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【新型コロナ】欧米で新型コロナに感染した子どもに川崎病的な症状、日本のエキスパート医師の見解は?

※写真はイメージです
Sasha_Suzi/gettyimages

欧米で、新型コロナウイルスに感染した子どもに川崎病に似た症状が出ていると報道され、話題になりました。川崎病は乳幼児に多い病気なだけに、心配になるというママやパパも多いのではないでしょうか。そこで「ひよこクラブ」では、川崎病に詳しい東京都立小児総合医療センター副院長の三浦大先生に、新型コロナウイルスと川崎病の関係について、2020年6月7日時点でわかっていることを聞きました。

近年患者が増えている川崎病。日本では、新型コロナと川崎病の合併の報告はない

――欧米で新型コロナウイルスに感染した子どもに、川崎病に似た症状が出ていると報道されました。この状況について教えてください。

三浦先生(以下敬称略) アメリカ・ニューヨークでは、新型コロナウイルスに感染したあと、川崎病のような症状が現れた子どもが、100人を超えたといわれており、ヨーロッパでも同様の症状が相次いで確認されています。こうした状況を受け、5月15日、WHOのテドロス事務局長が、新型コロナウイルス感染症と川崎病に似た症状との関係を探る調査を強化する方針だと発表しました。

――欧米では新型コロナウイルスと川崎病の関連は、軽視できない状況になっているんですね。日本はどうなのでしょうか。

三浦 欧米各国で川崎病に類似した症状を示す子どもが増えているのを受け、日本川崎病学会は、今年2月~4月の川崎病の発生状況、重症度について、全国の川崎病専門医にアンケートを実施しました。その結果、川崎病の患者数、重度の川崎病の患者数ともに平年並みか、平年より減少したと回答する医師が多く、「増加している」という回答はありませんでした。
また、日本では子どもの新型コロナウイルス患者はいずれも軽症です。欧米で見られるような、川崎病に似た重症例は報告されていません。
川崎病と新型コロナウイルスとの関連は明らかになっていませんが、日本では、新型コロナウイルスと川崎病の合併について、今のところ神経質にならなくて大丈夫です。

川崎病は血管に炎症が起こる原因不明の病気

――そもそも川崎病とはどのような病気なのでしょうか。

三浦 川崎病は1967年に、日本人医師の川崎富作先生が初めて報告した乳幼児に多い疾患。発熱を伴い、全身の血管に炎症が起こる原因不明の病気です。日本では、乳幼児の約70人に1人の割合で発症するといわれています。

――日本での発症率は結構高いですよね。川崎病になると、どのような症状が現れますか。

三浦 1発熱、2体に赤い発疹ができる(BCG接種部の発赤を含む)、3唇が赤くなり、舌がいちご状にブツブツになる、4白目が充血する、5手足が赤く腫れ、解熱後に指先の皮がむける、6首のリンパ節が腫れる。この6つが特徴的な症状です。日本中の小児科医が使っている川崎病の診断の手引きでは、この6つのうち5つ以上の症状が見られたら、川崎病と診断します。
でも、4つ以下でも川崎病の症例はあるため、「熱が出たら川崎病を疑え」は、現在日本の小児科医の鉄則の1つとなっています。川崎病と診断されたら、冠動脈瘤の発生を最小限に抑えるために、入院治療を行います。

欧米の症状は川崎病の重症タイプの可能性が

――なぜ欧米では、川崎病に似た症状が現れたのでしょうか。

三浦 川崎病は原因不明で、新型コロナウイルスもわからないことが多いので、現時点では確かなことは言えません。しかし、新型コロナウイルスと闘おうとして免疫系が過剰に活発になり、血管に悪影響を及ぼして炎症が起き、川崎病に似た症状が出ている可能性はあるでしょう。川崎病の重症タイプかもしれません。
川崎病の重症タイプは「川崎病ショック症候群(KDSS)と呼ばれ、通常の川崎病より症状が重く現れます。新型コロナウイルスの感染が始まる以前から、KDSSは欧米で多いことが知られていました。
日本と欧米で発症に違いがあるのは、現段階では何とも言えませんが、人種的な違いが反映されている可能性もありますね。

家庭内に新型コロナを持ち込まないことが大切!!

――近年、日本では川崎病の患者が増えていますが、川崎病にかかったことがある子どもは、新型コロナウイルスにかかりやすい、あるいは、その逆でかかりにくい、といったことはあるでしょうか。

三浦 川崎病は原因不明の病気なので何とも言えません。ただし、「川崎病の患者は免疫力が強い」というのが私の持論。この持論に基づけば、「新型コロナウイルスをはじめとする感染症にかかりにくい」と考えられるかもしれません。もちろん油断は禁物です。

――神経質になる必要はないけれど、油断もしてはいけないということですね。新型コロナウイルスと川崎病との関連で、ママ・パパが注意すべきことはありますか。

三浦 子どもが高熱を出したとき、「機嫌が悪い」「ぐったりしている」「顔色が悪い」などが見られたら、急いで病院を受診してください。新型コロナウイルスの感染だけではなく、川崎病、敗血症、心筋炎など重い病気の可能性があるからです。

――新型コロナウイルスとほかの病気では、病院での対応が違うと思います。子どもが発熱した場合、ママ・パパはどのように行動すべきでしょうか。

三浦 子どもが新型コロナウイルス感染症を発症する場合、ほとんどの原因は家族からの感染です。家族に感染者がいる場合は、病院にそのことを告げ、新型コロナウイルスの検査を受けてください。子どもが通っている保育園・幼稚園、小学校に新型コロナウイルスの感染者がいる場合も同様です。
一方、子どもの周囲に新型コロナウイルスの陽性者がいない状況であれば,感染の可能性は低いといえます。ほかの病気を想定し、通常通り病院を受診してください。

――川崎病は今後、新型コロナウイルスとの関連で研究が進められていくと思いますが、それをきっかけとして、川崎病の原因が解明されることはあるでしょうか。

三浦 新型コロナウイルスの症例の分析が、川崎病の原因解明の一助になることはあり得ますね。これを機に、川崎病の研究が進むことを期待しています。
現時点では、新型コロナウイルスも川崎病もわからないことが多いですが、過剰に神経質にならないでください。
今必要なのは、家族全員が新型コロナウイルスへの感染予防を徹底すること。
緊急事態宣言は解除されましたが、今まで通り、感染予防対策を続けることが最も重要です。

お話・監修/三浦大先生 聞き手/東裕美、ひよこクラブ編集部

新型コロナウイルスと川崎病の合併については、現在では過度に心配する必要はなさそうです。が、子どもが発熱したときは様子をよく観察し、「おかしい」と感じたらすぐ病院に行くという、普段と同じ対応を行いましょう。

三浦 大先生
Profile 
東京都立小児総合医療センター副院長 専門分野は先天性疾患、川崎病。川崎病の診断・治療・予後の注意点、発見のエピソードを巡る小説など、川崎病のすべてを一般の方にわかりやすく解説した著書『川崎病 増え続ける謎の小児疾患』(弘文堂)が好評。

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