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「セックスが苦手でもよい」 産婦人科医×泌尿器科医の妊活カウンセリング対談

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「セックスが苦手でもよい」 産婦人科医×泌尿器科医のカウンセリング対談
Tzido/gettyimages


妊娠を望む夫婦はどのようにセックスと向き合えばいいの?夫婦から日々寄せられるお悩みについて、産婦人科医の宋先生と泌尿器科医の小堀先生が語り合いました。

今回は、楽しくセックスするためのヒントを伝授する「妊活セックスカウンセリング対談」として、産婦人科医の宋先生と泌尿器科医の小堀先生の対談をお届けします。

「妊活男女が知っておきたいセックスのこと」 #2
※参考:「妊活たまごクラブ 2019-2020年版」

関連:妊活・重要なのは男女の「セックス」をきちんと相手と理解しあうこと

そもそもセックスが苦手でもよいのです。苦痛になるくらいなら、2人にとって楽しいことをしよう。(宋先生・小堀先生)

■宋先生:
「どうしたら妊娠しやすくなるのでしょうか?」とよく相談されるのですが、やっぱりセックスをたくさんすることがいちばんですよね。セックスの回数が多い夫婦は妊娠しやすいです。
ただ、私は全員に「絶対たくさんセックスしてくださいね」と言いたいわけではないんです。

■小堀先生:
わかります。セックスには、俗に「快楽のため」「妊娠(生殖)のため」「連帯のため」という3つの要素があるといわれています。この3つが重なる部分もあれば、重ならない部分もたくさんある。
だから、生殖のためだけのセックスについて、そんなに議論しなくてもいいんじゃないかと個人的には思っています。

妊娠のためのセックスに正解はない

■宋先生:
セックスに関する価値観は本当に人によってさまざまです。正解はないので、ご自身が思ったとおりのままでいいんだと思います。

■小堀先生:
私のところには、勃起障害や射精障害など、性機能障害でセックスができない男性が来ます。今は生殖医療が進歩していますので、そういうご夫婦でも子どもを授かれないわけではない。
セックスしないことが子どもをつくらないことに直接つながるわけではないですよね。

■宋先生:
セックスという行為がおっくうでつらい、あるいは小堀先生のところに来られる方たちのように、事情があってセックスができないという人は、生殖医療を受けるという選択肢もありますよね。

■小堀先生:
私もその意見にものすごく同感なんですが、世の中の流れはどうなんでしょう。

■宋先生:
おそらく、以前よりは「自然妊娠」にすごくこだわる人は減っているのかなと思っています。
でも、多いのは、子どもは欲しい、だけどセックスは面倒くさい、不妊治療まではしたくないという人。それは難しいでしょう…と言うしかない(苦笑)。

■小堀先生:
そのパターンは確かに多いですね。「不妊治療までは…」と言いながら時間だけが過ぎてしまう。

■宋先生:
一方で不妊治療を始める年齢が下がっているというデータもありますよね。これはいいことです。
30歳でも日常的にセックスをしていて1年間妊娠しないのであれば、治療を受けたほうがいいでしょう。自然な妊娠にこだわる必要はないです。

疲弊する夫婦たち…。タイミング法に待ち受けるワナ

■宋先生:
「1回のセックスで妊娠率が高まる方法を教えてください!」ということも聞かれませんか?
効率よく妊娠する方法なんてないですよね。そんなに多くの回数セックスをしたくないのであれば、私はしなくていいと思うんですよ。

■小堀先生:
月1回のタイミングに合わせてセックスしようとして、疲れてしまう夫婦はたくさんいますね。

■宋先生:
ほんとに、めっちゃ消耗していますよね。多くの夫婦が、タイミング法でのセックスに疲れてしまって、妊娠したら「やったー!もうセックスしなくてもいい!」ってなっている。
愛し合って結婚して、パートナーとの間に子どもが欲しかったのに、出産後はセックスレスになって、寂しい思いをしています。

■小堀先生:
子どもをつくるためにセックスするのは、必要なことではあるんですが、子どもをつくるという目的ができた時点でセックスできなくなる夫婦も結構いるのが現状です

■宋先生:
夫のほうも排卵日がプレッシャーになっていて、そんなセックスは全然楽しくないですよね。もちろん、「よっしゃ、今日もセックスできる!頑張るで!」みたいな性欲モリモリの男性も中にはいます。そういう人は頑張ったらいいんです。
でも、「今日!とか言われたら勃たたないんだよね、僕…」みたいな人も多いわけじゃないですか。

■小堀先生:
そうすると、女性も「なんで私に対して勃たないの?」って傷ついちゃったりして。

■宋先生:
そうなるくらいなら、妊娠のためには、精子を冷凍しておいて、いいタイミングで人工授精すればいい。そして、2人の気持ちが盛り上がったときに、今までどおりセックスを楽しんだらいいのではないですか。
片方、あるいは両方が疲弊してまで無理にセックスする必要はないですよね。生殖とセックスをもっと切り離して考えてほしいと思います。

ラブラブなセックスをずっと続けるには

■小堀先生:
ずっと夫婦でラブラブなセックスを続けたいという相談もあります。これについてはいかがですか?

■宋先生:
結婚当初はみんなそう思いますよね(笑)。
でも10年たったら、そんなこと思ってたな、ハハハハってなりますよ(苦笑)。

■小堀先生:
おっしゃるとおりです。だから、よく雑誌で特集している「死ぬまでセックス」とかは私も馬鹿らしいなと思ってしまいます(笑)。

■宋先生:
でも小堀先生は奥さまとは今でもラブラブですよね?

■小堀先生:
スキンシップはお互いにあるほうですし、冗談で「次はいつやるんだよ」とか言っちゃいますね。

■宋先生:
男の子が4人もいて、家でそんな会話ができるなんて素晴らしい!

■小堀先生:
夫婦のノリがそんな感じなんです。

■宋先生:
基本的に私は同じ相手とのセックスは「消耗品」だと思います。どうしてもだんだんと飽きてしまう。「飽き」をカバーするほど性欲が強い男性も中にはいますよ。同じ妻と何十年も毎日セックスができるという。
でも、それはときめきではなく性欲が強いだけですよね。

■小堀先生:
そういう男性だと、お相手の女性も大変でしょうね。

■宋先生:
だいたい疲れていますよね(笑)。だからやっぱり、特定のパートナーへの性欲というか、ときめき、興味、ワクワク感、盛り上がり…そういう感情は消耗品なんです。
それなのに、さらにお互いにしたくもないセックスをしていたら、神経のすり減り方がすごいんですよ。なるべくラブラブなセックスを長く保つためにも、お互いにプレッシャーのかかる楽しくないセックスをするのはオススメしません。

■小堀先生:
消耗品ではあるんだけれど、ラブラブを持続させる方法はあると思いますか?

■宋先生:
一般的にいわれているようなセクシーな下着を身に着けようとかを言うつもりはありませんが、飽きずに特定の相手とずっとセックスするいい方法はあると思っています。
それは、お互いの性癖を擦り合わせることです。どこが感じるとか、体のつくりがどうとかもあるけれども、だんだんとフォーマットになってくるじゃないですか。でも、性癖は消耗しません。

■小堀先生:
性癖というと、たとえば?

■宋先生:
シチュエーションでもコスチュームでも道具でも、何でもいいと思うんです。同じものに興奮できるということです。性癖が合致することはすごい強みです。相手の性癖やどこが感じるかとかがよくわからなくても、最初はときめきと愛だけで盛り上がれます。
でも、そういうのはだんだんと消耗しますから。2人が興奮するプレイを擦り合わせてゆくのがいちばん。そこがまったく合わない人とは、そもそも関係が続かないでしょう。性癖が合うパートナーであれば、初めての相手よりもいいセックスができますよ。

■小堀先生:
男性はエッチな動画を見ることで後天的な性癖が現れてくると思いますが、女性はどうなんでしょう。

■宋先生:
女性も自分の性癖がわからないなら、一緒に開発していけばいいと思います。最初は探り合いかもしれないけど、お互いにノリノリで話せばいいんです。
夫の部屋からエッチなDVDを発見したときに、「えーこんなん見てるんだ、フケツー!」と思うのではなく、「これはいい情報を得たな、しめしめ」と思わないと。そこにヒントがたくさんあります。今はネットの動画だから、物的証拠は残さないかもしれませんが。

■小堀先生:
確かに性癖が合えばずっとセックスは楽しいでしょうね。理想のようにはいかないかもしれませんが。

■宋先生:
それだけずっとラブラブでセックスすることは難しいんですよ。運もいるし、努力も必要なんですよね。

【人には言えない】リアル妊活カップルカウンセリング

妊活中のカップルからの切実な悩みを、宋先生、小堀先生に聞いていただきました。

【Q.1】30代男性からのお悩み

彼女の性欲が強く、一晩で3回のセックスを求められます。翌日の仕事のことを考えると、正直しんどいです。

■宋先生:
それはしんどいですね。今はさまざまなセックストイがあります。それらの力を借りたりして、なんとか折衷してみてください。

■小堀先生:
セックスは2人でするものです。お互いのそれぞれの希望が釣り合わなければ、そのうちにうまくいかなくなるでしょう。
結局は、本音をぶつけてみるしかないと思います。1回のセックスでも、お互いの愛情を確かめ合うことができることを期待しています。

【Q.2】30代女性からのお悩み

酔っ払った夫が、ママ友たちのいる前で、「こいつとするよりAVを見てひとりエッチしたほうが気持ちいい」と言いました。
酔っているとはいえ、本音なのかも。トラウマになり夫とは二度とセックスしたくない…。

■小堀先生:
逆のパターンですが、「あなたのセックスは気持ちよくない」と言われて射精ができなくなった男性がいました。アダルトビデオを見ながらでないとセックスできない人もいます。
この男性の話も十分あり得ますが、あまりにもひどいので、関係性を考え直したほうがいいのでは、とも思ってしまいますが(苦笑)。

■宋先生:
本当にこれはひどすぎる。無理してセックスしなくていいと思います。それでも夫の子が欲しければ、人工授精を考えてみては?

関連:妊活スタートは自然妊娠なら32歳・体外受精なら36歳が理想、という厳しい現実

宋美玄(そんみひょん)先生 プロフィール

産婦人科医。性科学者。ロンドンで胎児超音波の研さんを積み、2017年に丸の内の森レディースクリニックを開業。産婦人科診療やカウンセリングを行う一方で、メディアで女性の体や性生活、妊娠・出産等について情報発信を行う。著書に『女医が教える本当に気持ちいいセックス』(ブックマン社)。2児のママとして育児に奮闘中。

小堀善友(こぼりよしとも)先生 プロフィール

泌尿器科医。金沢大学医学部卒業。2009年から獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科に勤務。専門は男性不妊(とくに射精障害)、性感染症。BuzzFeed Japanなどのメディアで間違ったマスターベーション防止の啓蒙活動も行う。著書に『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)。プライベートでは4人の男児のパパ。

●撮影/合田和弘
●イラスト/KAZMOIS
●取材・文/尾越まり恵

▼『妊活たまごクラブ2019-2020年版』は、妊活に役立つ情報が一冊に詰まった妊活スタートブック。

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