子育て支援住宅認定制度」で認定されるためには、「居住者の安全性や家事のしやすさ」に加え、「子育てを支援する施設やサービスの提供など」に取り組んでいる住宅であることが求められます。東京都が認定することで初めて「子育て支援住宅の認定を受けている」と名乗ることができますが、認定に当たり厳格な要件・認定基準が定められているため、実はまだ約1,000戸程度しか認定されていないのです。(2020年4月現在)

行政が定める基準に比べ、民間の基準はやや曖昧です。場合によってはほんの少しの工夫だけで堂々と「子育て支援住宅」を名乗っているケースもあるので、家選びの際には注意が必要かもしれません。

子育て支援住宅の特徴とは?

それでは、具体的にどのような住宅が、子育て家族に安心・安全な「子育て支援住宅」として認定されているのでしょうか。

まずは、東京都子育て支援住宅認定制度の基準に沿って見ていきましょう。

東京都が認定する子育て支援住宅の対象住宅の要件としては、
1:集合住宅であること
2:耐火構造の住宅、または準耐火構造の住宅であること
3:住戸の戸数が2戸以上であること
4:1戸の面積は50㎡以上(2LDKとかやや狭めの3LDK以上が相当)であること(例外あり)
5:耐震性に優れたものであること

などが定められています。

このため、東京都の認定制度において戸建住宅は対象外となります。また、単身者向けの木造アパートなども該当しないことになります。
また、共同住宅(いわゆるマンション)であることに加え、立地や設備、提供されるサービスや管理運営に関する条件などについて、さらに細かい基準があります。このように行政では、子育て家族の安心・安全な暮らしを担保するために詳細な基準を定めているので、行政に認定された「子育て支援住宅」は比較的安心して住める住宅と言えるでしょう。

行政で定める基準は相当に細かいため、それらの基準をすべて満たすよう民間に求めるのはなかなか大変です。民間の住宅であっても、子育てにおいて安心・安全な住宅であるためには以下のような項目が満たされていることが望ましいでしょう。

1:子どもの安全を考慮し、床がバリアフリーになっている
2:ベビーカーが通りやすいように通路を広くとっている
3:床が滑りにくい素材である
4:台所から室内の様子が見える、対面式キッチンになっている
5:家族が増えるなどに対応し、部屋の間取りが変更しやすい

さらに、立地条件として以下のものを満たすのが望ましいです。

1:幼児が歩いていける距離に公園や子育て広場や集会場が近くにある
2:子ども向けの病院や診療所が近くにある
3:子連れでも親が楽しめる設備が充実している

東京都の基準を満たすマンションでなければ安心・安全な子育てができない、ということはないかと思いますが、子育て家族が家を選ぶ際、設備や立地に関しては上記の条件を満たすことが望ましいでしょう。家を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

また、近頃では共働きの家庭も多いため、パパやママにとって仕事が続けやすい環境を提供する住宅(例えばテレワーク設備や託児所が近くにある、または住宅内に備えられているなど)も子育て支援住宅としての条件になってくるかもしれません。

参照:東京都住宅政策本部「東京都子育て支援住宅認定制度」

補助金や助成金による子育て支援の紹介

公共の子育て支援としては、認定という“お墨付き”を与えることで、子育て家庭にとって安心・安全な住宅の普及を図ろうとする事例が多いですが、それ以外にも個人が購入する際のローンに対する利子補填や、現金給付による子育て支援が行われる場合もあります。

利子補給による子育て支援の例として、大阪市では、住宅ローンに対して年0.5%以内、5年間の利子補給を行う制度があります。また、現金給付による子育て支援の例としては、茨城県筑西市で市内に住宅(新築又は中古)を取得し定住した若者・子育て世帯に対し、定住の奨励金として1世帯あたり50万円を交付していることが挙げられます。
ただし、どちらの市も一定の要件を満たす場合のみに適用される制度であるため、申請すれば必ずもらえるわけではありません。
ですが、要件さえクリアすれば支援を受けることによる金銭的なメリットは大きいため、お住まいの地域の市役所や区役所で詳しく調べてみることをおすすめします。

今回は子育て支援住宅について、その設備や立地の基準とこれに関連する補助金などもご説明しました。ただし、子育てに大事なものは必ずしもこのような数字やデータで表せるわけでなく、家庭ごとに異なる「親と子どもの双方にとって、快適に暮らせる心地よさ」であることは間違いありません。
それでも、制度を知ったうえで取捨選択することと、知らないままでいることは大きく違うはずです。
安全・安心で子育てしやすい住宅とはなんだろうと考え、その答えを見つけるヒントになれば幸いです。

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