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【小児科医リレーエッセイ 26】 私たちはどこから来たのかを考えたことはありますか

天の川。紫乳白色の幻想的な夜の風景、空の星、黄色のライトと丘の完全な。光沢のある星です。宇宙の美しい景色。星空と宇宙の背景。天体写真。
den-belitsky/gettyimages

「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生方から、子育てに向き合っているお母さん・お父さんへの情報をお届けしている連載です。今回は、大阪府貝塚市・川崎こどもクリニック院長の川崎康寛先生です。私たちの命がどこから来たのか、天気がいい日の夜、家族で夜空を見上げてみたくなるようなメッセージです。

「子どもは天からの授かり物」と言われることがありますが

昔から「子どもは天からの授かり物」というような言い方をされることがあります。神様から子どもを授かるというような意味です。しかし、自分たちの体が何からできているかなどをよくよく考えてみると、そういった抽象的なことではなくて本当に天からの授かり物であると言えます。ちょっと難しく感じるかもしれませんが、今日はそんな話におつき合いください。

人間の体を作っている元素って何でしょう

いきなりですが、人間の体は何でできているでしょうか。タンパク質、脂肪、水、そのほかさまざまな物質が組み合わさってできています。そしてそれらタンパク質、脂肪、水は炭素、水素、酸素、窒素、そして硫黄などの元素からできています。それ以外にも体に欠かせない元素として、いわゆるミネラルがあります。「日本人の食事摂取基準」として厚生労働省が摂取基準を定めているミネラルはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンの13元素です。
これらは必須元素と呼ばれるものです。カルシウムや鉄はなじみがあるでしょうし、不足しないように注意されている方も多いでしょう。そのほか、たとえばヨウ素は甲状腺ホルモンを作るのに必要です。甲状腺ホルモンは全身のさまざまな細胞の代謝にかかわっており、不足すれば細胞の働きがすべて低下します。

さて、その元素ってもともとどこにあるものでしょう

当然、私たちの体を作っている元素は地球に存在するものです。これらは地球ができた時から存在していたものです。私たちは地球からできているとでも言えるでしょうか。でも、宇宙が始まった時(ビッグバン)には、まだ地球はありませんし、またこれだけの元素はそろっていませんでした。では、どのようにしてそろえられたのでしょうか。
そもそも最初は、元素は水素しかありませんでした。水素以外の元素は恒星の中で核融合という反応で作られていきました。恒星とは星座を形作る星であり、核融合の結果生じたエネルギーによって自分で光っています。われわれにとって最も身近な恒星は太陽です。太陽は比較的小さめの恒星になります。その内部では核融合によって最初は水素からヘリウム、そして最終的には炭素までの元素ができます。

太陽系の中では作られない元素はどこで作られたのでしょう

超新星爆発のガスである、おうし座の「かに星雲」
Aphelleon/gettyimages

太陽の中では炭素までしかできません。太陽より何倍も大きい恒星の中では窒素や酸素などもう少しいろいろな元素ができますが、それでも鉄までの元素しかできません。しかし、最初に書いたように人間の体を作って維持するには銅やヨウ素など鉄よりもっと大きい元素が必要です。これら鉄より大きい元素は超新星爆発によって合成されます。宇宙の長い歴史の中で星ができ、その一生を終えて超新星爆発をしていろいろな元素が一気に作られ、その時に宇宙空間にまき散らされたガスがまた集まって星ができ、そういうことを繰り返しているうちにいろいろな元素を含んだ地球ができました。言い換えれば、この地球は、そして私たちの体は過去に超新星爆発がなければ存在しなかったということです。

夜空を見上げると星への郷愁を感じませんか

日々の生活の中で夜空を見上げる機会はあるでしょうか。なかなか星を見ることはないかもしれません。でも天気がよくて、ちょっと暗いところに出かけた時に夜空を見上げてみてください。たくさんの星が空いっぱいに広がっているのを見ることができるでしょう。ずっと見ていると、なぜか懐かしい気持ちになるかもしれません。そして、それは私たちの体が宇宙でできた元素からできている、言い換えれば天(宇宙)から授かった体であるからかもしれません。子どもと一緒に、家族と一緒に、自分たちのふるさとである宇宙を見上げてみませんか。宇宙で起こったいろいろな偶然が重なって、今ここに命を受けて家族としてともに暮らしている。そんなことも考えながら。

文/川崎康寛先生(川崎こどもクリニック院長)

Profile
大阪府貝塚市生まれ。1986年大阪医科大学卒業。大学医局関連の病院で勤務医をしていたが、2004年に自身がかつて通った小学校の眼前で、小児科診療所を開業。専門は代謝内分泌および感染症。本人は小児科医にできる、小児科医だからできる地域貢献・子育て支援とは何かをずっと考えているつもりである。実は日本小児科学会会員歴より、日本天文学会会員歴の方が長かったりもする。

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