「バカッ!」「きもっ!」etc子どもが汚い言葉を使ったら【子育てアドバイザー】
「バカっ!」「きもっ!」「やばっ」など…。わが子が突然、汚い言葉を口にするようになると、親はショックを受けますよね。こんなとき、どのように対応したらよいか子育てアドバイザーの長島ともこさんに紹介してもらいました。
子どもが突然汚い言葉を使い始めた・・その原因は?
今までていねいな言葉づかいだったわが子が、ある日突然「バカッ!」「キモッ!」などという言葉を使い出すと親としては驚いてしまいますし、ショックを受けてしまうのではないでしょうか。
このような言葉を使うのには、子どもなりの理由があります。
子どもは、心身の発達の過程で言葉に対する理解が深まり、言葉でコミュニケーションが図れるようになると、自分の耳に入ってくるさまざまな言葉に敏感になります。
自分は使っていないけれど、園の友達が使っている言葉をまねしようとしたり、テレビ番組やコマーシャルでよく耳にする言葉を反芻したくなったり・・。その結果、「バカッ!」「キモッ!」など、大人からすると使ってほしくない言葉をしばしば発するようになるのです。
当の子どもに、悪気はありません。「今まで使ったことがない言葉だから使ってみたい」といった好奇心や、それらの言葉を発すると、友達が笑う・喜ぶなど周りの反応が楽しくて、口にすることが多いものです。
「このまま使い続けたらどうしよう」と心配になる気持ちもわかりますが、
「子どもの世界が広がっている」
「子どもがまわりの影響を受けながら成長している」
など、成長の証のひとつとしてとらえることが大切です。
「バカっ!」「きもっ!」etc.子どもが汚い言葉を使ったときの対処法
子どもが発する汚い言葉づかいに、親はどのように対処すればよいのでしょうか。
以下、心構えを3つ、紹介します。
●頭ごなしに否定しない
子どもはわざと汚い言葉を使って、「言葉遊び」を楽しんでいるのです。「汚い言葉を使うのはやめなさい!」「今度その言葉を使ったら、おやつ抜きよ!」などと頭ごなしに叱るのはNGです。「あれ?〇〇ちゃんは、なぜそんな言い方するのかな?」と、理由を聞いてみましょう。
●言葉の意味や、汚い言葉を使ってはいけない理由を教える
本来の意味を理解せずに言葉を使っていることもあります。その言葉がもつ意味を教え、「〇〇ちゃんが言われたら、どういう気持ちがする?」「そんなことを言われたら、お友達は悲しい気持ちになるんじゃないかな」など、折にふれて言い聞かせるようにしましょう。
●乱暴な口調の場合はていねいな言い方を教えてあげる
子どもによっては、「〇〇しろ!」「△△をやれ!」など、命令口調になることも。このようなときは、「言われた人がびっくりしちゃうから、『〇〇してね』って言おうね」など、ていねいな言い方を教えてあげましょう。
汚い言葉以外に、この時期の子どもたちが口にするのが「おしっこ」「ウンチ」などの“下ネタ”系。これらの言葉は、友達同士での言い合いや、言ったときのまわりの反応を楽しんでいるだけのことが多いもの。笑顔でスルーしていれば、そのうち言わなくなります。
子どもの言葉づかいとの向き合い方
わが子の話し方を聞いていて、「自分に似ている」と思った経験はありませんか?
子どもの言葉づかいの土台ができるのは、家庭です。
家でママやパパがしょっちゅう「えっ? まじ? ぶちぎれる!」「やっぱ〇〇したほうがいいんじゃね?」などくだけた言葉を使っていると、子どももいつの間にかそれを真似するものです。
逆に、ていねいな言葉づかいを心がけていれば、子どももていねいな話し方になるでしょう。お友達やテレビ番組などの影響で一時的に言葉づかいが汚くなったとしても、上述したような対応を心がけていれば、自然と元に戻るでしょう。
ママやパパが日頃の自分の言葉づかいを振り返りながら、子どもの言葉づかいと向き合っていきたいものです。
子どもの汚い言葉づかいは、一過性のことが多いもの。成長していくうえでのひとつの過程ととらえ、なるべく冷静に対応しましょう。そしてこれを機に、ママやパパ自身の言葉づかいを振り返ってみましょう。