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感染すると重症化することも…妊娠中の今から知っておきたい!乳幼児がかかりやすい感染症

更新

新型コロナウイルスの流行が報告されていますが、乳幼児にとって気をつけたい感染症はほかにもたくさんあります。そこで、乳幼児がかかりやすい感染症(※1)とはどのようなものがあるのか、その予防法や対処法を知っておきましょう。
※1 Know VPD! (2021年10月5日確認)

\教えていただいたのは/

監修/北里大学医学部附属新世紀医療開発センター
先端医療領域開発部門 新生児集中治療学 教授
中西秀彦先生
大阪市立大学医学部卒業後、大阪市立総合医療センター 初期・後期臨床研修医、米国マサチューセッツ総合病院 リサーチフェロー、東京女子医科大学母子総合医療センター 新生児医学科 講師などを歴任し、現職。日本小児科学会 小児科専門医・認定小児科指導医、日本新生児成育医学会 理事・教育委員会委員長、日本周産期新生児医学会 評議員、周産期(新生児)専門医・指導医

乳幼児がかかると重症化する可能性のある感染症も

乳幼児期の子どもは免疫が未発達のため、さまざまな感染症にかかります。感染することで免疫をつけながら成長していきますが、場合によっては有効な治療法がないために、深刻な合併症や後遺症を引き起こしたり命を落としたりする可能性もあるので、感染症にかかるリスクをできるだけ減らすために予防することが大切です。

感染症の予防に有効な方法は、日常的な感染対策とワクチンを打つこと。病原性をなくした、もしくは弱めたワクチンを接種してあらかじめ免疫をつくっておくことで、感染症に対する抵抗力を高められます。

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「RSウイルス感染症」は、重症化することもある感染症です

毎年流行する風邪などの感染症の原因には多くのウイルスがあります。そのウイルスのなかで、乳幼児の20〜30%に気管支炎、細気管支炎や肺炎といった重い症状を引き起こすことのあるものの一つが「RSウイルス」です(※2)。ほとんどの子どもが2 才までに一度は感染するといわれています(※3)。2021年は春ごろから感染が急拡大し、例年に比べてかなり感染者数が増加しました(※4)。
※2 米国小児科学会 編. 翻訳日本語版監修 岡部信彦. 最新感染症ガイド R-Book 2018-2021. 日本小児医事出版社. 682-692. 2019
※3 Piedimonte G, Perez MK. Pediatr Rev. 2014; 35(12):519-530.
※4 国立感染症研究所. IDWR 2021年第29号 注目すべき感染症 
https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/10607-idwrc-2129r.html(2021年11月5日確認)

重症化(※6)して、入院が必要となることも

「RSウイルス」は、大人や年長児が感染しても軽い鼻風邪程度で治まることがほとんどで、重症化することは少ないといわれています(※7)。また、乳幼児が初めて感染した場合も通常は発熱や鼻水、咳など普通の風邪の症状が出て、7〜12日くらいで治ることがほとんどです。しかし中には病状が悪化することもあり、2〜3日後に38度以上の高熱やひどい咳、呼吸がゼイゼイするといった症状がみられるなど、気管支炎や肺炎などの下気道疾患を引き起こすことがあります(※8)。

さらに症状が進んで呼吸困難などで入院が必要となることもあります。その多くは、予定日よりも早く生まれた子(早産児)、生まれつき呼吸器や心臓に病気のある子、あるいは免疫の働きが十分でない免疫不全を伴う子やダウン症候群の子です(※9・10) 。とくに早産児は、早く生まれてきた分、ママから受け取る抗体も少なく、また呼吸器の機能が未発達なため重症となる場合があります。
※6 重症化:気管支炎や肺炎などを引き起こすこと
※7 国立感染症研究所 感染症疫学センター ホームページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html(2021年10月5日確認)
※8 米国小児科学会 編. 翻訳日本語版監修 岡部信彦. 最新感染症ガイド R-Book 2018-2021. 日本小児医事出版社. 682-692. 2019
※9 Boyce TG, et al. J Pediatr. 2000; 137(6):865-870.
※10 Sommer C, et al. Open Microbiol J.2011; 5(suppl2-M4): 144-154.


\Check!/

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先輩ママの実体験から学ぶ「RSウイルス感染症」座談会

「RSウイルス感染症」の実態を知るために、RSウイルスに感染したお子さんを 持つ先輩ママ、プレママ、中西先生を招いてリモート座談会を行いました。実際にお子さんが感染したときの様子をはじめ、 対処法や予防法についても語っていただきました。

風邪に似た症状ですが、乳幼児は重症化することも

編集部 2021年はすでに、乳幼児の間でRSウイルスの感染が広がっていますが、岡山さんはご存じでしたか?
岡山さん はい。ニュースで聞いたことがありますし、子どもを持つ友だちとのLINEのやりとりでもよく話題になっているので病名は知っています。でもどんな病気なのかはほとんど知りません…。
中西先生 2才までに一度はかかるといわれている呼吸器の感染症です(※1)。発熱や鼻水、軽い咳など風邪と同じような症状ですが、一部の乳幼児で、気管支炎や肺炎などがみられることがあります。とくに1才未満の赤ちゃんは、体格が小さく気道が狭いため、気道分泌物が多いRSウイルス感染症の場合には気道閉塞症状を来たしやすいことから、1〜3%の割合で重症化して入院が必要となったということも報告されています(※2)。
岡山さん 1才未満の子は重症化することもあるんですね。もうすぐ生まれてくるので心配です。
編集部 榎本さんは、2才のお子さんと6カ月の赤ちゃんが同じ時期にRSウイルスに感染したそうですね。

風邪かと思ったら長女と二女がRSウイルスに感染
榎本さん そうなんです。最初は長女だったのですが、ただの風邪だと思っていたら強い咳が出始めたので病院へ連れていき、そこでRSウイルスに感染していることがわかりました。そのころ、二女も鼻水と咳が出始め、ミルクが飲めなくなり、夜になると吐き戻すほどに。病院で検査をして二女も感染していたことがわかったんです。2人とも10日くらいで完治しましたが、その間に私も感染し、心身共につらかったです。

中西先生 上のお子さんがRSウイルスに感染し、下の子にうつってしまったという事例は多いですね。生まれたばかりの子はお母さんからの免疫があるといわれますが、生後1カ月の子でもかかることがあります。きょうだいがいる家庭はより注意が必要です。
岡山さん 生後1カ月でも感染するなんて驚きました。風邪と症状が同じということですが、どのタイミングで受診すればいいのでしょうか?
中西先生 38度以上の熱がある、「ゼイゼイ」という呼吸音がする、ひどい咳が続く、呼吸の回数が極端に増えているなどの、いつもの風邪と違うような疑わしい症状があったら受診してください。必要と判断されれば検査を受けますが、症状がどのような状態なのかが重要ですので、診断確定の有無にかかわらず早めに適切な治療を受けることが大切です。

感染しないよう手洗いや消毒を徹底しましょう
岡山さん 感染してしまったら、どう対処すればいいですか?
中西先生 苦しい症状を和らげる対症療法と、おうちケアで回復を待ちます。
岡山さん おうちケアで気をつけることは何でしょうか?
中西先生 乳児であれば、寝かせるときは息をするのが楽になるように、肩の下にタオルなどを入れて気道を確保してあげてください。ミルクが飲めなかったり、咳とともに吐いてしまうことがあるので、ミルクや水分はいつもより1回の量を少なくし、その分、回数を多く与えるなどの工夫も必要です。
榎本さん どうすれば予防できるのでしょうか?
中西先生 RSウイルス感染症にはワクチンがないので、感染対策を行うことが大切です。主な感染経路は、鼻水などの分泌物による接触感染と唾や咳などの飛沫感染です。RSウイルス感染症が流行している時期には、できるだけ赤ちゃんを人混みに連れていかないように。帰宅時には手洗い・うがいを徹底しましょう。
また、パパやママ、年上のきょうだいは、軽い風邪症状で済む場合があるため、RSウイルス感染症とは気づかないまま赤ちゃんにうつしてしまうことも。ですから、家庭内に風邪をひいている人がいるときは、マスクをつけて唾液や鼻水が飛び散らないようにするとともに、アルコールで赤ちゃんのまわりのものをこまめに消毒しましょう。定期的に室内の換気をすることも対策になります。
岡山さん 子どもに感染させないように、まずは私たち大人が手洗いや消毒を徹底することが大切なんですね。
※1 Piedimonte G, Perez MK. Pediatr Rev. 2014; 35(12):519-530.
※2 米国小児科学会 編. 翻訳日本語版監修 岡部信彦. 最新感染症ガイド R-Book 2018-2021. 日本小児医事出版社. 682-692. 2019

正しい知識を身につけましょう!RSウイルスなど呼吸器感染症の予防法&対処法

【対処法】
1回分を少量にして、その代わりに頻回の水分補給
● 息をするのが楽になるように、肩の下にタオルなどを入れて気道を確保
● おうちケアする際は、赤ちゃんの様子をしっかりチェック
● いつもの風邪と違うような疑わしい症状があるときは、早めに病院を受診

\こんな症状があるときは病院へ!/
□38度以上の熱がある(とくに生後3カ月以内)
□呼吸が浅く、呼吸の回数が極端に増えている
□ミルクを飲まない、食欲が落ちている
□「ゼイゼイ」という呼吸音がする
□痰が多く、ひどい咳が続く
※症状があてはまらなくても、心配な場合はかかりつけ医に相談しましょう。

【予防法】
●RSウイルス感染症の流行状況を確認し、流行時はできるだけ赤ちゃんを人混みに連れ出さない
●日ごろから石けんによる手洗いやアルコールなどによる消毒を徹底する
● パパ・ママ・きょうだいに風邪の症状があるときは家の中でもマスクを着用。赤ちゃんのまわりのものをこまめにアルコールなどで消毒する
参考:「SmallBaby.jp」https://www.small-baby.jp/ (2021年10月5日確認)

RSウイルス感染症の流行状況は、サイト「SmallBaby.jp」でチェック!

イラスト/村澤綾香
協力/アストラゼネカ株式会社

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