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他の感染症にも注意【新型コロナ】秋以降の子どもの感染で気を付けたいこと【小児科医】

薬のマスクでウサギの柔らかいおもちゃで遊んで小さな女の子
※写真はイメージです
lithiumcloud/gettyimages

長引くウィズコロナの生活。秋は、どんなことに気をつけながら感染対策をしていくといいのでしょうか。帝京大学医学部附属溝口病院の小児科医・黒澤照喜先生に、8月23日の時点でわかっていることを踏まえながら、話を聞きました。

新型コロナウイルスは秋以降、さらに感染拡大が懸念されるも予測は困難

3月に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、小学校・幼稚園などが一斉休校・休園となりました。それから私たちは、ずっとウイルスの脅威にさらされていますが、この先一体どうなるのでしょうか。

新型コロナと従来のコロナの活動時期が同じかわからないことが感染予測の壁に

――新型コロナウイルスは、秋に流行がさらに拡大するとも予測されていますが、今、わかっていることを教えてください。

黒澤先生(以下敬称略)インフルエンザウイルスは冬、手足口病の原因となるエンテロウイルスやコクサッキーウイルスは夏など、ウイルスには活発に活動する季節があります。
風邪の原因となる従来のコロナウイルスは、冬から春先に活性化します。そのため新型コロナウイルスも、秋・冬になるとさらに活性化するのではないかと考えられています。
しかし2009年には、新型インフルエンザウイルスが夏に流行したことがあるように、免疫を持たない集団に対する感染では、どのような季節に流行するか予測がつかないこともあります。
したがって新型コロナウイルスも秋・冬に感染が拡大する恐れがありつつも、正確なことはわかりません。

新型コロナのワクチン開発は、急ピッチで進められているからこそ問題点も

――新型コロナウイルスのワクチンの開発状況についてわかっていることを教えてください。

黒澤 今は、各国がしのぎを削ってワクチン開発を進めていて、2020年8月現在、最終の試験に入ったワクチンもあるとのことです。
ただし本来ワクチンは、10年以上かけて開発されるものです。新型コロナウイルスのワクチンが承認されたとしても次のような問題点があります。

【有効性】 
感染予防効果の期間や持続性が、開発段階ではわからないことが多い。また効率のいい免疫獲得のために複数回の接種が必要になることもある。

【安全性】
副反応(副作用)については、市販されてから判明するケースもある。

【コスト】
ワクチンの費用が高すぎると、予防接種料金が高くなることも。

【供給本数】
全世界が必要としているワクチンのため、生産本数には上限が。需要が追いつかない可能性もある。

【接種対象者】
供給本数などと照らし合わせ、リスクが高い人を中心に接種を行う可能性がある。

以上のような問題点が考えられるので、最初に出てきたワクチンが必ずしも最良であるとは言い切れません。

今、私たちにできるのは、ポイントを押さえた新しい生活様式を送ることです。ママやパパには、この秋は「体調管理」「メンタルヘルス」「コロナ以外の風邪
の予防」の3つのキーワードを意識してほしいです。

【Point1】部屋の換気をしながら、体調管理に気を配る

急に涼しくなったり、夏の疲れが一気に出たりして、秋は体調を崩しやすい季節です。コロナ禍のなかでポイントとなるのが、換気のしかたです。

新型コロナ予防に換気は有効ですが、風邪などには十分注意を

――夏は新型コロナウイルスの感染予防と熱中症対策の両立がカギとなりました。秋からのコロナ対策は、どんな点に注意するといいでしょうか。

黒澤 ポイントは換気のかたです。新型コロナ対策には、換気も有効なので可能な限り常時、窓を開けて換気をしましょう。1部屋に対してできたら2方向の窓を開けて、風の入り口と出口を作ってください。常に換気をするのが無理なときは30分に1回以上もしくは数分でもいいので、窓を開けて換気を繰り返しましょう。
エアコンは、室内の空気を循環しているだけで、室内の空気と外気の入れ替えを行っているわけではありません。エアコン使用時においても換気は必要です。
ただし秋になると急に涼しくなったり、雨が降る日も増えたりします。そんなときは換気によって室温が下がりすぎないように気をつけてください。体調を崩す原因になります。

【Point2】メンタルヘルスと感染対策のバランスをとる

ウィズコロナが長引くなかで、心配されるのがママやパパのストレスです。“コロナうつ”が増加しているとも言われています。

たまには気晴らしも大切! ただしマスクの着用など基本的な予防はしっかりと

――「子どもがいると、ずっとステイホームは無理!」という声も聞かれます。新型コロナウイルスの感染対策について、あらためて教えてください。

黒澤 緊急事態宣言のときは「8割、人と接触しない」という目標を掲げ、新型コロナウイルスへの感染を抑え込もうとしました。しかし実際に患者数は減ったものの、感染を抑え込むには至りませんでした。
ウィズコロナは、まだしばらく続きそうです。そのため感染予防とメンタルヘルスのバランスを考えていく時期だと思います。具体的には
1.3密を避ける
2.マスクを着用する
3.手洗いや手指消毒を十分に行う
ことで、感染リスクはゼロにはできないもののだいぶ減らせることがわかっています。
参考までに2020年8月現時点では、以下のような感染対策が推奨されています。
1.県境を越える不要不急の移動はなるべく控える
2.3密の場所には行かない
3.会食は控えめに
(とくにお酒を飲みながら対面で、大声で話すと感染リスクが高くなる)
4.体調不良のときは、外出や人との接触を控える
5.マスクとこまめな手洗いは必須

新型コロナウイルスに慎重になるのは、自身の感染予防と周囲への感染拡大を防ぐためにはとても大切なことです。しかし過度に恐れて、家にこもってばかりいるとストレスやうつ、孤立が心配されます。メンタルヘルスと感染対策のバランスをぜひ考えてください。

【Point3】新型コロナだけを心配せず、RSウイルス感染症などにも注意する

新型コロナウイルスだけを注意しているママやパパもいますが、乳幼児の場合は新型コロナウイルス感染症より怖い病気があります。その1つがRSウイルス感染症です。

新型コロナよりも乳幼児が重症化しやすいのはRSウイルス感染症

――新型コロナウイルス以外に、秋に気をつけたほうがいい病気はありますか。

黒澤 RSウイルス感染症です。RSウイルス感染症は、かつては秋から冬に流行していましたが、近年は夏に流行しています。しかし今シーズンは8月時点で流行が見られないので、秋から冬に流行する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症は高齢者を中心に重症化しますが、RSウイルス感染症は、とくに乳児が重症化しやすいです。「ゼーゼー」とぜんそくのような呼吸になり、重症化すると細気管支炎や肺炎を併発して、入院が必要なケースもあります。そのため、とくに赤ちゃんでは鼻水、せき、発熱などの症状が見られたら、早めに小児科へ。
予防は、新型コロナウイルス対策と同じで構いません。ママやパパは手洗い、マスクの着用、3密を避けた行動を心がけてください。

新型コロナかどうか悩んだときは、かかりつけの小児科に電話で相談を

――RSウイルス感染症や風邪など、新型コロナウイルス感染症と見分けがつかない症状の場合、どのように受診したらいいのでしょうか。

黒澤 受診方法をかかりつけの小児科のホームぺージで確かめたり、電話で確認したりしましょう。
電話をして、新型コロナウイルスの感染リスクが高いと判断された場合は、かかりつけ医では対応できないこともあるので、ほかの医療機関が紹介されることもあります。また家庭で様子を見るようにアドバイスされることもあるでしょう。医師の指示に従ってください。
とくにRSウイルス感染症は、低月齢の赤ちゃんや呼吸器の弱い子、先天性心疾患のある子などは注意が必要です。初期は、軽い風邪と似た症状ですが、悪化するスピードも速いので早めの受診が大切です。

お話・監修/黒澤照喜先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

「夏休み、新型コロナの感染対策でどこにも行かなかった!」というママやパパがいる一方で、ニュースなどを見ているとお出かけをして楽しんでいる家族も。感染対策の線引きに悩むママやパパは多いと思います。黒澤先生は「どちらが正しいというものではないけれど、マスク着用などの基本的な対策をしっかりしたうえでストレスを発散することも時には必要です」と言います。ウィズコロナは長期化が予測されるからこそ、感染予防プラスαの新しい生活様式が求められています。



黒澤照喜先生(くろさわてるよし)
Profile
帝京大学医学部附属溝口病院・小児科。小児科医。東京大学医学部卒業。都立小児総合医療センターなどを経て、現在は帝京大学医学部附属溝口病院小児科に勤務。3人のお子さんのパパ。

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