陣痛を乗りきるコツは、呼吸法と「うちわ」や「リップ」?
リラックスしながらお産をするためには、呼吸法がとても大切。また、お産を助けてくれる便利グッズも妊娠中に揃えておきたいもの。そこで今回は、産婦人科医の小川隆吉先生に陣痛を乗り切るための呼吸法とお産の便利グッズについて、教えてもらいました。
陣痛乗り切りのコツ★息は止めずに吐くことに集中
陣痛中の呼吸は、口からゆっくりと長く息を吐いて、力を抜くことが大切。痛みが来ても息は止めないで、吐くことに集中して。また、腹圧がかかるといきみ感が増すので、体をよじらないように。
これはNG!痛いときに息を止めてしまう吸うばかりの呼吸
痛みに耐えて息を止めてしまうと、赤ちゃんに酸素が届かなくなってしまいます。息を吸うばかりの呼吸になると過呼吸からパニックになりやすいので注意が必要です。
これはNG!痛くないときも力が入っている
陣痛が去ったら、意識的に体の力を抜き、緊張を解くようにしましょう。痛
くないときも力が入ったままだと体力を消耗し、痛みのわりにお産も進まなくなってしまいます。
陣痛乗り切りのコツ★グッズを上手に使う
陣痛乗りきりに役に立つグッズもいろいろありますが、必ずしも全員の役に立つわけではないようです。そのときにならないとわからないことも多いですが、どのように役立つのかを参考に、選びましょう。
使いきりカイロ
腰などに当てると痛みが和らぎ、体を温めることでお産を進める効果もあります。また温かくなると体の余計な力が抜けてリラックスにつながります。
うちわ
陣痛中は暑いと感じる人がとても多いので、うちわであおいでもらうと気持ちがいいようです。うちわの心地いい風で体の力も抜けるかもしれません。
リップクリーム
呼吸をしたり、声を出したりするので唇が乾いてしまう人が多いう。水分補給のたびにリップクリームも使っていたという人も。
飲み物・ストローつきペットボトルキャップ
声を出す人も多く、のどが渇きます。どんな姿勢でも飲みやすいストローつきのペットボトルキャップをした飲み物を準備しておくと便利です。
タオル・ハンドタオル
すごく汗をかくので、汗ふきタオルは必需品。また陣痛が来たときに握りしめると、痛みを逃せる気がしたり、安心感を感じることも。
靴下
足、とくに足首が冷えると体全体が冷えてくることに。足首まで覆う靴下を持っていくのはおすすめ。体を温めることはお産を促すことにつながります。
陣痛乗り切りのコツ★いきみたくなったら息を長く吐く
体がコントロールできないほど、強いいきみが押し寄せてきたときは、「フーフ」と息を吐くことに集中しましょう。それでも逃しきれず、いきみたいときは、息を吐きながら最後だけ「ウン」と軽く腹圧をかけてもいいでしょう。
手のひらのつけ根で肛門を圧迫してもらう
家族に肛門を手のひらのつけ根で押してもらいながら、息を吐くとうまくいきみ感を逃せます。強さや位置などを伝えながら効果的に押してもらいましょう。
テニスボールやタオルをかたく結んで結び目の上に座る
いきみ感が押し寄せてきたら、ベッドの上にテニスボールや結んだタオルを置き、肛門あたりに当たるようにして、その上に座るのがおすすめ。上手にいきみを逃せます。
これはNG!いきみたくなってからのトイレ
排便時の姿勢は分娩体勢そのもの。いきみたい感覚が強くなり、赤ちゃんが出てきてしまう心配も。いきみ感を感じるようになったらトイレで排便姿勢はとらないようにして。
陣痛は寄せては返す波のようなもの。(痛みの)波が来たら息をとめないようにし、波が去ったら力を抜くことに専念しながら出産に臨むのが理想です。今回ご紹介した陣痛乗り切り法のほかにも、お気に入りのアロマグッズや音楽などのリラックスグッズを持ち込む人も多いよう。あなたもオリジナルのリラックスグッズがあれば、持参してみては。(文/たまごクラブ編集部)
監修/小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
URL http://www.ogawaclinic.or.jp
参考文献:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)