コロナ禍で密室育児が心配…。いくつかの自治体が活用するGPS連動の子育て情報サービスとは

みんなのまちの無料掲示板「ためまっぷ」というものを知っていますか? 現在、ためまっぷが利用できるエリアは、広島県、兵庫県長田区・中央区・芦屋市、宮城県名取市など。まだ利用できる地域は少ないのですが、使っているママやパパからは「地域密着型の情報が得られるから便利!」と評判です。
「ためまっぷ」を開発した、ためま株式会社 広報担当・横山ゆかりさんにサービスの概要について聞きました。
GPSと地図を連動し、子連れで行ける範囲の情報をピックアップ
「ためまっぷ」は、今日、近所で開催されるイベント情報などが5秒でわかる地域情報検索サイト。利用は無料で、ユーザー数は8万人以上(2020年10月現在)です。
「イベント情報検索サイトのなかには、まずエリアを選び、日にちや時間、子どもの年齢に合った内容かなどチェックするのに手間がかかるものが多いです。
しかし“ためまっぷ”は、GPSと地図を連動。ママやパパのいる場所から徒歩500m、自転車2km、車5kmなどの移動範囲で、今日、開催される子育てイベント情報がすぐに検索できるのが特徴です」(横山さん)
「ためまっぷ」を利用しているママやパパからは、次のような声も聞かれます。
「今日、暇だけど、何かイベントとかあるかな? と思ったとき活用しています」
「“区内で、子育てイベントがある!”と思っても、家からだと遠いことも。でも“ためまっぷ”だと、近所のイベント情報がわかるから助かります」
「子育てイベントの情報収集は、これまで児童館に置いているチラシがメインでしたが、子どもがチラシを口に入れたり、破いたり…。でもスマホで検索するようになって、そうしたトラブルがなくなりました」
■「ためまっぷ」は、赤丸で記した指定距離のイベント情報を、見やすいように時系列で表示
「ママ友だちがいない」「子どもと2人きりでいるのがつらい」そんなときこそ利用を
「子どもと、1日家にいるのがつらい!」と言うママやパパは少なくありません。0歳の子をもつママからは、次のような声も聞かれます。
●結婚を機に、パパの地元に引っ越してきたため、近所に友だちがいません。2カ月のとき里帰り出産から帰って来たのですが、実家で過ごしていたときと、あまりに環境が違うので寂しくて…。私の実家は遠いので、頻繁に帰る訳にもいきません。ホントに孤独を感じます。
●7カ月の娘と、2人きりで毎日過ごしています。パパは仕事が忙しくて…。でも娘と2人きりでいるのが大変! 最近は、つかまり立ちをするので目が離せません。また機嫌が悪いときは、ずっと抱っこ。泣き声を聞きながら、私まで泣きたくなります。
体験談と同じような悩みを抱えているママやパパは多いようです。
「“ためまっぷ”の開発の背景には、ママやパパの孤立がありました。体験談にもありますが、結婚・出産を機に引っ越して、近所にお友だちがいないなど、地域内で孤立しているママやパパは少なくありません。
そんなときは“ためまっぷ”を利用して、近所で開かれている乳幼児向けのイベントなどに参加してみてください。同じ悩みを抱えているママやパパと出会えるかも知れません」(横山さん)
また新型コロナウイルスの影響で、家で過ごすことが多くなったため、子育てイベントなどの情報が得にくくなったというママやパパも増えています。「ためまっぷ」は、コロナ禍の情報収集にも役立ちます。
いざ!というときに助かる地域に根差した情報も充実
「ためまっぷ」は、子育てイベント情報だけでなく、地域に根差した情報も充実しています。
「“ためまっぷ”のシステムの契約先は主に自治体ですが、テイクアウトやデリバリーなどお店のサービス内容がわかる“地域情報”をはじめ、ベビーカーでは通りにくい道や、交通事故が起きやすそうな道など、ママやパパの口コミ情報を集めた“地域課題”などを掲載している自治体もあります」(横山さん)
■地域課題の書き込みの様子
「〇〇にある子育てひろばの出入り口付近は、自転車・バイクに要注意」など写真と一緒にママやパパの書き込みがあることも。
取材協力・資料提供/ためま株式会社 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部
現在「ためまっぷ」を本格的に導入している自治体は限られていますが、順次拡大予定です。おうちや実家の近くで利用ができるママやパパは、「ためまっぷ」で検索をして、利用してみてはいかがでしょうか。
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です
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