子どもと一緒に楽しもう!初心者向けベランダガーデニングのポイント
一戸建ての広い庭がなくても、マンションのベランダで十分ガーデニングは楽しめます。マンションならではの注意点や、子どもと一緒に簡単且つ手間をかけずに楽しめるベランダガーデニングのポイントをガーデンデザイナーの居場英則さんに紹介してもらいました。
居場 英則
ガーデンデザイナー
ブログ:Change My Garden , Change My Life
『風景をデザインする庭』をテーマに、ガーデンデザイナーとして活動中。一級建築士、一級造園施工管理技士。約150品種のバラを育てる自宅ガーデンで、2016年全国ガーデニングコンテスト・ゴールドメダル受賞、その他多くのガーデンコンテストに入賞。通信販売大手、ディノスセシール社が運営するガーデニングサイト「dinos ガーデンスタイリング」にて連載コーナーを担当中。
マンションのベランダでも楽しめるガーデニング!気を付けるべきポイントは?
そもそもマンションのベランダやルーフバルコニーは、「共用部分」の「専用使用」ができるスペースとなります。そのため、マンションごとの管理規約にのっとった使い方をしなければなりません。植木鉢や物を置いて避難器具や避難経路(隣家との仕切りパネルなど)をふさぐことがないようにしましょう。
また、バルコニーの手すりに吊るすタイプのコンテナ(ハンギングコンテナ)を取り付けると、強風で飛ばされ落下する危険性があります。特に高層階では風の影響が大きいので注意が必要です。
また、手すりの近くに物を置くと足掛かりになり、小さなお子さんが誤って登ってたいへん危険ですので配置には特に気を付けましょう。そのほかにも、植木鉢の土がこぼれたり、落ち葉がバルコニーの排水溝にたまったりすることで、水が流れにくくなることがあります。排水溝回りはこまめにチェックし、ゴミがあれば取り除くようにするのも大切なポイントです。
そして、マンションのバルコニーにはエアコンの室外機が置かれるケースが多いと思います。室外機から排熱が出ますので、植物を置く場合は直接室外機の風が当たらないような場所にしましょう。
簡単!手間いらず!気軽に始められるベランダガーデニングのポイント
マンションのベランダでのガーデニングは、乾燥や日照、強風など、さまざまな環境的な条件により、ハードルが高そうに思われますがそんなことはありません。マンションのベランダには土がありませんので、鉢植えで育てることが前提になりますが、植物の品種を選べば、簡単に育てることができます。
特に、お子さんがいるご家庭では「なるべく簡単に、手間をかけずにベランダガーデニングを楽しみたい」そう思う方が多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、観葉植物を使ったベランダガーデニングです。観葉植物といえば「室内で楽しむもの」というイメージがあるかもしれませんが、意外と観葉植物はベランダガーデニングに適しています。我が家でも、美しい葉が特徴的で人気の観葉植物、フィカス・ウンベラータや、涼し気な葉が特徴のエバー・フレッシュなどの大型の観葉植物を、夏場はベランダに出して育てています。
室内からガラス越しにベランダの緑を見るのはなかなか良いものです。室内に置いた観葉植物と重なり合うように緑がつながって、空間に奥行きが出ます。観葉植物は、コツを覚えてしまえば、水やりの回数も少なくて済みますし、病害虫の発生も少なく、手間もかかりません。
ただし、いきなり日当たりの良いベランダに観葉植物を移すと、葉焼けすることがあるので注意しましょう。徐々にベランダの環境に観葉植物を慣らしていけば、その後はベランダに出しっぱなしでも大丈夫です。
また、乾燥に強いオリーブもベランダガーデニング向きの植物といえます。冬場に他の観葉植物を室内に入れても、常緑の葉をもち耐寒性があるオリーブはベランダに出しっぱなしでも大丈夫なことが多いです。シルバーがかった常緑の葉は、冬にも緑を提供してくれるのでとても重宝します。
お子さんと一緒に育てて、収穫する楽しみ。ベランダガーデニングの醍醐味
親子で楽しむベランダガーデニングでおススメなのは「キッチンガーデン」です。キッチンガーデンとは、その名のとおり「台所用の庭」という意味で、野菜やハーブ、果物など、料理に使う植物を育てることをいいます。小さなお子様と一緒に野菜を育て、収穫を楽しむことで「植育」や「食育」にもつながります。
野菜なら、ナス、トウガラシなどは鉢植えでも比較的簡単に育てられます。バジルやタイム、オレガノ、フェンネルなどの香りのあるハーブ類も、簡単に育ちますし、収穫サイクルが早い点も嬉しいポイント。
また、果樹でいうとブラックベリーは比較的簡単に育てられる、つる性植物です。つるを格子状に組まれたフェンス(ラティスフェンス)などに誘引することで、立体的な緑の空間をつくることができるのでおすすめです。7月になると赤い実がしだいに黒く熟していく変化を見ることができ、親子で育てる楽しみ、収穫する楽しみも味わえます。収穫後は、ジャムにして冷蔵しておけば長く楽しめますよ。いろいろな野菜やハーブを試して、ベランダガーデニングで育てられる植物のバリエーションを広げてみてはいかがでしょうか。
マンションのベランダは共用部分なので、事前に管理規約などをチェックしてマナーを守って使いましょう。ベランダガーデニングで育てる植物の品種を「簡単!手間いらず!」という基準で選べば、子育てしながら気軽にガーデニングライフを楽しめます。お子さんと一緒に育てる楽しみ、収穫する楽しみを満喫してみてはいかがでしょうか?