双子と上の子2人、計男子4人のパパが語る、妻の双子妊娠から育児まででやったこと
双子を妊娠中のママとパパ。赤ちゃんたちを迎える準備はできていますか? きっと周囲に相談できる人もすくなく、不安を感じている人もいるでしょう。そこで、双子+上の子2人=計男子4人の子育をブログなどで発信している、認定NPO法人 育て上げネット理事長 工藤啓さんに双子の妊娠・出産・育児ストーリー を聞きました。
妻に付き添い妊婦健診へ。その場で「今日から入院」することに!
わが家は現在、妻、長男(8才)、二男(6才)、双子の男児(4才)の計6人家族。双子の三男・四男の出産・育児について紹介します。
双子妊娠でよく聞くのは、「健診に行った日に入院」という話。僕たちの場合もそうでした。28週の健診で、「切迫早産なので、今日から入院です」と診断が。長男・二男からしてみれば、いつもどおり保育園に行って、帰宅したら「今日からママ、2カ月ほどいないから」と告げられた状況。突然、父子3人の生活が始まりました。
双子妊娠が判明したときから、管理入院は覚悟していました。だから、妊娠中期からは仕事のスケジュールは余裕を持って組み、出張も避けて、緊急事態に備えていました。あと、大切なのは家の中の何処かに何があるかなど、家庭のことを把握しておくこと。とくに上の子がいる人は、ここ重要です。
37週に予定帝王切開で出産! 妻は退院するが、双子は1カ月間入院
管理入院中の妻は、産院内のコンビニにさえもなかなか行けない状況でした。必要に応じて、僕や義母が着替えや本の差し入れを届けていました。
そして、毎週日曜日は、子どもたちを連れて面会に。子どもたちには「日曜日になればママに会えるね」と、次の面会を楽しみにしながら平日を過ごせるように声をかけていました。
妻は妊娠37週で出産しました。双子は誕生直後からNICU(新生児集中治療室)に入り、1カ月間の入院に。僕は1 カ月間の育休を取得。双子は入院中でしたが、妻を車に乗せて絞った母乳を1日置に届けていたので、育休を取って正解でした。産後の妻は心身共にかなり弱っていたので、1人で産院への往復は難しかっただろうと思います。
妻の体が回復するのはまだまだ先。育児も家事も人手がなくては回らない!
双子の妊娠・出産は、体への負担が大きく、その上、安静の期間が長いと筋力も落ちます。うちの妻の場合、心身共に回復したと思えたのは、出産から2年たってからのようです。
それほど妻は弱っていますから、産後1カ月間はできるだけ体を休めてほしい! 育児・家事は夫婦の協力が欠かせません。外部のサービスを利用する場合も、夫が窓口になるくらいの積極性が必要です。
育休終了後も、在宅時の家事・育児は話し合って分担しました。
わが家はこの時期、授乳は母乳だけだったので、搾乳した母乳を哺乳瓶で飲ませることもありました。粉ミルクを使う場合はもちろん、使わない場合でも、パパも哺乳瓶の洗浄・除菌といったフィニッシュ作業までできるようになっておくといいですよ。
夜間の双子ケアは、互いの睡眠時間を調整して乗りきりました。
“双子”から“子ども2人”の状態に。ただし、家計はきつくなる一方!?
現在4才の双子は、おむつも外れ、着替えもなんとか自分でできるようになり、“双子”から“子ども2人”の状態にまで育児の大変さが軽減しました。ただし、次は経済との闘いです。3才から料金が発生するものが多く、食費も上がる一方。家族6人だとお米はすぐなくなるので、わが家は30Kg単位で購入しています。今後ますます家計が厳しくなるのが、目下の課題です。
文/たまごクラブ編集部
参考/「たまごクラブ」2020年5月号「双子CLUB」
上の子2人+双子の男子4人の子育てをする工藤さん。「産後の妻は、妊娠・出産でかなりのダメージを受けています。自分と対等ではなく、ケアしてあげるべき存在です。だから、“オレも子育てする”ではなく、“オレこそがやる”という意識が大切!」と、わが子の誕生を待つパパたちへ、力強いメッセージ。もちろんそれぞれの家庭に事情があるため、まずはできる範囲ででも。元気なママの笑顔が、家族みんなの笑顔にもつながりますね。
工藤 啓さん
Profile
認定NPO法人 育て上げネット理事長として、若者と社会をつなぐ活動をしている。家庭では、4人の息子の子育てに追われる日々。自身の子育て経験を一冊の本にまとめようとクラウドファンディングで資金を集め、現在、双子妊娠がわかったときに読む本を制作中。
https://note.com/kudokei