【専門家】着替え、おむつ替え、赤ちゃんの「全力拒否」に赤ちゃんの気持ちつきでアドバイス
赤ちゃんは、成長するにつれて「イヤ!」というアピールが上手になっていくもの。かわいい反面、全力で拒否されると、途方に暮れることありますよね。赤ちゃんの「全力拒否」の裏側に隠された本当の気持ちと、ママ&パパにおすすめの対処方法を保健師と助産師の資格をもつ中村真奈美先生に聞きました。
【全力拒否ケース1】着替え&おむつ替えは毎日、格闘です!
おむつ替えのたびに寝返りしようと 体をねじります。うんちをふく前に ローリングされた日にゃ、もうご勘弁…。 (9カ月・男の子)
このときの赤ちゃんの気持ちは?
おむつ替え? 突然言われても、知りましぇんよ。
とにかく僕は今、動きたいんでしゅよ!
見よ! この華麗なるローリング
[中村先生からのアドバイス]おむつルーティンをつくろう!
毎回同じ場所で、おむつ替えシートなど決まったものを使い、笑顔で協力を促しましょう。 根気よく繰り返すうち、状況を理解し、協力してくれるようになるはず。無理に押さえつけると、反発するので、注意して。
【全力拒否ケース2】授乳でも離乳食でもクセが強いんです!
相変わらずおっぱいが大好きで、暇があれば欲しがります。1才を目安に卒乳をめざしていますが、授乳回数が減りません。(10カ月・女の子)
このときの赤ちゃんの気持ちは?
たくさん遊んだあとは、やっぱりこれ!
ちょっとママ、おっぱい出してくださいましゅ?
[中村先生からのアドバイス]ママは笑顔で「あとでね」と声かけしよう!
おっぱいは精神的なよりどころ。やみくもに「ダメ」と言うと、余計に飲みたくなり、執着が増すケースも。「あとで飲もうね。今はママと●●しよう」など、ポジティブな言葉でほかへの興味を誘導しましょう。
【全力拒否ケース3】赤ちゃんのねんねの悩みは永遠です…
断乳し、添い乳での寝かしつけは卒業。 添い寝で寝るようになったけど、 私が体を離すと、目が覚めてしまいます…。 (1才3カ月・女の子)
このときの赤ちゃんの気持ちは?
おっぱいがなくなっても、ママの愛情って変わりましぇんよね? ね? ね? とっても心配でしゅ…。
[中村先生からのアドバイス]赤ちゃんの不安な気持ちを受け止めよう!
おっぱいというよりどころがなくなった分、気持ちが敏感に。 就寝前はス キンシップをとりつつ、「大好きだよ」と声をかけ、赤ちゃんを安心させて あげましょう。ママの愛情は変わらないとアピールすることが大切です。
【全力拒否ケース4】お出かけは正直、疲れてしまいます…
あんよができるようになったのはうれしい! だけど、手をつなごうとするとブンって 手を払われます。困るー! (1才3カ月・女の子)
このときの赤ちゃんの気持ちは?
正直、もっと自分の思うように動きたいんでしゅよね~。
ママやパパと手をつなぐと痛いし、歩きにくいんでしゅわ!
[中村先生からのアドバイス]大人の人さし指を握らせよう
赤ちゃんは “つながされてる” 状況がイヤ。なので、手を握るのではなく、ママやパパの人さし指を差し出し、握るのを待ちましょう。赤ちゃんの肩が上がらないよう、大人は姿勢を低くして、歩くペースも工夫して。
監修/中村真奈美先生 取材・文/江原めぐみ、ひよこクラブ編集部
赤ちゃんの「全力拒否」にどう対応するか、4つの事例を紹介しました。赤ちゃんの「イヤ!」は、振り回されるママ&パパにとっては大変ですが、赤ちゃんにとっては、大切な成長の証。今はこんな気持ちなのかな?と赤ちゃんの気持ちを想像しつつ、楽しみながら、うまく切り抜けていけるといいですね!
中村真奈美先生(なかむらまなみ)
Profile
助産師・保健師・看護師。乳幼児健診などでたくさんの赤ちゃんに接する先生。
参考/『ひよこクラブ』2020年9月号「赤ちゃんの “ 全力拒否”対応マニュアル」

『ひよこクラブ』2020年9月号「赤ちゃんの “ 全力拒否”対応マニュアル」特集では、離乳食を食べない問題やお出かけ時の帽子を被ってくれない問題など、さまざまな事例を紹介しています。