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不妊治療「患者思い」のクリニック探すポイントを解説


不妊治療には思った以上にお金と時間がかかります。
患者さんのお金と時間を大切に考えてくれるクリニックという点も、選ぶときの指標の一つになりそうです。
今回は「不妊治療クリニックを探すポイント」について、妊活コーチの松本亜樹子さんに最新情報とともにアドバイスしてもらいました。

「令和ニューノーマル版 不妊治療クリニック 選び方&心得ガイド」 #2
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2020-2021年版」

料金体系がわかりやすいと安心できる

検査や治療にどのくらいの費用がかかるのかわからないということは、不安だと思いますが、きちんとした医療機関では、必ず料金についての説明があります。納得して治療を受けられるという意味でも、実際にいくらかかるのかを明確に答えてくれる施設であることは、クリニック選びの大事なポイントです。

不妊治療はほとんどが保険が効かない自由診療のため、料金体系は施設によって異なります。施設によっては治療費の一覧表を提示してくれるところもあります。それでも、一覧表を見てもよくわからなかったら、「自分が受ける検査(治療)は、全額でいくらくらいかかりますか」と聞いてみるといいでしょう。

およその相場として、初診では血液検査、超音波検査(しないことも)、子宮卵管造影検査などで1〜2万円くらいです。なんらかの疾患があり、保険でカバーできる部分があると、少し安くなることもあります。

初めから数十万円もかかることはありませんが、治療ステップが進むと治療費が高額になることがあります。そのときも、治療をどこまで進めるのか、医師と相談し、その都度カップルで納得して決めましょう。

「いくらかかりますか?」と聞いてOK!

治療を進めていくと、次のステップに進むときに必ず「この治療を受けますか?どうしますか?」と聞かれます。そのときに、「料金はいくらかかりますか?」とはっきり聞いてOKです。医師に尋ねられると治療内容についてだけ理解を求められているかのように思えてしまいますが、お金のことまで納得して治療を受けることが大切です。

土日や早朝・夜間の診療があると仕事との両立もラク


不妊治療は、卵胞の成長をモニタリングしたり、投薬の時間が決められたりで、平日・休日を問わずに指定された日時に受診しなくてはならないことが多いものです。しかも、そのタイミングがいつなのか、直前にならないとわからず、予定が立てにくいものです。また、薬の副作用による体調不良も起こることがあります。

こうしたことから、仕事と不妊治療との両立は、非常に困難だと、たくさんの仲間が実感しています。初めのうちは、まわりに言わずに有給休暇を使ってなんとかしていても、長引くとそれも難しくなります。

仕事と両立しながら通院しやすい時間設定にしているか、ということは、病院の患者さんへの「姿勢」でもあります。たとえば、早朝の出勤前、あるいは仕事の帰りに行ける夜間の時間帯、また土日の対応など、柔軟かどうかというところもチェックしましょう。

診療時間の自由度が高いほうが、働きながら妊活中の人にとってだけでなく、卵胞を育てるための注射や、採卵をよりベストなタイミングで行うためにも、妊娠するチャンスも高くなるといえるでしょう。

仕事との両立で悩んでいるのはあなただけじゃない!

治療していることはプライベートなことなので、言いだしづらい職場環境もあるかもしれませんが、せめて仕事で直接かかわる人、上司、同僚の中でもキーパーソンだと思う人には打ち明けてみましょう。

話を切りだしづらいと思っても、話してみた結果、実は上司も治療の経験があった、別の同僚が治療していた、といったことから、理解者がいて協力してくれたというケースもあります。勇気を出して話してみて!

【アンケート】不妊治療で働き方をどう変えた? (複数回答)

●退職した:50.1%
●その他:26.7%
●転職した:21.4%
●休職した:9.6%
●異動した:7.0%

残念ながら現状では、「辞める」という選択肢が半数。これだけ不妊治療する人が多くなったのに、職場の理解はまだまだということがわかります。

【アンケート】仕事をしながらの不妊治療は、どんなところが難しい? (複数回答)

●急に・頻繁に仕事を休むことが必要:71.9%
●周期に合わせた通院が必要で、通院スケジュール管理が難しい:47.3%
●まわりに迷惑をかけて心苦しい:25.6%
●上司・同僚の理解を得られない・得難い:13.0%
●治療のことを職場でカミングアウトすることが難しい:12.7%
●ほかの人に代替が難しい職務内容:9.9%
●治療中でも、仕事の都合で途中で断念せざるを得ない:8.1%
●治療や投薬などの副作用で体調不良:6.6%
●診療時間が平日日中のみ:5.8%
●待ち時間が長い:5.1%

回答で多かったのは、「通院日が予測できない」こと。そのため「仕事との調整が困難」であり、周囲に申し訳なさを感じたり、職場で誤解されたりして、職場にいづらくなるケースも。職場でカミングアウトすること自体ハードルが高い、という声も多くみられました。

※データ出展:NPO法人Fine「仕事と不妊治療の両立に関するアンケートPart2」より

もし、通院してみてピンとこなかったら…

気軽に転院をすすめるというわけではありませんが、必ずしも同じ病院に通い続けなくてもいい、ということも覚えてほしいと思います。なかなか妊娠しない、医師やスタッフにどうも話がしづらいといった理由で転院する人は少なくありません。

もし、転院する場合、次の受診先への紹介状がないと、これまで積み上げてきた検査や治療のデータが無駄になってしまいます。これはもったいないことなので、きちんと病院に伝えて紹介状をもらいましょう。

切り出すときは、「セカンドオピニオンを求めてみたい」と正直に言って大丈夫です。それでも言いづらかったら、「転勤になったので」などと、うそも方便という手もなくはありません。

【アンケート】みんなの転院理由

●妊娠しなかったから:52.9%
●医師の対応がよくなかったから:48.6%
●ここではやっていない治療を受けたかったから:33.2%
●他の病院の評判を聞いたから:24.8%
●待ち時間が長かったから:19.2%
●妊婦さんや子ども連れと同じ待合室だったから:17.3%
●看護師の対応がよくなかったから:15.9%
●受付や事務スタッフの対応がよくなかったから:13.9%

データ出展:NPO法人Fine「どうする?教えて!病院選びのポイント」アンケートより

オンライン診療のメリット


2020年、新型コロナウイルス感染の拡大により、一部のクリニックではオンラインによる説明会や診察を導入しているところも増えました。
これは新型コロナウイルス対策としてだけでなく、遠くて通いにくい人には、不安や質問を聞くことができるし、数時間待つといったことも解消されます。
ただし、実際の治療にはやはり通院が必要ですし、それだけがクリニック選びの基準ではありません。

自分の診察データは自分で管理しよう!


病院では検査結果や治療データを渡されます。渡されたデータは今後のためにも整理して保管しましょう。時系列に沿ってファイルしておけば十分です。
そうしておくことで、転院したとしても、直近の検査結果があれば、また初めからお金も時間もかけて検査し直すということは避けられます。また転院するときのためだけではありません。
たとえば、目的が同じ薬でも、Aは自分にはいいけどBは駄目、Cは具合が悪くなる、といったことがあります。自分自身が治療について把握しておく必要があります。

【監修】NPO法人 Fine代表理事 松本亜樹子さん


アナウンサー時代から人材育成に携わったのがきっかけでコーチングを学び、現在は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサ―ティファイドコーチ(ICF PCC)として活躍。その一方で自身の経験を生かし、「NPO法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~」を設立。

■イラスト/新見文
■構成・文/関川香織

※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。

▼『妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2020-2021』は、妊活から一歩踏み出して、不妊治療を考え始めたら手に取ってほしい1冊。

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