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「親の介護は突然にやってくる」遠距離介護を乗り切るためのポイント7つ

車椅子のシニア男性
byryo/gettyimages

実家から離れて暮らしていて、親に介護が必要になった場合にはどう対応すればいいのでしょうか。今回は、遠距離での介護においてぜひ知っておきたいポイントを自身も遠距離介護をした経験を持つファイナンシャル・プランナーの前佛朋子さんに紹介してもらいました。

前佛 朋子(ぜんぶつ ともこ)
ファイナンシャル・プランナー (CFP®認定者)、ライター、整理収納アドバイザー
家計コンサルティングZEN 代表
家計見直しと暮らしの整え方を伝える相談室

ライターとして活動していたが、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。お金と暮らしの整え方を伝授して不安を安心に変えるサポートを行う。家計見直し、家計診断、ライフプランの他、遠距離介護の相談も受けている。

遠距離介護になる前にやっておきたいこと

親の介護は突然やってきます。足をケガしたことがきっかけで動けなくなり、介護が必要となる場合も少なくありません。また、電話での会話から「なんとなく話し方が変だな」と感じ、病院で診てもらったら認知症を発症していたというケースもあります。

実際、筆者の母は足をケガしたことがきっかけで調子が悪くなり、ある日突然歩けなくなりました。ほんの10日前に帰省して元気な姿を見ていた後だっただけに、最初は信じられませんでした。介護の始まりは本当に想定外なのです。

介護は突然起こることだからこそ、遠方に住んでいる場合は普段から親と電話でコミュニケーションを取り、変化に対して敏感になっておくことが大切です。

また、兄弟姉妹がいる場合は、親の介護について話し合う機会を持っておきましょう。介護はどうしても実家の近くに住む人の負担が大きくなります。最初は責任感でがんばれても、そのうち疲れが出てきます。介護をする人が不公平さを感じやすくなることも少なくありません。そんな状況を避けるためにも、お互いが納得できる役割分担を話し合っておきましょう。

もう1つ、大事なことがあります。それは、介護保険制度の内容を知っておくことです。これは親も子どもも知っておく必要があります。少なくとも、親の様子がおかしいと思ったときの相談先は調べておきましょう。介護に関する相談先は、親が住んでいる地域の「地域包括支援センター」がおすすめです。ここは介護をはじめ、高齢者の暮らしに関する相談ができるところです。連絡先は、自治体のホームページで確認しましょう。

スムーズに遠距離介護を進めるための7つのポイント

離れて暮らす親に介護が必要になったら、誰かが24時間付きっきりで介護をしなければいけないと思いがちです。しかし、必ずしも必要とはかぎりません。日本には介護保険制度があり、高齢者の状態に合った介護サービスを受けられるからです。
ここでは、スムーズに遠距離介護を進めるための7つのポイントについてお伝えします。

1)介護保険サービスの活用

遠距離介護は、介護保険サービスを利用すれば乗り切れる可能性があります。介護保険サービスを受けるためには、まず要介護認定を受けます。申請の際は、実家のある地域の「地域包括支援センター」へお願いしましょう。まず、認定調査を受けます。この調査はできるだけ同席し、親の状態や遠距離介護になることを職員に伝えましょう。調査後30日以内に要介護度が決まり、担当のケアマネージャーがケアプランを作成し、介護保険サービスが受けられるようになります。

介護保険サービスには、ホームヘルパーが家に来てくれる居宅サービス、施設に通う通所サービス、施設に入所する施設サービスがあります。サービスの利用は、担当のケアマネージャーに相談しましょう。家庭の状況に応じた最適なサービスを提案してくれます。遠距離介護では介護保険サービスに頼ったほうが安心です。親のことだからと自分で抱え込むのではなく、介護保険サービスを十分に活用しましょう。

2)周囲との連携

遠距離介護では周囲との連携が不可欠です。担当のケアマネージャーとは連絡先を交換して、いつでも相談できる状態にしておきましょう。また、近所の人や民生委員にも声をかけておき、何かあったときに連絡をくれるように手配しておくと、なお安心です。

3)介護費用は親のお金で

これは大事なことですが、親の介護費用は親の年金や貯金を活用するのが得策です。遠距離介護の場合、介護に関われないことを引け目に感じ、お金を負担することが親孝行と考える人もいます。けれども、子どもが介護費用を負担してしまうと、子どもの家庭が経済的に困窮することになるかもしれません。原則として、親の介護費用は親のお金で賄うようにしましょう。できれば親が元気なうちに、介護になったときの費用負担について話し合いの場が持てるとよいですね。

4)交通費の節約

遠距離介護で経済的な痛手になるのが、帰省する際の交通費です。高速バスを利用すれば、交通費を抑えられるでしょう。とはいえ、実家の場所によっては飛行機や新幹線での移動の方が速いかもしれません。

飛行機を利用して帰省する場合、日本航空と全日空では「介護割引」が利用できます。
○日本航空:介護帰省割引
○全日空:介護割引
利用する際には情報登録など必要な手順がありますので、各航空会社のホームページで確認してください。

ただ、航空運賃は早期割引運賃や格安航空会社を利用するほうが安い場合があります。事前に航空運賃を調べて、いちばんお得な方法を選んでくださいね。

鉄道は残念ながら介護割引はありません。ですが、お得な切符を販売している場合もありますので、鉄道会社のホームページで調べてみましょう。

5)介護休業を利用する

国が施行する改正育児・介護休業法では、配偶者や父母などが要介護状態になった場合、対象家族1人につき通算93日まで「介護休業」を取得することができます。その際、年間3回まで分割で取得することも可能です。遠距離介護では、まとまった休みが取れたほうが介護しやすいかもしれません。その場合は、介護休業の利用も検討してみましょう。

6)介護費用を立て替えたときの対処法

基本的に介護費用は親のお金を使いますが、状況によっては費用を立て替えることがあるかもしれません。特にお金に関しては、兄弟姉妹の間でもめ事が起こりやすいものです。そんな状況を避けるために、立て替えた費用をノートに記録しておきましょう。レシートや領収書も一緒に貼っておけば、立て替えた証拠にもなります。

7)認知症の病状を知っておく

離れて暮らしていて、ときどきしか会う機会がないからこそ、親の変化には気づきやすいものです。主な認知症の症状を知っておくと、いざというときに役立ちますし、早めに物忘れ(認知症)外来にかかることができます。

介護費用が高額になるのが心配なときの対処法

介護保険サービスを利用すると、通常は1割負担(※現役並みに所得がある人は2割もしくは3割負担)で済みます。とはいえ、たとえ1割負担だったとしても、多くのサービスを利用したら、その分利用料が高額になってしまいます。

でも心配しないでください。介護保険では「高額介護サービス費」という助成制度があります。高額介護サービス費とは、1ヶ月間に支払った介護保険サービス料の合計額が高額介護サービス費の自己負担上限額を超えた場合、申請することで、超えた分の払い戻しが受けられるというもの。一般世帯と現役並みの所得がある人がいる世帯の場合、自己負担上限額は44,400円となっています。この額を超えたら、超えた分が払い戻されるということです。1ヶ月にかかる介護費用の上限がわかると安心ですね。

ただし、注意点もあります。介護保険サービスには1ヶ月の利用限度額が設定されていて、もしその限度額を超えた場合は全額自己負担になります。高額介護サービス費は、全額自己負担になったサービス費は対象外となることは留意しておいてくださいね。

※ここに書かれている情報は、2020年7月16日現在のものです。

遠距離介護になったときのために、あらかじめ親とコミュニケーションを取っておくことは大事です。そして、もし親が要介護状態になったときは、ご紹介した7つのポイントをもとに、無理のないよう介護する親と他の家族と関わっていけたらいいですね。

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