【東京都】待ち時間を無駄なく過ごせる!「待ち方改革」、デジタル化によりスムーズな治療が受けられる不妊治療クリニックを取材
不妊治療を考えたときに最初に気になるのは、「不妊治療専門クリニック」っていったいどんなところ?ということ。そしてどんな治療が待っているの? 自分にもわかりやすい説明が事前に聞ける? など、まだ行ったことのない場所への不安を抱く人も多いはず。
不妊治療専門クリニックと一言でいっても、実は治療方針や雰囲気もさまざまです。そこで、初めての人でも2人目不妊でも安心して行けるクリニックを妊活たまごクラブ編集部がレポートします。今回は東京・品川にある「浅田レディース品川クリニック」を取材しました。 連載「潜入! 妊活を応援するクリニックってどんなところ?」第5回
「待ち方改革」で作られた、思い思いに過ごせる待合室
品川駅から徒歩5分の好立地にある「浅田レディースクリニック」。院長は日本初の顕微授精を成功させた(精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例の日本初の報告)浅田義正先生です。浅田院長は最初のクリニックを愛知県春日井市で開院、次に名古屋駅前、そして3軒目を品川で開業しました。
クリニックに入って、受付を済ませるとまずは、待合室の広さに驚きます。パソコンで仕事をする人、本を読む人、仮眠を取る人、また上の子を連れて親子待合室に預ける人…など患者さんがそれぞれの場所で過ごしています。浅田院長がこのクリニックを立ち上げたときに掲げたのが「待ち方改革」。待ち時間をできる限りなくし、待っている間は思い思いに過ごせるように工夫したそうです。
予約は専用アプリで、診察もデジタル化されスムーズ!
クリニックには専用アプリがあり、診察にあたってはまずアプリをダウンロード。診察予約、呼び出し、クリニックの情報受信、さらに治療が体外受精に及んだ場合は胚動画も閲覧できるという画期的なアプリです。また、診察に関してもすべてデジタル化され、その日の治療の流れ、誰がどの先生に診てもらったか、会計までスムーズに進行できるようになっています。
診療方針を理解するため、まずはeラーニングや説明会で勉強
浅田レディースクリニックでは診療方針を理解するために、事前にeラーニングで不妊治療の基礎を学びます。「不妊治療とは治療方法が見えにくいものです。まずは卵子の本質を知って、不妊治療に対する誤解や疑問をクリアにして治療に望んでもらいたいと思っています」と浅田院長。eラーニングのほか、院長による不妊治療講座も定期的に行われています。
年齢や卵巣予備能に合わせ治療方針を決定
最初の診察では、AMH(卵巣予備能)検査、超音波検査などの基本的な検査をし、年齢を考慮したうえで治療方針を決めていきます。
体外受精となった場合、浅田レディースクリニックでは「受精卵全凍結=Freeze All 」をします。できるだけ早い時期に多くの卵子を採取、受精させて凍結。そして、別の周期で子宮内膜を作り、凍結した受精卵を溶かして移植をします(凍結融解胚移植)。
治療の透明性を高めたいと願った“見えるラボ”
クリニック奥には、森をイメージしたという「見えるラボ」がありました。培養室を知りたいという声は多く、「自分の卵子や受精卵がどのように管理されているのか知りたい」という声に応えるため、浅田院長がこだわったのがこの「見えるラボ」。とてもきれいに管理された培養室で、受精が行われる光景を誰もが見ることができます。日当たりのよい空間なので、ここで様子を眺めながらくつろぐ患者さんもいるそう。
「妊娠」という結果を出したいと伴走してくれる院長
医師からの一言
浅田レディース品川クリニック 院長 浅田義正先生
「少しでも早く、妊娠という結果を出したいと、不必要な検査や不要な治療を省いてなるべく通院回数を減らしています。また、体外受精となった場合は一度の採卵で多くの卵を採取し凍結し、老化しない凍結受精卵で2人目、3人目にも対応できるようにしています。
編集部チェックポイント
不妊治療はとかく「待ち時間が長すぎる」と思われがちですが、仕事をしながら待機したり、仮眠も取れるなど、時間を無駄にせず過ごすことができるクリニックもあります。待ち時間をみんながどうしているか? をクリニック選びのポイントにするのもいいですね。
撮影/成田由香利 取材・文/中島博子