どんな検査をするの?未知の世界「男性不妊専門外来」をルポ!


不妊の原因の半分は男性にあるからこそ、妊活はパートナー頼みではなく自ら調べ、実行することが大切です。
これから不妊治療を始める人に向け、男性不妊専門の永尾光一先生に詳しく教えていただきました!
いざ病院へと思っても、初めての場所は不安。
そんな未知の世界、男性不妊専門外来を取材!具体的にどんな検査や診察をするのか、順を追ってナビゲートします。
2人で読むはじめての「男性不妊治療」 #3
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2021-2022」
【男性は何を調べるの?】男性不妊 基本の検査
女性に比べて男性の不妊検査は難しくはありません。1日あれば検査できるので、スケジューリングしやすい!
一般的な不妊治療クリニックでも実施しているのは【精液検査】
男性不妊の原因で最も多いのが、精子がつくれない、精子量が少ない、活発な精子がないといった精子にまつわること。最初に男性側の原因を見つけるため、採取した精液から精子の状態を検査します。
より詳しく診察してもらうなら男性不妊外来で精密検査を
男性向けの検査設備が整った男性不妊専門外来なら、よりしっかり調べられます。
(1)血液・ホルモン検査
精子の形成には、脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)・LH(黄体形成ホルモン)、精巣で分泌されるテストステロン(男性ホルモン)が関係します。ホルモン値が低下していないか血液検査で調べます。
(2)視診・触診
男性器を視診・触診して精索静脈瘤などがないか調べ、生殖機能に問題がないか検査。
(3)超音波検査
視診・触診で調べきれない精巣の様子を超音波で検査。精索静脈瘤の有無などを調べます。
【男性不妊専門外来・Q1】男性は何科を受診するの?
【A】泌尿器科や男性不妊相談をしている不妊治療クリニックへ
まず選択肢に浮かぶのは一般の不妊治療クリニック。ここでも男性機能の基本的な検査はしてくれます。ただし、より詳しく調べたいなら、泌尿器科や男性不妊専門機関も視野に入れて。さらに婦人科と泌尿器科がそろうリプロダクションセンターを持つ大学病院もありますので、パートナーと相談のうえ、決めるのがいいでしょう。
エコーでしっかり検査!
これで調べるものは?
【男性不妊専門外来・Q2】どんな診療をするの?
【A】精液検査、エコー検査などを行います
一般の不妊治療クリニックでも行う精液検査がファーストステップ。精液検査の結果が好ましくない場合は、泌尿器科や男性不妊専門機関で血液・ホルモン検査や視診・触診、超音波検査、詳しい問診などを行うことが望ましいです。精液検査だけでは発見できなかった不妊原因が見つかるかもしれません。
<いい精子の基準とは?>精液検査の正常値
【男性不妊専門外来・Q3】精液はどこで採取するの?
【A】採精室のあるクリニックも!自宅でも可能です
精液検査でも、そして人工授精や体外受精でも自分で精液を採取して提出する必要があります。採精から時間をおかなくてもすむよう院内で採精するか、自宅で採精して早めにクリニックに持っていくか、どちらかの方法を選びます。
不妊治療をサポートするセルフキット
不妊治療をはじめる前や治療中にも役立つキットをご紹介します。
【Before 不妊治療】まずは精子・精液の状態をチェック
WHOの精子の基準のうち精子濃度と運動率の2つの数値をかけ合わせた「運動している精子の濃度」をテスト。専用アプリをダウンロードしたスマホで精子の状態がチェックできる。
世界初の精液成分を郵送で調べられるキット。採取した精液を郵送し、約3週間で結果がサイトに届く。より妊活に特化した新バージョンが2021年9月14日より予約開始。
【不妊治療 Start】性交後の精液流出を低減
性交渉後の精液の流出を低減し、精子を腟内に留めるため、性交後に子宮の入り口に装着する医療機器。柔らかくて曲げやすい医療用シリコーン製で6ヶ月間再利用可能。
【不妊治療 Start】適切に精子を運ぶ
温度変化により運動率が下がる精子。自宅で採精した際にクリニックまで適切に運ぶ専用ポッド。使用可能な採精容器の最大サイズは直径82mm、高さ63mm。
■監修
●撮影/合田和弘
●イラスト/山本啓太
●構成・文/津島千佳
※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。
▼『妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2021-2022』は、妊活から一歩踏み出して、不妊治療を考え始めたら手に取ってほしい1冊。
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