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「わが子と会えなくてつらい」コロナ禍で長期入院している子どもたちと親の今

病気アジア子供は手に生理食塩水の点滴を病院で入場。
kdshutterman/gettyimages

ワンオペ育児、孤育て、長時間労働、少子化…。本特集「たまひよ 家族を考える」では、妊娠・育児をとりまくさまざまな事象を、できるだけわかりやすくお届けし、誰ひとりとりこぼすことなく赤ちゃん・子どもたちの命と健康を守る世界のヒントを探したいと考えています。今回は病気のために長期入院を余儀なくされた子どもたちとその親、そして患児家族の力になりたいと活動している人々について、2回にわけてお届けします。

*前編 「わが子と会えなくてつらい」コロナ禍で長期入院している子どもたちと親の今(本記事)
*後編  重い病気の子と家族を支える宿泊滞在施設がコロナで運営困難に…集まった支援の声に感謝

難病の子どもたち、コロナ禍での影響が深刻に

緊急事態宣言が解除され数カ月経ってもなお、終息の兆しを見せない、新型コロナウイルス感染症。感染そのものへの不安はもちろん、学校行事や日常生活が制限される不満など、子どもを育てる親の悲痛な声が聞かれます。感染拡大の影響は、難病などの治療をしている子どもたちにとっては、さらに深刻です。入院している病院の面会禁止、手術の延期、きょうだい児の預かりの中止など、さまざまな影響がでています。コロナ禍で、病気の子どもを育てる親たちはどのような状況に置かれているのか。自宅を離れて子どもの看病にあたる家族のための滞在宿泊施設「リラのいえ」の施設長である佐伯トシコさんと、運営団体であるNPO法人スマイルオブキッズ事務局職員の谷畑育子さんに、話を聞きました。

制限された面会時間。給付金10万円を個室代に使う親も

新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、いずれの病院や福祉・介護施設においても厳戒態勢がひかれています。一般来客の面会を禁止するだけではなく、家族による面会も制限している施設がほとんどです。
病気の子どもを抱える家族のための滞在宿泊施設「リラのいえ」の近隣にある神奈川県立こども医療センターでは、平時は10時から22時まで何時間でも可能だった家族による面会時間が、緊急事態宣言中、14時から20時のうちの2時間に変更されました。面会できる家族の人数も2名のみに制限されたそうです。

「リラのいえ」運営団体事務局職員の谷畑さんは、こう語ります。
「私の子どもも、かつて病院に長期入院していたことがあります。親にとって、面会時間の終了時刻が迫ってきて、病室を出なければならない瞬間が、いちばんつらいんです。幼かったり、まだ病院に慣れていなかったりする子であれば、『ママ、帰らないで!』と泣くこともあります。ただでさえ、つらいお別れの瞬間なのに、1日2時間しか病室にいられなかったら……と想像すると胸がしめつけられます。みなさん、唇をかんで、我慢して、耐えていらっしゃったのではないかと思います」

ただ、1日2時間だけであっても、面会できる状況はまだ恵まれていたと施設長の佐伯さんは言います。「面会謝絶で、一切、子どもに会えなかった親もいます。あるお母さんが、リラのいえに電話をくださって、スタッフにこう話したそうです。『我が子に会えなくてつらい。一人でどう過ごしているのか心配で仕方がない。面会できる病院に転院できないものでしょうか…』と。そのお母さんも転院が現実的ではないことはわかっていたでしょう。それでも、誰かにその思いを伝えたかったのだと思います。お母さんの心情を思うと、言葉に詰まったと、スタッフは話していました。
特別定額給付金として支給された10万円を、病院の個室代に使ったご家族もあったそうです。個室であれば、ずっと子どもと一緒にいられますから。そのご家族は10日間、入院先の個室に宿泊されたとのことでした。
コロナの影響で手術の日程が変わった子どももいます。手術を延期した子の親はその影響を心配し、一方、治療を続ける親もまた、『この状況で治療を続けていいのだろうか』と葛藤していました」

施設から一時帰宅し、自宅療養に切り替えた子どもも

小学生であるお子さんが医療型障害児入所施設に入所している杉本さん(仮名)一家も、新型コロナウイルス感染症の影響を受けました。お子さんは、身体的な病気の治療のため、平日は施設に入所し、週末は自宅に戻る生活を続けていましたが、緊急事態宣言中、「外泊ナシで入所を継続するか、自宅での療養に切り替えるか」の選択をしなければなりませんでした。お子さんは、車椅子で生活する必要がありましたが、治療内容はリハビリがメイン。緊急処置などの必要はないため、自宅での療養も可能というのが医師の見解でした。

ご両親は、自宅での療養を選択。困ったのは、約2カ月にわたり続く自宅でのリハビリです。専門職員からリハビリ内容の指示を受けていたものの、細かな動作や注意点がわからず、プロのようなサポートができていないことに母親は不安を覚えたといいます。

緊急事態宣言が解除された6月から、施設に戻ったお子さん。でも、帰宅できる頻度は減り、以前のように毎週末、家に戻ることは難しくなりました。ひさしぶりに 自宅に戻っても、買い物に出かけたり、地元の友達と遊んだり、祖父母に会ったりすることはできない日々。それも院内感染を防ぐために必要なことだと受けとめています。

お母さんは、こう語ります。
「最近、子どもがなんだか疲れているなあと感じることは多いです。活発なタイプの子なのですが、いまは宿題をやったら、ほかのことをする元気は残っていない様子で。毎週末、自宅に戻って、リラックスしたり、気分転換したりする時間はとても大切だったのだなと感じます。2週間超連続での施設生活は、やはり気疲れする部分もあるのかもしれません。私自身も、子どもたちに感染させてはいけないと気を遣って生活していますから、以前のようにママ友と会って話すこともままならず、気分が落ち込んでしまうときもありますね」


緊急事態宣言中と比較すると、少しずつ日常を取り戻しつつあるように思える昨今。しかし、病気のために長期入院を余儀なくされた子どもたちや、その親にとっては、以前として不安や緊張が伴う生活が続いています。次回は、そんな患児家族を、このコロナ禍において支え続けている、宿泊滞在施設「リラのいえ」の活動状況をご紹介します。

文/猪俣奈央子

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