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専業ママの再就職の強い味方!「ママインターン」って知ってる?

女性グループのコーヒーショップ
nikoniko_happy/gettyimages

子育て真っ只中に再就職、最初の一歩をどう踏み出すべきか…。

今回は子育て中の女性たちの再就職をサポートしているNPO法人ArrowArrow(アローアロー)代表理事の海野千尋さんに、そのサポート体制や、今までサポートしてきた女性たちのことについて、お話を聞きしました。

「フルタイムは難しいけど働きたい」というニーズに応える【ママインターンプロジェクト】

「出産後も働き続ける制度は、大企業ではできあがりつつあります。でも、中小企業ではまだ十分ではありません。私たちが目指しているのは、日本の企業数の99%を占める中小企業の女性の働き方を向上させること。そのためには、経営者も当事者もマインドを変えることが必要だと思っています」と、海野さん。

この考えのもと、ArrowArrowが自治体との協働事業で始めたのが「ママインターンプロジェクト」です。「家事や育児と両立できる働き方をしたい」「仕事から離れた期間が長いので心配」という子育て中の女性と、「求人募集しても人が来ない」「社会人としての経験やマナーを身につけている人に来てほしい」「長く働いてほしい」と考える企業側を結びます。インターンとして実際に会社で職場体験をして、ママと企業、お互いが合意できれば、再就職できるというものです。

「東日本大震災後、『子どもの近くで働きたい』『何かあった時に歩いて帰れるところで働きたい』というニーズが増えました。
それに、『小学生の我が子が家に帰る頃、自分も家に戻れるよう1日5〜6時間勤務にしたい』という希望があってもよいと思うのです。
でも、短時間勤務での再就職は厳しいのが実状ではないでしょうか。

一方、企業側の声を聞くと、求人媒体に情報を出して複数応募が来ても、実際に面接に進むのは1人、後は連絡すらとれない、というケースもあるそう。確実に働いてくれる人に出会いたいと願っているのです」

採用のためにはお金や時間もたくさんかかりますよね。

「そうなのです。そして、結婚や出産までに5〜10年程度働いた経験があり、社会人としての常識を身につけている方はたくさんいます。時間的制約さえなければ、再就職できるような人ばかりなのです。

ただ子育て中の女性たちの傾向として、仕事から離れている期間が長かったので自信がないという人が多く見られます。そのため、雇用側と働く人をマッチングさせるだけでなく、『私に働けるだろうか』という不安をなくすことも、ママインターンプロジェクトの目的としています」

ママインターンプロジェクトでまず行うのは、自分にできることの再確認

ママインターンプロジェクトとは、実際にどんなことをするのでしょうか。

「参加の条件はシンプルです。就業経験があって再就職したいという気持ちを持っていること、そして働くことになった時のお子さんの預け先を確保できることです。これらの条件を満たしていれば、働いていた期間や内容は問いません」

自治体が主催するケースは参加が無料で、開催場所によっては子連れでの参加も可能だそう。

「まずは、1回3時間程度のワークショップに3日間参加します。ここでは、再就職に向けて何かスキルを身につけるというよりも、自分にできることを見える化したり、自分のことを言語化したりする時間となります。

1日目は、子育てを通して自分が得たスキルを見つけます。私は子育て中は『マイナスなブランク』ではないと思っています。だから、子育てで身についた力を自ら言語化して発表し、みんなでシェアをします。

2日目は、今までの時間の使い方を見直し、今何を不安に思っているのかを言語化してもらいます。やってみなければわからないのであれば、それをそのまま言ってOK。課題がわかれば解決策を考えられるようになるので、何が課題なのかを見つけるのです。

3日目は、インターンに向けての実践型ワークショップを行います。職場で子育て中の人がどのように見えるのか、どういうコミュニケーションをとるといいのかなどについてロールプレイし、視点を変えるワークショップを通して、みんなで話し合います」

ワークショップに参加するみなさんに、変化はありますか?

「不安そうに参加されていた方の表情は、すごく変わりますね。『みんな、同じように不安なんだ』『同じ地域に仕事を探している人がこんなにいるんだ』ということがわかって、気持ちがラクになるのだそうです。
そして、ワークショップのあと、希望した職場へインターンに行きます。1日数時間、2〜6回程度ですね。そしてうまくマッチングできたら、再就職となります」

同じ気持ちや状況の人がいるとわかるだけでも、安心できますよね。一緒に課題を見つけたり、解決策を考えたりしてからインターンに臨むのは、再就職に不安がいっぱいある子育て中の女性たちにとって、心強いと思います。
ママインターンプロジェクトを始めて6年とのこと。参加したママや企業から、どんな声があがっているのでしょうか。

「企業からは、ウェルカムな声をいただくことがほとんどです。職場体験1日目で『すぐにうちで働いてほしい』と言われることも。また、『きちんと見定めることができました』という感想も聞きます。

一方、子育て中の女性たちからは様々な感想が届きました。『働くってこういうことだったんだ、と思いだしました』『疲れました』『思いの外、通勤が大変でした』という率直な声、『行ってみてもっとPCスキルが必要だと思いました』『両立をするのであれば、これまでの生活の中でどんな時間を削るか考えないと』という方も。

これまでの成果として、インターンに行った企業で働き始めた人が最も多いです。ほかにも、インターンをきっかけに再就職の気持ちにさらに火がつき、『時短勤務ではなくフルタイムで働きたい』という理由でインターン先を辞退し、別の企業にフルタイム勤務で再就職した方もいます。少数ですが、働いてみて『まだ今のタイミングではない』と思った方もいました。でも、それに気づけたことが前進ですよね」

雇用側も悩んでいる。歩み寄りと思いやりが必要

再就職をしたあとに悩むのが、家庭と仕事の両立。子育て中の女性の気持ちと企業の考え、両方を聴きながら再就職サポートをしている海野さんに、両立中の「働き方」について聞きました。

「実は、企業側から『子育て中の女性たちが働くときにどんなことを留意したらよいのかわからない』と言われることもあります。
私たち団体から企業に『子育て中の女性がどんな働き方を望んでいるか』実際にいただいた声を伝えることはあります。
『長く働きたいと思っていますが、子どもが小学生のうちは短時間勤務が可能ですか』『子どもの病気などで、遅出や早退などの可能性がありますが、大丈夫でしょうか』『必要に応じてテレワークは可能ですか』などですね。

ご自身が働き始めて悩んでいることがあれば周囲のメンバーや上司など、相談しやすい人に言ってみてほしいです。

相談するときは要望を言うだけでなく、自分にはこんな準備や覚悟があるという姿勢で、もしもの時にどう動く予定なのか伝えられるようにしておくことが大事です。
たとえば、子どもが熱を出して数日仕事を休まなければならないとき、仕事をどうするか、あからかじめ考えて準備しておくなど。

そして、働き方を融通してもらえたのなら、感謝をするのはもちろんのこと、『自分が助けてもらうことになるからこそ、助けを求めているメンバーがいたら、率先して手をあげる』といった行動で示していくようにしましょう」

自分の悩みを解決するということは、自分のためだけでなく、会社のため、ほかの社員の働き方の改善や進化につながることもあるのです。

ママインターン参加者エピソード

最後に、これまでママインターンプロジェクトに参加した人の実例を教えてもらいました。

【在宅勤務をセレクト】

「お子さんの体調の状況により在宅を希望していたAさん。もともとPCスキルが高いこともあり、ママインターンプロジェクトを経てある会社の営業事務や経理、台帳管理などを在宅で請け負う仕事を始めました。
その会社では、在宅勤務の事務職はAさんが初めてだったそう!Aさんはその後、お子さんの成長に伴って、現在は複数の地域企業から在宅ワークを引き受ける働き方に変化し、働く時間を増やしているのだそうです」

【子どもの成長に合わせてWキャリア】

「Bさんは、もともと教育関係の補助的な仕事を週1日でサポートしていました。その後、小学校低学年だったお子さんが成長し時間的に余裕が生まれたため、ママインターンに参加。”複業”としてママインターンを通して地域の企業で働くこともやってみるようになったそう。仕事というとどこか1企業に所属すると思いがちですが、あえて複数の企業で仕事することを選んだのです。それにより、子どもの成長に合わせて仕事量の増減をしやすい働き方を手に入れました。

最初は短めの勤務時間からスタートし、自分や家庭の都合に応じて、複業として仕事を増やすという働き方も、今後、増えていくのではないでしょうか」

【今後の起業を念頭にママインターンプロジェクトに参加】

「将来プチ起業を考えているママが、ママインターンプロジェクトに参加した事例もありました。自営業は収入が不安定になりやすいので、固定収入が得られるよう、空いている短い時間で他社の業務をしたいという考えだと思います」

「『週に2〜3日、1日5~6時間程度で働きたいな』『働きたいけれど、ブランクが心配』『働きたいけれど、何から始めていいかわからない』という人は、結構いるんです。
ママインターンプロジェクトは、そんな人が何かアクションを起こすきっかけになればいいと思っています。

『仕事をしたいと周囲に言っても、共感してくれる人はいなかった。でも、ママインターンプロジェクトに参加して、同じ地域に子育てしながら働きたいと思っている人がこんなにいたとわかって嬉しかった』『ワークショップ中に何度も自分のことを問われて、自分を整理するいい機会になった』という声もいただいています。

企業からは、『社会人の基礎があることは大切。子育て中の女性たちは、それを大事なことだと思えていないようだけれど、まったく業務経験がない人と比べるとその差は明確。たとえば新卒入社の社員の場合は電話の仕方やFAXの送り方から教えなければいけないけれど、社会人経験がある人ならすぐに任せても安心していられます』ということを聞きました。

まさに、『それだけ子育て中の女性たちにはスキルがあるんだよ』と伝えたいですね。
働くことをあきらめたくなければ、一歩踏み出してほしいですね。働き方も、働く時間も、内容も、それぞれでいいと思います」

自分が希望する働き方は、一歩踏み出すことで、実現することもあるのですね。「仕事から離れて、もう何年…」とネガティブに考える前に、今、自分ができることを探してみませんか。

NPO法人ArrowArrow(アローアロー)
仕事も子育ても両立したい。そう望んでいる人のために様々なサポートを行う。企業向けに、産育休取得前から復帰前後までの一括サポートも実施。

http://arrowarrow.org

ママインターンプロジェクト http://momintern.com

(文・橋本真理子/bizmom編集部)

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