もうすぐ5才なのに夜はまだおむつ…。いつまで続く?もしかして病気?【専門家】

昼のおむつははずれたけれど、夜のおむつはまだ。5才に近づくにつれ、はずれる気配がないと、「成長が遅い?」「病気?」と心配になることも。そこで、「おねしょ卒業!プロジェクト委員会」委員長を務める兵庫県・医療福祉センターさくら・院長の服部益治先生に、5才未満のおねしょにどうかかわればいいのか聞きました。
5才未満のおねしょは、まだ気にしなくて大丈夫
――5才未満で昼はパンツで過ごせるのに、夜になるとおむつがはずれないケースがあるのはなぜでしょうか。
服部先生(以下敬称略) 赤ちゃんがおむつにおしっこをしていても、おかしいとは思いませんよね。5才未満ではそれと同じで、生理現象なので気にしなくていい、というのが国際的ルールです。ただ、上の子は3才ではずれたのにおかしい、お泊まり保育があるので心配、というような場合はこんな生活スタイルを意識してはどうですか、というアドバイスをすることはできます。おねしょと生活スタイルは深くかかわっているからです。
生活スタイルとおねしょにどんな関係がある?
――それでは、具体的にどんなことに気をつけるといいでしょうか。
服部 大きく分けて7つあります。
・規則正しい生活をする
・水分のとり方に気をつける
・塩分を控える
・便秘に気をつける
・寝る前にトイレに行く
・寝ているときの寒さ(冷え)から守る
・夜中、無理にトイレに起こさない
水分を取ってから膀胱(ぼうこう)にたまるまで2時間かかりますので、夕食は早めにとり、寝る2時間前からは水分をなるべく控えることが大切です。また、寝る前のトイレはできれば大人がつき添いましょう。きちんと尿を出し切らない子も多いからです。
おねしょに男の子が多いのは、立って用をたすからという説もあります。腹圧がかからず出し切りにくいので、寝る前のおしっこは座ってするのがおすすめです。
また、踏み台があれば足置きとして用意してあげると、腹圧をかけやすいです。
もうそろそろ5才、というときは受診を検討してみても
――5才未満は生理現象と考えられるということでしたが、まだ4才だけどもうすぐ5才で心配、という場合受診したほうがいいのでしょうか。
服部 はい、心配なら受診するといいでしょう。5才を過ぎて週に3回以上おねしょをし、それが1カ月以上続く場合は受診すると安心です。診察や検査で「夜尿症」と診断されることがあります。「夜尿症」と診断されたら、まずは生活スタイルの見直しを行います。それでも改善されない場合は薬物療法、アラーム療法といった治療を保護者と選び、進めていきます。
5才未満の場合、夜尿症の薬の処方はできませんが、このころは生活改善から始めますから、受診しておくと安心ですよ。
――それでは、たまにおねしょする、程度ならまだ受診しなくていいのですね。
服部 心配なら、受診しても問題ありません。ただ、まずは生活スタイルの見直しから行うので、先ほど紹介した見直しポイントを家庭で試してみてから受診されてもいいでしょう。小学校入学前の場合、おねしょだけなら、まずは生活スタイルの見直しをするといいでしょう。ただし、もし昼間におしっこやうんちをもらす、という場合は別の問題がかくれていることもありますので入学前でも医療機関を受診することをおすすめします。
お話・監修/服部益治先生 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部
服部先生によると「5才未満は気にしなくても大丈夫」ということでした。一方、そろそろ5才なら受診して相談をしてみると安心とのこと。心配しているママやパパは、まずは今回紹介した生活習慣の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。
服部益治先生(はっとりますじ)

Profile
医療福祉センターさくら・院長。兵庫医科大学特別招聘教授(小児科学)。
日本小児科学会専門医、日本腎臓学会専門医、兵庫県小児科医会顧問ほか、専門は小児科全般、腎臓病、夜尿症、予防接種、子どもの傷害(事故)予防など。次世代を託す子どもたちに夢大きく心豊かに育ってもらうため、そして素敵な地球を手渡すため活動中。
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