たまひよ妊娠日記[産後]若木由紀さん/出産編
妊娠中のリアルな生活や体の変化を追いかける「たまひよ妊娠日記」。
若木由紀さんは、妊娠39週4日に女の子を出産。上の写真は、産まれた瞬間の「はじめまして」のシーン。癒着胎盤により出血量が多く、とても危険な状態を乗り越えての出産だったそうです。
若木由紀さん(38才)&柊花(とうか)ちゃん
建築系会社の設計士。出産後自宅に里帰り中。
柊花ちゃんの名づけは、夫が「生まれた冬の季節感を入れたい」と出産前に考えました。柊(ひいらぎ)の花と、花言葉「先見の明」「あなたを守る」など(※諸説あります)を図鑑で見てすてきだなと思い、迷いなく決めました。
無痛分娩で痛みを和らげて産むはずが、難産に
陣痛が始まってから12時間後に3分間隔になり、出産予定の総合病院へ。コロナ禍のため病院の方針で夫は立ち合いができません。1人で分娩(ぶんべん)室に入ったものの子宮口がほとんど開いておらず、病院内の手すりにつかまってひたすら歩きまわりました。
夜になっても子宮口は開かず、寝るために麻酔を入れました。陣痛の痛みが強すぎて注射したこともわかりませんでした。麻酔は2時間もしないうちに切れ、次の麻酔まで2時間待って2回目の麻酔を打ちました。
日付が変わった0時10分に破水。深夜2時に子宮口が8cm開大になったので、無痛分娩のために麻酔医を呼びました。
麻酔を打つより前に子宮口が全開大になりました。赤ちゃんの心音が弱いということで麻酔は中止になり、陣痛促進剤を入れました。絶飲食なのでお茶を飲みたくても飲めないし、眠ることもできなくて、とにかく痛みに耐えました。「心音低下、出します!」という声が聞こえ、2回の吸引と鉗子(かんし)をしましたがうまくいきません。帝王切開に踏み切ろうとした直前に鉗子(かんし)で頭をつかみ、朝7時2分に出産しました。
すぐに泣き声が聞こえたことにほっとして、「かわいい」と思ったら、痛みが消えたような気がしました。「意外と大きい手だな」と、冷静な気持ちになったあとに、意識をなくすように眠りました。
あとから知ったのですが、お産のあとに胎盤がはがれ出てこない「癒着胎盤」の状態で、胎盤が出るまで20分かかり出血量は1500mlを超え、かなり危険な状態だったそうです。
夫からのLINEメッセージで数時間後に目が覚め、やっと出産の報告をしました。
出血のため処置に時間がかかり、赤ちゃんに会えたのは出産してから5時間後でした。写真は初めての家族3ショットです。
【出産日】39週4日
【お産の始まり】陣痛
【お産のスタイル】経腟(けいちつ)分娩
【分娩所要時間】20時間25分
【赤ちゃんの出生体重】3004g
【パパの立ち会い】なし
産後、初めての抱っこは夫
誕生から約5時間後、まだ分娩室にいた私のもとに赤ちゃんがやってきました。初めての抱っこは、面会に来た夫でした。私は起き上がることができず、見守るだけでした。夫は「かわいい、かわいい」とデレデレ。すごく心配性で、ちょっとした血管の浮きにも「これなに!?」と聞いていました。
コロナ禍のため、その後、家族との面会は退院までできませんでした。
このポーズで3時間
出産で大量に出血したため貧血に苦しみました。腰痛もひどくて、骨盤ベルトをしてもまともに歩けませんでした。
写真はやっと自分に余裕ができてから撮った入院中の娘です。
私は大部屋だったので、娘に会えるのは別病棟の授乳室となっていました。
助産師さんが「かわいいポーズで寝ていますよー」と言うとおり、「アイーン」みたいなポーズで3時間くらい眠っていて、かわいくて笑っちゃいました。
退院日に夫から花束のサプライズ!
出産後の処置があり入院が2日伸びました。もっと入院を伸ばすこともできましたが、早く家族に会いたくて通院に切り替えました。
退院の日、夫が花束を持って迎えに来てびっくり!
ほかの人の退院するのを見たときに、外国の男性は花束を持ってくる人が多いけど、日本人男性はスマホをいじりながらやってくる人が多いなと思っていたので、まさか自分の夫が花束をくれるとは!思わず「(ほかの人の様子を)調べたの!?」と聞いてしまいました。花束がこんなに心温まるものだったとは。
夫が慎重に運転して、病院から実家に里帰りしました。
初めてのおもちゃは、名前にちなんで
退院の翌日、赤ちゃんとの大きさと比べたくて、撮影の間だけ、夫からもらった花束とファーストトイを隣に並べてみました。「若木」という名字にちなんで、おもちゃの色はグリーンです。
おうちでニューボーンフォト
出産前に予約していたニューボーンフォト。カメラマンさんに実家にきてもらい、撮影してもらいました。赤ちゃんに負担がないように、注意しつつ、手早く撮ってくれました。
オプションで家族写真も撮ってもらえて、よい思い出になりました。
監修/中川一平先生(帝京大学医学部附属病院 産婦人科助教、外来医長)
撮影/白川間弓美 まとめ/奥村裕美、たまごクラブ編集部
●掲載している情報は2023年2月現在のものです。