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おばたのお兄さん 妊活振り返りインタビュー。初めての検査で、「精子の数が少ない」と言われショック…

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おばたのお兄さん 妊活振り返りインタビュー「妊活は夫婦の“ふたりごと”」


フジテレビアナウンサーの山﨑夕貴さんと結婚し、約5年間の妊活を経てパパになった芸人・おばたのお兄さん。

夫婦で向き合った不妊治療のこと、パートナーの支え方、これから本格的に不妊治療をスタートする夫婦に伝えたいこと…。男性目線での妊活について、たっぷりお話を伺いました。

妊活振り返りインタビュー・おばたのお兄さん #1
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2024-2025」

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2人で決断し不妊治療クリニックへ

お笑いにモノマネ、さらにアスリート芸人としても人気を集めているおばたのお兄さんは、自他ともに認める子ども好き。そのエピソードは中学時代にまでさかのぼります。

「中学生のとき、職業体験で保育園に行ったんです。子どもと同じ目線でワーッと遊んでいたら、先生から『本当に保育士に向いてる!』とほめられました。その後、夏休みに再びボランティアで保育園へ。先生から『ぜひ来てほしい。食事も出すから』って、僕が“おかわり”されたんです(笑)。それくらい、昔から子どもが好きでした」

新潟県魚沼市生まれ。きょうだいたちに囲まれてにぎやかに育ったこともあり、「いつか自分も子どもが持てれば」と、漠然と未来を思い描いていました。

「僕は4人きょうだいの3番目で、兄が2人と妹が1人います。子どものころはもちろんですが、大人になってからもきょうだいがたくさんいてよかったなと思うことがすごく多いんです。親もそう感じているという話をたくさん聞いてきたので、できれば自分も子どもがいる人生がいいなと思っていました」

2018年にフジテレビアナウンサーの山﨑夕貴さんと結婚。しかし、結婚する際は子どもについての話をしなかったといいます。

「それは彼女のことが大好きで、ずっと一緒にいたいという気持ちがいちばん大きかったから。子どもができる未来をいちばんに思い描いて結婚を決めたわけじゃないからです。そんな気持ちにさせてくれた妻はすごいなと今でも思います」

結婚後は「できたらいいね」と、ゆるっと妊活をスタートしました。

「最初はアプリなどを使ってタイミング法から。毎月『今日だね』なんて言いながらタイミングを合わせていたのですが、なかなか授かりませんでした。そうこうしているうちに、お互い『子どもが欲しい』という気持ちが強くなってきて。ちゃんと妊活するなら不妊治療専門クリニックへ行こうと決断しました」

不妊治療においてクリニック選びは最初の難関。納得して通えるクリニックを探すため、おばたのお兄さんも情報収集を行いました。

「僕と同期の芸人仲間の奥さんが不妊治療クリニックで働いていたこともあって、都内でおすすめのクリニックを教えてもらいました。ただ、クリニックは人によって合う・合わないがあるとのこと。妻には『絶対ここがいいよ』と押しつけることはせず、ただ情報提供するだけというスタンスで寄り添うようにしていました。最終的にクリニックを決めたのは妻。芸人仲間から教えてもらったクリニックも候補の一つではあったようですが、結局そこではないクリニックを選びました」

体調によって精子の数や状態が変わる!?

クリニックではタイミング法からスタートし、ほどなくして人工授精にトライすることに。

「人工授精にステップアップする際、僕も初めて精液検査を受けました。ところが検査結果は『精子の数が少なくて元気もない』。もうびっくりしました。『まさか自分が』って」

タバコは吸わないし、お酒もそんなに飲まないし、運動もしすぎるほどしているし。こんなに健康的な生活をしているのに、なんで―!?
予想外の結果に驚く一方で、思い当たることがまったくないわけでもありませんでした。

「実は少し前から風邪をひいちゃって、検査のときは治りかけでした。まだ微熱が残っていて、37℃くらいあったと思います。それに、体を使う仕事があって、かなり追い込んだトレーニングをしていて。いくつかの要因が重なって、悪い結果につながってしまったようです」

初めての精液検査で「精子が少ない」。人並み以上に運動もして健康的な生活をしていたのに、なぜ!?

検査結果は妻・山﨑さんがクリニックで聞き、報告してくれました。

「僕の状況を妻から聞いた医師は、『もしかしたら疲れていたことが原因かもしれないから、体を休めた状態でもう一度検査しましょうか』と。僕も最初こそショックを受けましたが、運動しすぎるのもいけないんだな、体調を整えて検査に臨むことが大事なんだろうと、すぐに思考を切り替えました」

2回目の検査は翌月。万全を期して臨むべく、よりいっそう心身の健康を意識した生活を心がけました。

「たとえば、食事では脂っこいものを控えたり、睡眠時間にも気をつけました。精神的な部分も関係があるらしいので、なるべく気持ちに余裕を持って、ストレスを抱えないようにもしていました。そして、運動をしすぎると体に負荷がかかるので、検査前は体を休めるように。精子が熱で死んでしまうという話も聞いたから、大好きなサウナもだいぶ前から控えました。すると2回目の検査では、1回目の100倍近くの精子の数! しかも元気!という結果に。僕も安心しました」

自分が経験できない=他人ごと、じゃない!

自ら生活を正し、不妊治療とまっすぐに向き合ったおばたのお兄さん。本人は「当たり前のこと」と謙遜しますが、不妊治療を始めた女性たちからは「夫が検査を受けたくなさそう」「夫が治療に協力的でない」という不満の声も聞こえてきます。

「男はプライドの生き物ですから、自分の至らないところを突きつけられたくないんです。『ちんこ小せえな』と言われるのと一緒で、『精子の数が少ない』って男性のシンボルを折られるような感覚になるから、受け入れたくない男性が多いんだと思います。それにクリニックに行って、検査のために個室でAVを観て1人で精液を出すということに『こんなに屈辱的なことはない』と思う人もいるかもしれません。それも結局プライドですよね。検査を受けたくないという男性の多くは、プライドが邪魔をして最初の一歩が踏み出せないんだと思います」

同じ男としてその気持ちもわからなくはないけれど、と前置きしつつも、「そこに男のプライドなんか持ち込んじゃダメ!」と一喝。

「不妊治療で痛い思いをするのは女性。妊娠してからもおなかの中に宿った命に栄養を与えなきゃいけないし、カフェインやアルコール、他にもいろんなことを我慢しなきゃいけないわけですよね。治療から子どもが生まれるまでの間、女性がどれだけ大変か。それなのに精液検査すら受けたくない、治療に積極的に関わりたくない…そんな男には『こんな入り口でなんやかんや言うんじゃねぇよ!』と言いたいです」

治療の大変さを理解しきれない男性が多いのは情報不足が原因?

「それもあるけれど、どこかで他人ごとだと思っているからかも。妊娠も出産も自分自身の体では起こり得ないことだから。どんなに頑張っても治療の痛みは代わってあげられないし、つわりや出産の不安も経験できない。だからこそ極力、妻に寄り添うことが大事だと思います」

妊活が僕を成長させてくれました

おばたのお兄さん

2回目の精液検査の結果は良好。しかし、人工授精を数回行っても妊娠には至りませんでした。そこで2人は体外受精に進むことを決意。

「僕が『できれば確率が高い治療をしたほうがいいと思う』と提案しました。何のために治療しているかといったら子どもを授かるため。性行為でも、人工授精や体外受精でも、2人の遺伝子をくっつける作業には変わりないわけだから、それなら早い段階で確率が高い方法を選択したほうがいいんじゃないかと思ったんです。妻も『そうだね』と同意してくれて、体外受精にステップアップすることにしました」

すると1回目の体外受精で妊娠。ところが心拍が確認できなくなり、稽留流産という結果に…。

「僕は、妻の気持ちがガクンと落ち込まないようにと必死でした。とはいえ、妻の体と代わってあげることはできないから、気安く『大丈夫だよ』なんて言えない。『2人のために頑張ってくれてありがとう』と感謝を伝えることしかできませんでした」

その悲しみは簡単に乗り越えられるものではありませんでした。それでも2人は再び前を向き、夫婦二人三脚で治療を再開。2回目の体外受精で妊娠が判明しました。でも、もろ手を挙げて喜ぶことはできなかったといいます。

「妊娠したからといって無事に生まれるとはかぎらない。子どもが生まれてきてオギャーと泣くまで、絶対安心しないようにしようと思っていました。実際、周囲からも流産や死産の経験談をけっこう聞いていたんです。だから妻にも『妊娠したことはうれしいけど、生まれるまでは油断しないようにしないとね』と伝えていました。ネガティブ思考ではなく、覚悟を持つという意味で」

妊活は男性としても人間としても少し成長できた時間。夫婦の仲もより深まりました

2023年8月、無事に元気な男の子が誕生。約5年にわたる妊活をこう振り返ります。

「妊活をしたことで2人の仲がより深まったような気がします。僕自身、『妻が精神的にいい状態でいられるためにはどうしたらいいだろう』と考えられるようになり、結果的には妻だけじゃなくて他の人への配慮もできるようになった。1人の男性として、人間として、少し成長できた時間だったと思います」

妊活ではとにかく妻を最優先して!

おばたのお兄さんも話してくれたとおり、不妊治療や妊娠・出産で大きな負担がかかるのは女性です。頑張るパートナーを、男性はどうサポートすればいいのでしょうか。

「僕の場合は、まず妻の話を聞くことを大切にしました。妻がクリニックから帰ってきたら『どうだった?』『先生はなんて言ってた?』。結果が悪かったとしても、妻は話すことで気持ちを放出できるし、僕は治療の知識が得られる。しゃべりたい妻と聞きたい夫、バランスがよかったと思います。そして妻は選手、自分はマネージャーという気持ちで寄り添いました。男性側に不妊の原因がある場合もあるので一概には言えませんが、妻が常に最善のプレーができるようにサポートすることが夫の役目だと思います。男性自身が検査を受けることもサポートの一つになると思いますよ」

不妊治療、妊娠、出産と大変な思いをするのは妻だから、夫はつまらないプライドを捨てて検査を受けるべし!

これから不妊治療を始めようと思っている男性の中には、戸惑いや不安を抱えている人もいるかもしれません。そんな男性たちに、先輩であるおばたのお兄さんがエールを送ってくれました!

「きれいごとじゃなくて、とにかく妻を第一に考えること!それが2人にとっていちばんいい結果につながります。芸人仲間もみんなそう言っているから間違いない(笑)。そして、妊活は夫婦の“ふたりごと”。2人を代表して妻がいろいろな治療をやってくれる、妻のほうが自分の何十倍も大変な思いをするということが理解できれば、妻に対してもっとやさしくなれると思います」

前年度の『初めての不妊治療クリニック受診ガイド2023-2024』(2023年9月発売)で妊活や夫婦のことについて語ってくれたおばたのお兄さんの妻・山﨑夕貴さん(フジテレビアナウンサー)。

おばたのお兄さんのインタビュー。次回は、当時の山﨑さんのコメントを振り返り、夫のホンネを教えてもらいました!ぜひ、ご覧ください!


●おばたのお兄さん Profile

おばたのお兄さん Profile

1988年、新潟県生まれ。日本体育大学体育学部卒業。24才で吉本総合芸能学院に入学。2016年よりピン芸人として活動をスタートし、小栗旬さんのモノマネで一躍脚光を浴びる。その後はモノマネタレント、アスリート芸人として活躍するほか、舞台『千と千尋の神隠し』、ミュージカル『トッツィー』などにも出演。私生活では2018年3月、フジテレビアナウンサーの山﨑夕貴さんと結婚。2023年8月に第1子(長男)が誕生した。

『おばたのお兄さんといっしょ親子で楽しむ!ポジティブエクササイズ』

キッズコーディネーショントレーナーの資格を持つおばたのお兄さんが、親子でできるエクササイズを提案。楽しみながら体を動かせる!
1540円(税込み)/KADOKAWA

●撮影/Hananojyo
●スタイリスト/奥崎千裕
●構成・文/本木頼子

※本誌掲載の内容は2024年8月19日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

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